こちら花小金井3丁目  Last update:2002/01/06
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■ Acer V50LA を (予算\10で) Vcore 2.9V化改造 する ■

 

 V55LA に換装したり、AMD750マザーに載せたり出来るFMV-TOWNSでは在りますが、もともと載っているV50LAの使い途に困ることがあります。もちろん、換装したマザーが死んだ時の為に取ってはおくのですが、せめてK6やMMX-Pentiumがそのまま載れば多少は有効に使えるのでは、と思わなくも在りません。

 そこで V50LA を、Vcore電圧が 2.9V に対応するよう改造してみました。ただし、Vioも一緒に下がりますので覚悟が必要です。


(2001/12/28) : Vio電圧も一緒に下がる注意を書き忘れていたので追加しました。


■ 目標 ■

 ここで重要視するのは以下の項目です。

・お金はかけない

 このマザーに手をかけてもたかが知れていますので、下駄とかVRMとか、お金のかかるものは載せたくありません。今更このマザーにお金をかけてはもったいないです。

・手間をかけない

 同じく、このマザーの加工に手間をかけるくらいなら、別のマザーに手間をかけたほうが良いでしょう。

・普通に使える

 どうせなら、設定の変更に手間取らないよう、改造前とほぼ同じ感覚で使えて欲しいものです。


■ 材料 ■

・金属皮膜抵抗 160Ω × 1 ・・・[茶青黒黒 茶]

 用途が用途なので、カーボン抵抗は精度や耐性の面で不安であるため、避けたいところです。土地によりますが、秋葉原では \10/1本 で買えます。本当はチップ抵抗だとスマートなのですが、1つ単位で買えないので\100くらいしてしまうのと、店によってちょうど良い抵抗値のものが無いかもしれない、ということです。


■ 作業方法 ■

 V50LA のチップ抵抗 R400 についている 220Ω(2200)を剥がして、160Ωに交換するだけです。すると、従来 3.52V / 3.38V の選択肢だったのが、約2.9V / 3.38V になります。作業時間は、コテを暖めるのも含めて5分以内程度が目安です。

(1) 場所を確認します。

 R400 は、電圧設定ジャンパの付近にあります。

 
 一番右のチップ抵抗です。

(2) R400 を剥がします。

 半田ごてで溶かして、半田吸い取り器で除去した後、チップ抵抗を取ります。パターンを剥がしたりしないよう注意してください。

 
 横から撮影。
 奥のR399は、別の事を考えながら作業していて間違えただけ。マネしないように。

(3) 160Ω抵抗を実装します。

 場所がないので曲げて縦に実装しました。

 
 背が高いとイヤなので斜めに実装。

(4) Vcore 電圧を測ります。

 レギュレータ後段にある適当なコンデンサ間の電圧を測定します。

 
 いままでの 3.38V が出ているかどうか。

 
 約2.9V、こんなもんでしょう。


■ 注意 ■

 V50LA は、クロックが3.0倍までしか設定できないので、事実上200MHzまでしか設定できません。それ以上にしたい場合は、どうにかしてください。

 重要なことを書き忘れていましたが、VcoreだけでなくVioも下がりますので、場合によっては安定しないかもしれません。もっとも、過電圧をかけているわけではないので、壊れることはないと思われます。

 電圧は 2.9V に下がりますが、別に出力電流は増えるわけではないので注意してください。下駄のように外部電源をもらっている場合と違い、消費電力の大きいCPUを載せると、燃えます。MMX-Pentiumとかなら大丈夫です。

 レギュレータが今までよりいくらか発熱します。従来と比べると、3.38-2.9=約0.5V ぶん、多く発熱します。気になる人はどうにかしてください。(^^;

 頑張って 2.2V まで降圧することは、一時的には可能かもしれませんが、定常的に使うには怖いので試していません。どうせ余っているなら、やってみる価値はあるかもしれません。ただ、V55LA のデュアルレギュレータタイプが2段式で降圧しているのを考えると、Vioが下がりすぎで辛そうです。


■ 理屈 ■

 V50LA は、AT電源用マザーボードであるため、Pentium用のVcore(=Vip)電圧を、+5Vから降圧して得ています。電圧の降圧には、CPUソケット横にある可変電圧レギュレータICを使用しています。このレギュレータICは出力電圧を外付け抵抗によって決定するもので、V50LA のVcore電圧切り替えは、ジャンパの先に出力電圧に対応する抵抗が実装されています。ここでは、この抵抗値を適宜変更することで、2.9Vを得ています。

 問題点として、シングルレギュレータであるためにVio電圧が一緒に下がってしまうことが挙げられます。前述の通り、過電圧をかけているわけではないので、壊れることはないと思われます。2.9V なら、5Vのスレッショルド電圧をかろうじて超えていますし、どこかでプルアップなり電圧変換なりされていれば問題無いと考えられるからです。

 もうひとつの問題点として、レギュレータICは入力電圧と出力電圧の差に応じた熱を発生しますので、改造前よりレギュレータICは発熱することが予想されますが、標準でもそれなりの大きさのヒートシンクが装着されていますので、ある程度は大丈夫であると思われます。




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