上の画像は、TV放送が終了した後の信号のない状態(よく「砂嵐」と呼ばれます)を
キャプチャして、「3次元NR」による処理を行なったものです。
これを「何らかの画像にノイズが加わっているもの」だと考えてみると、
上の画像を見てもらえれば分かるとおり、「3次元NR」による処理を
行なう事により平均化され、ノイズが目立たなくなっています。
以下で、この原理について順を追って説明します。
キャプチャとは何か?
日本での放送方式NTSCでは、1秒間に30枚の静止画像
(実際には半分ずつの60枚)を
パラパラ漫画のように切り替えて動画としています。
キャプチャと呼んでいるのは、この静止画像を取込むことです。
当然、1秒間に最大30枚の画像が取込めることになります。
(半分ずつの60枚ごとに違う画像を送っている場合もあるようですが、
そういう場合では、きれいに静止画キャプチャは出来ないはずです。)
変化していないフレームに注目
ここで、カメラが静止し動きの無いシーンが1秒間続いたという条件を仮定すると、
30枚の“同じ場面”の画像がキャプチャできます。
この30枚の画像は動画の中で違うコマとして送られてきていますが、
実際には全く同じ物を写しているわけです。
フレームを平均化
このソフトの原理は実に簡単で、
この“同じ場面”の画像2枚を比較しています。
つまり上の画像は、第1世代は2枚、第2世代は4枚、第3世代では8枚の
“同じ場面”の画像を元に処理を繰り返していることになります。
動きのある場面では“同じ場面”の
画像をキャプチャできないため、このソフトを使う事は出来ませんが、
“同じ場面”の画像を複数枚
キャプチャする事が出来た時には効果を発揮します。
最も確からしい値
例えば物理法則では、公式により値は確定していますが、
物理現象を実験により測定した結果が正確に1つの値になることはありません。
これには、他の物理現象が関わっている場合もありますが、
本質でないノイズによって左右されているのが普通です。
こんな時、物理では平均値を用います。
単純なようですが、
「真の値が正確に存在する1つの値であると仮定した場合の
最確値(最も確からしい値)は測定値の平均である」
ということが統計学によりわかっているのです。
以上の理由により、「3次元NR」では2つの画像の平均値を用いて
新しい画像を生成しています。そのため、
「他の物理現象」に該当する
TV受信時のゴースト等の何かに由来するノイズは取り除けませんが、
ランダムなノイズの含まれた画像は、より真の画像に近づいていることになります。