ホンジュラスにやって来て、村の悲惨な状況を目の当たりにして、この状況をもっと広く伝えなければならないと感じている。AYUCAホームページをもっと充実させないと…。
今日は、AYUCAホームページの下書きのつもりで、ちょっとまじめに、活動の様子を書いてみました。
今日も朝5時に起きて村に向かう。今日は、これまで援助してきた村のさらに奥地にある集落で調査活動をする。
まず、バスで途中まで行き、ヒッチハイクで最初の村にたどり着く。そこで現地の人と合流。さらに別の車をヒッチハイクして、奥地の集落へと行く。このあたりは、昨年10月末のハリケーン当時、完全に冠水してしまった場所である。近くの川が決壊し、大量の水が一気に押し寄せたという。
集落では、一軒一軒訪ね歩いて、家屋の状況や生活の状態を確認する。援助の必要がない状態であれば、私たちは援助はしない。すでに他の援助団体が支援に乗り出していれば、私たちは援助はしない。そのあたりを見極めるために、一軒一軒見てまわる。一軒ずつ訪ね歩くことで、住民との信頼関係も生まれる。だが、それは大変な重労働である。
集落と言っても、隣の家との間隔が数km離れていたりするので、ときにはカヌーを使い(写真左)、ときには馬に乗り(写真中央)、ときには自転車を借りて家々を訪ねる(写真右)。強い日差しの中をひたすら歩くこともある。
実際の聞き取り調査はスペイン語のできる金井さんまかせで、オレは無口なボディガード兼カメラマンに徹している。資材を運ぶときには、無口な肉体労働者にもなる。会話ができないということは、信頼関係を作る上で大きな障壁だけど、急に話せるようにもならないので仕方がない。ただ、Gracias.(ありがとう)だけは言うようにしている。
欧米の支援団体の中には、調査をしておきながら結局援助をしなかったというところもあるので、住民の中には支援団体を信用していない人もいる。金井さんは信頼関係を作ることを重視していて、例えば、訪ねた家で食べ物を出されたら必ず手をつけるように心がけている。もし手をつけないと、私たちが住民を見下している、という印象を与えかねないからだ。幸いにも金井さんもオレも何でも食べられるタイプなので、積極的に食べるようにしている(ただ腹が減ってるだけか?)。
今日は、午前中いっぱいかかって、5〜6軒の家を見てまわった。すべてが、これまで一切の援助を受けていない家だった。ビニールシートの屋根の下で生活している家族もあった。土の壁が崩れて隙間だらけの家で生活している家族もあった。これらの家々は、AYUCAで支援する方向で検討している。
そもそも、このあたりになぜ援助が入っていないか、自分なりに考えたことをまとめておく。
まず、ホンジュラスの国の体質が理由として挙げられる。ハリケーン後、世界中から援助物資、資金が集まったにも関わらず、一部の権力者のみがそれを手にし、貧しい人々には回らなかった。これは、ホンジュラスに限らず、途上国ではよくあることだと思う。
次に、満足な住民登録制度がないことが考えられる。どこにどれだけの住民がいるかを自治体が把握していないので、被害状況すらわかっていない。
そして、このあたりの村が幹線道路から離れた場所にあることも原因だと思う。国や自治体の援助活動が機能していなくても、世界中からたくさんの援助チームがやってきていた。幹線道路から離れた場所にあって、地図にもないような集落は、このような援助チームからも見落とされていた。または、見つけてはいたが、援助しにくい場所だったために見捨てられていたのではないかと思う。
ともかく、私たちは、国や自治体の体質を変えることはできないが、限られた資金の中で一人でも多くの人を救ってあげたいと思っている。