●振替フリカエ
	ある容器ヨウキ（勘定カンジョウ科目カモク）から別ベツの容器ヨウキへ移動イドウさせることを振替フリカエと言イいます。
	こう言イうと、仕訳シワケはすべてそうではないかと言イわれるかもしれませんが、ここでは、
	実際ジッサイの移動イドウは伴トモナわず、名目メイモクだけを変カえることを取トり上アげます。
	名目メイモクだけとは、例タトえば以下イカの場合バアイです。
	・会議カイギ費ヒとして仕訳シワケしたものを接待セッタイ交際コウサイ費ヒに振替フリカえる（費用ヒヨウ⇒費用ヒヨウ）
	・備品ビヒンとして仕訳シワケしたものを消耗ショウモウ品ヒン費ヒに振替フリカえる（資産シサン⇒費用ヒヨウ）
	・商品ショウヒンとして仕訳シワケしたものを仕入シイレに振替フリカえる（資産シサン⇒費用ヒヨウ）
	・建物タテモノとして仕訳シワケしたものの一部イチブを減価ゲンカ償却ショウキャク費ヒに振替フリカえる（資産シサン⇒費用ヒヨウ）
	・有価ユウカ証券ショウケンとして仕訳シワケしたものの一部イチブを有価ユウカ証券ショウケン評価ヒョウカ損ゾンに振替フリカえる（資産シサン⇒費用ヒヨウ）
	・消耗ショウモウ品ヒン費ヒとして仕訳シワケしたものを消耗ショウモウ品ヒンに振替フリカえる（費用ヒヨウ⇒資産シサン）
	以上イジョウが、費用ヒヨウ間カン、費用ヒヨウ-資産シサン間カンでの振替フリカエです。
	例タトえば以下イカのように仕訳シワケします。
	接待セッタイ交際費コウサイヒ	30,000	会議カイギ費ヒ	30,000
	消耗ショウモウ品ヒン費ヒ	100,000	備品ビヒン	100,000
	仕入シイレ	200,000	商品ショウヒン	200,000
	減価ゲンカ償却ショウキャク費ヒ	630,000	建物タテモノ	630,000
	有価ユウカ証券ショウケン評価ヒョウカ損ゾン	320,000	有価ユウカ証券ショウケン	320,000
	消耗ショウモウ品ヒン	150,000	消耗ショウモウ品ヒン費ヒ	150,000
	資産シサンは手元テモトにあるもので、費用ヒヨウは消キえてなくなってしまったものです。
	価値カチの減ヘった資産シサンは、減ヘった分ブンを費用ヒヨウに振替フリカえます。
	逆ギャクに消キえ去サったと見ミえた費用ヒヨウが、やっぱりあったので資産シサンに振フり分ワけられるケース
	もあります（消耗ショウモウ品ヒン費ヒ⇒消耗ショウモウ品ヒン）
	しかし、これは決算ケッサン時ジのみに行オコナうことで、次期ジキの最初サイショの日付ヒヅケには、消耗ショウモウ品ヒンを
	消耗ショウモウ品ヒン費ヒに振替フリカえておきます。再度サイドなくなったことにします。
	●収益シュウエキと負債フサイ間カンでの振替フリカエ
	次ツギは、収益シュウエキと負債フサイの間アイダでの振替フリカエです
	・受取ウケトリ家賃ヤチンの収益シュウエキの一部イチブは前マエ受ウなので前マエ受ウ家賃ヤチンに振替フリカえる（収益シュウエキ⇒負債フサイ）
	・前期ゼンキの前マエ受ウ家賃ヤチンを受取ウケトリ家賃ヤチンに振替フリカえる（負債フサイ⇒収益シュウエキ）
	受取ウケトリ家賃ヤチン	80,000	前マエ受ウ家賃ヤチン	80,000
	前受マエウケ家賃ヤチン	80,000	受取ウケトリ家賃ヤチン	80,000
	来期ライキの収益シュウエキになるので、今期コンキの収益シュウエキにはできず、よってお金カネを預アズかっている（＝借カりている）
	のと同オナじになるので、負債フサイとして振替フリカえます。
	来期ライキになったら、そのお金カネを今期コンキの収益シュウエキとして扱アツカえるので、負債フサイを収益シュウエキに振替フリカえます。
