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FMラジオ HFM-001β(試作回路)
・概要
新潟精密のNS953Mの姉妹チップYTS-7002Fを使用したI2Cデジタル制御方式のFMラジオです.このチップは放課後の電子工作のちあきさんからお分けして戴きました。
最初はI2C制御するだけでも必死でしたが,制御が上手くいきFMラジオが鳴った時は感動しました.何せ適当に引っ張った10cm程度の被服線のアンテナでも高感度で高音質でした.ちさきさんが実証済みですが,これならヘッドフォンに入れても十分できると思います.
また,マイコンで赤外線(NECフォーマット)受信による制御も盛り込んでます.
今回の試作回路はATtiny13VでI2C制御,赤外線制御,SW制御で容量不足になってしまいました.今回未実装ですが電子VRのI2C制御も入れないといけないので,次期作はATtiny45Vにする予定です.
・仕様
電源電圧:3.0V
MPU:Atmel ATtiny13V
チューナー:新潟精密 YTS-7002F(NS953M)
赤外線受光素子:EVERLIGHT IRM-3638N3
アンプ:TI TPA6111A2
電子VR:アナデバ AD5251(10k) → 次期作予定
AVRがI2CでNS953MとAD5251を制御する予定でしたが、tiny13VがI2Cと赤外線受信で手一杯になったのと,RSコンポーネンツの発送がAD5251だけ来年(2007/12/30現在)になってしまい今手元にないことで,NS953M音声出力→TPA6111A2の接続になっています.そのため感度が良すぎると音割れを起こします.今の状態で使用(むしろ試用?)するならアンテナ線を抜けばちょうど良い具合になりました.すばらしい受信性能です.
・操作
電源を入れるとEEPROMにあらかじめセットしてあるプリセットの最初の周波数に合わせます.そこからSWを押す毎にプリセットが次に進み,最後まで行くと最初に戻ります.赤外線受光は,NECフォーマットのデータコード部8bitを単にプリセット番号としているだけです.あまりに適当に組んでいたときに蛍光灯の明かりでの誤反応が多発したので,リーダーコードと他ビットのタイミングが正常かは判断しています.
NECフォーマットのリモコンは,製作せずに既製品のEVERGREENのDVDプレーヤーEG-D3000SDのリモコンで試しました.このリモコンの@AB…が0,1,2…のプリセットに一致します.
パイロットLEDは,プリセット変更時に一瞬だけピコッと光ります.
・概観,回路図
Fig. 1と2に概観,Fig. 3に回路図を示します.電池ボックスは単3電池3本ですが内部にレギュレータを組み込んで+3.0Vを生成しています.NS953Mは,壊れるのが怖かったのと形状変換にためにソケット変換しました.
回路図には,製作した試作回路にない部品や値違いが多々ありますが,これは次期作での回路図だからです.
Fig. 1 概観表
Fig. 1 概観表

Fig. 2 概観裏
Fig. 2 概観裏

Fig. 3 回路図
Fig. 3 回路図

・ファームウェア
WinAVRを使用して,AVR-GCCのC言語で作成しています.アセンブラ関数のコードの小ささ(自分次第ですが)と所要クロックの計算のしやすさを気に入って,ウェイト関数はアセンブラで作りました.内蔵発振のキャリブレーションをすればそこそこの精度でWinAVRのディレイ関数より小さくまとまります.
ソース(HFM-001b)
機能によってファイルを分けて構成し,転用しやすくしています.
[main.c]プログラム本体.
[eep_rw.h]EEPROMアクセス関数
[S_IIC.h]ソフト制御I2C制御関数
[Wait.S]ウェイト関数