<GATTYOさんの添え書き>
ちびセフィのひとりごと 「これはなんだ? なんていうモンスターだ?
<その前の光景(GATTYOさん)> 宝条「何やってるんだ、そんなに水をかきまぜたら、破れてしまうではないか!」 ヴィン「…くそ!じゃあ、どうしたらいいんだ!こいつらむちゃくちゃすばしこいぞ!」 宝条「この上のほうに浮かんでいるのをだな、狙いをさだめて、なるべく水をすくわないよう、こう表面を斜めにして、だな。……あ。」 ヴィン「ほら、破れたじゃないか。うんちくばっか言って。何が子供の頃は金魚すくいが得意で金魚やの恐怖のまとだった、だ。」 宝条「いや、ちょっと手元が狂っただけだ。」 ヴィン「おれはおれのやりかたでやる。タークスの意地を見せてやる!」 宝条「意地で金魚がすくえるか!ちゃんと対象の行動と水の圧力と濡れた紙の強度と考えて、だな。」 金魚やのおやじ「はい、おふたりさん、新しいのね。200円づつ!」
|
ヴィンセント「…この紙ですくおうという事が間違っているんだ」
宝条「そう、枠ですくうと考えたほうが…」
ずがぁあああんん(エコーエコーエコー)
のどかに縁日を楽しんでいた市民は突然の発砲に冷や汗をかくが、銃口から立ち上る煙を吹いたヴィンセントは涼しい顔。
薬莢を拾ってポケットに入れる頃、なんとかまだ浮かぼうとしていたブリキのお椀は浸水に耐えかね、水底へ沈んでいった。
そして水面には、衝撃でふらふらになった金魚がいっせいに浮かび上がる。
他の金魚すくい客が冷や汗をかいているのを尻目に、ヴィンセントは幸いにも簡易プールを貫通しなかった銃弾を拾い上げ、落ち着き払って金魚捕獲にかかった。
この暴挙に親父は一言の文句もつけることはなかった。
市内での暴力に怯えたのではなく。
ヴィンセントが気絶した金魚も拾えなかったので笑っていたから。
そのすきに気を取り直した宝条とセフィロスが、洗いざらい金魚を取っていったのにも気づかぬほどに、その姿は滑稽だったらしい。
<GATTYOさん>
ヨーヨー釣りバトル
ヴィンセント「…これはいったいなんだ!?」
宝条「ヨーヨー釣りだろうが。ほれ、このこよりの先についている金具でこの水風船を引っ掛けて釣り上げるのだ。」
ヴィンセント「なんでこんなもんで釣る必要がある?さっきの紙ですくう金魚といい、非能率的なものばっかあるな、縁日というやつは!」
宝条「非能率的だからこそ、ゲームになりえるんだろうが、ほら、そんな手付きではこよりを濡らしてしまうぞ。」
ヴィンセント「そんな…。濡らさないでこの輪ゴムをひっかけようなぞ無理だ。」
宝条「ばかだな、そういうゴムが水に浸かっているやつを狙うからだ。こっちの少し水から浮いているのをだな…。ほら、どうだ!!」
ヴィンセント「負けるか…。お、!釣れたぞ。見ろ!」
宝条「一つくらいでいばるな。よし、これを狙ってやる」
ヴィンセント「お、悪いな。ぶつかった」
宝条「ああ!こよりが…。お前、わざとだろう」
ヴィンセント「あやまったじゃないか。ほら、これでどうだ!」
宝条「ええい!そんなもんこうだ!!」
セフィロス「どうでもいいけど…。こっちのどらえもんのを釣ってくれない?」
風船やのおやじ。「お二人さん、もう一度やりますか?じゃ200円づつね!」