	先サキの借方カリカタ側ガワに位置イチされる資産シサン・費用ヒヨウ間カンの振替フリカは、容器ヨウキ間カンでの価値カチの移動イドウということでも
	わかりやすいと思オモいますが、貸カ方カタ側ガワに位置イチされる収益シュウエキ・負債フサイ間カンの振替フリカは移動イドウの方向ホウコウが
	逆ギャクになってわかりづらくなります。移動イドウモデルでは、貸方カシカタ側ガワの容器ヨウキには負フの値アタイが入ハイっている
	ので、その負フを穴埋アナウめしていると考カンガえれば、移動イドウモデルでもいけますが、プラスで表現ヒョウゲンして
	いるので、方向ホウコウが逆ギャクになると考カンガえる方ホウがわかりやすいかもしれません。
	●パズルライク？
	むしろ、振替フリカエでは、パズルのように扱アツカった方ホウがわかりやすいかもしれません。
	仮カリに受取ウケトリ家賃ヤチンの残高ザンダカが160,000円エンあったとします。
		受取家賃
			現金ゲンキン
			160,000
	これに次ツギの仕訳シワケを当アて込コみます。
	受取ウケトリ家賃ヤチン	80,000	前マエ受ウ家賃ヤチン	80,000
	すると、
		受取家賃			前マエ受ウ家賃
		前マエ受ウ家賃ヤチン				受取ウケトリ家賃ヤチン
		80,000	現金ゲンキン			80,000
			160,000
	という具合グアイになります。
	受取ウケトリ家賃ヤチンの残高ザンダカは、テトリスみたく一致イッチした部分ブブンを相殺ソウサイすると、
		受取家賃
			80,000
	となります。
	ただ、実際ジッサイには消ケしたりはせずに、残ノコった部分ブブンを別ベツの勘定カンジョウ科目カモクに振替フリカえます。
	●損益ソンエキ勘定カンジョウへの振替フリカエ
	決算ケッサン時ジには、費用ヒヨウと収益シュウエキすべて損益ソンエキ勘定カンジョウに振替フリカえます。
	そうやって費用ヒヨウと収益シュウエキを一箇所イッカショに集アツめることで、利益リエキを把握ハアクします。
	今イマの受取ウケトリ家賃ヤチンの場合バアイだと、受取ウケトリ家賃ヤチンの残高ザンダカを損益ソンエキに振替フリカえます。
	受取ウケトリ家賃ヤチン	80,000	損益ソンエキ	80,000
		受取家賃			損益ソンエキ
		前マエ受ウ家賃ヤチン				受取ウケトリ家賃ヤチン
		80,000	現金ゲンキン			80,000
		損益ソンエキ
		80,000	160,000
	となります。
	こうやって、受取ウケトリ家賃ヤチンの総勘定ソウカンジョウ元帳モトチョウの貸借タイシャクを一致イッチさせて帳簿チョウボを締シめ切キります。
	他ホカの収益シュウエキも同様ドウヨウに、損益ソンエキに振替フリカえます。収益シュウエキは損益ソンエキ勘定カンジョウの貸方カシカタに来キます。
	また費用ヒヨウも同様ドウヨウに、損益ソンエキに振替フリカえます。費用ヒヨウは損益ソンエキ勘定カンジョウの借方カリカタに来キます。
	受取ウケトリ家賃ヤチンなどの名目メイモクを全部ゼンブ損益ソンエキに変カえてしまうと、トータルはわかるかもしれない
	けど、それぞれが何ナンであったのかわからなくなってしまうのでは、という懸念ケネンがある
	かもしれませんが、心配シンパイは要イりません。
	総勘定ソウカンジョウ元帳モトチョウには相手アイテ科目カモクを記載キサイしますので、すべて残ノコります。
	例タトえば以下イカのようになります。
		損益ソンエキ
		仕入シイレ	受取ウケトリ家賃ヤチン
			80,000
		120,000	売上ウリアゲ
		給料キュウリョウ
		80,000
		消耗ショウモウ品ヒン費ヒ
		80,000
		当期トウキ純利益ジュンリエキ
			240,000
	これはそのまま損益ソンエキ計算書ケイサンショになります。
	損益ソンエキ勘定カンジョウは、費用ヒヨウなのか収益シュウエキなのかといいますと、両方リョウホウであるということができるでしょう。
	借方カリカタが費用ヒヨウ、貸方カシカタが収益シュウエキになります。
	移動イドウモデルで考カンガえると、どちらも他人様タニンサマの容器ヨウキということで、それをトータルしたものと
	いえます。
	そして、損益ソンエキ勘定カンジョウで終オわりではなく、損益ソンエキ勘定カンジョウのはみ出ダした部分ブブン（＝当期トウキ純利益ジュンリエキ）を整トトノえます。
	損益ソンエキ	120,000	資本金シホンキン	120,000
		損益ソンエキ			資本金シホンキン
		仕入シイレ	受取ウケトリ家賃ヤチン			元モト入ニュウ額ガク
			80,000
		120,000	売上ウリアゲ
		給料キュウリョウ				160,000
		80,000				損益ソンエキ
		消耗ショウモウ品ヒン費ヒ
		80,000				120,000
		資本金シホンキン
		120,000	240,000
	当期トウキ純利益ジュンリエキを資本金シホンキンに振替フリカえます。
	こうして次々ツギツギに総勘定ソウカンジョウ元帳モトチョウを締シめ切キっていきます。
	損益ソンエキ勘定カンジョウがないと、どの勘定カンジョウから資本金シホンキンへ振替フリカえていいのかわかりません。
	損益ソンエキ勘定カンジョウで、収益シュウエキ・費用ヒヨウをすべて混マぜ合アわせることで、その残高ザンダカが資本金シホンキンに
	振替フリカえられる利益リエキ（あるいは損失ソンシツ）になるのです。
	●決算ケッサン残高ザンダカ
	そしてさらに資本金シホンキン勘定カンジョウを見ミると、借方カリカタ側ガワは埋ウまっていません。これも振替フリカえの
	対象タイショウになります。決算ケッサン残高ザンダカ勘定カンジョウへ振替フリカえます。
		資本金シホンキン			決算ケッサン残高ザンダカ
		決算ケッサン残高ザンダカ	元モト入ニュウ額ガク			資本金シホンキン
			160,000
			損益ソンエキ
		280,000	120,000			280,000
	資本金シホンキンだけではなく、資産シサン、負債フサイすべて決算ケッサン残高ザンダカ勘定カンジョウに振替フリカえます。
	そうなると、次ツギのようになり、これが貸借タイシャク対照表タイショウヒョウとなります。
		決算ケッサン残高ザンダカ勘定カンジョウ
		資産シサン	負債フサイ
			160,000
			資本金シホンキン
		440,000	280,000
	これはバランスが取トれています。
	（これは大陸タイリク式シキのやり方カタですが、英米エイベイ式シキでは代カわりに繰越クリコシ試算表シサンヒョウを作ツクります。
	大陸タイリク式シキではあくまでも仕訳シワケを使ツカって振替フリカエを行オコナって次期ジキに進ススみますが、英米エイベイ式シキでは、
	次期ジキ繰ク越コとだけ記入キニュウして帳簿チョウボを締シめ切キってしまい、次期ジキの開始カイシ記入キニュウで、前期ゼンキ繰越クリコシ
	を書カき込コみます。その前期ゼンキ繰越クリコシを集アツめて繰越クリコシ試算シサン表オモテを作ツクります。）
	これはずいぶんと面倒メンドウなことをやっているように見ミえます。
	精算セイサン表ヒョウですでに、損益ソンエキ計算書ケイサンショも貸借タイシャク対照表タイショウヒョウも作ツクることができるのなぜそんなことを
	するのでしょうか。
	それは、各カク帳簿チョウボ（総勘定ソウカンジョウ元帳モトチョウ）を締シめ切キるためです。
	各勘定カクカンジョウは通常ツウジョウ、何ナンらかの残高ザンダカがあるため、貸借タイシャクが対照タイショウではありません。
	そこで、はみ出デた部分ブブンを別ベツの勘定カンジョウに振替フリカえることで、貸借タイシャクを一致イッチさせてしまうのです。
	●移動イドウモデルと
	この振替フリカという作業サギョウは、図ズにするとパズル見ミないに見ミえますが、最初サイショにも述ノべましたとおり、
	はみ出デた部分ブブンの名目換えを行っているだけです。
	ただ単タンに、容器ヨウキの名前ナマエを変カえているようなものです。
	なので、これは移動イドウモデルで考カンガえるよりも、通常ツウジョウの仕訳シワケのバランスモデルで考カンガえた方ホウが
	わかりやすいでしょう。パズル的テキに考カンガえる方ホウがわかりやすいでしょう。
	これを容器ヨウキで考カンガえるとちょっと奇妙キミョウになります。
	損益ソンエキの容器ヨウキは、他人様タニンサマの容器ヨウキです。それを資本金シホンキンに付ツけ替カえると言イうのは、他人様タニンサマが
	出ダしてくれたお金カネを、出資者様シュッシシャサマが出ダしてくれたお金カネにすりかえてしまうということだから
	です。
	でもこれは正タダしいことです。そもそも利益リエキを出ダすとは、他人様タニンサマのお金カネを、出資者様シュッシシャサマのものに
	することだからです。こうして、利益リエキ分ブンの資産シサンについては、新アラたに出資者様シュッシシャサマが出ダしたものと
	して扱アツカわれ、出資者様シュッシシャサマのものとなりました。出資者シュッシシャは個人コジン企業キギョウであれば当人トウニン、株式会社カブシキガイシャ
	であれば株主カブヌシとなります。
	●利益リエキの処分ショブン
	個人コジン企業キギョウの場合バアイは、利益リエキはすべて自分ジブンのものですから、単純タンジュンに資本シホンに組クみ入イれればいい
	だけのことです。
	株式会社カブシキガイシャの場合バアイは、資本シホンのカテゴリには入ハイりますが、株主カブヌシが出資シュッシした資本金シホンキンとは区別クベツされ
	ます。
	内訳ウチワケは、法定ホウテイ準備金ジュンビキンとして、資本シホン準備金ジュンビキン、利益リエキ準備金ジュンビキン、剰余金ジョウヨキンとして別途ベット積立ツミタテ金キン、当期トウキ
	未処分ミショブン利益リエキとなります。これまでの例レイと同様ドウヨウ、当期トウキ純利益ジュンリエキを、これらの内訳ウチワケに振替フリカえます。
	これらすべて株主カブヌシ様サマの持モち物モノですが、法定ホウテイ準備金ジュンビキンなどは法律ホウリツで決まっているので勝手に
	いじることはできません。
	いろいろな内訳ウチワケに分類ブンルイされますが、これらはすべて名目メイモクです。他人様タニンサマの容器ヨウキの分類ブンルイを変カえた
	だけです。それらの名目メイモクに合アわせて、口座コウザを分ワけているかどうかはわかりません。
	負債フサイにある退職タイショク給付キュウフ引当ヒキアテ金キンもきちんと別ベツ口座コウザで管理カンリされていればいいですが、単タンに書面ショメンだけで
	記シルされて、実際ジッサイにプールされていないなんてこともあります。