今日も朝5時に起きて、村へ向かう。
朝早くから行動するのには2つの理由がある。 ひとつは、犯罪に巻き込まれる可能性が低いこと。もっとも危険なのは夜である。早朝から活動すれば、遅くなったとしても日が暮れる前に帰ることができる。 もうひとつは、ヒッチハイクしやすいこと。こちらの人たちは朝早くから行動する。そのため、早朝の方が交通量が多い。 今日も早朝からヒッチハイクをした。金井さんと2人でヒッチハイクをすると、女性の金井さんは助手席に乗せてもらって、オレは荷台に乗ることが多い。ちなみに下痢のときの荷台はきつい。 荷台でひとりになると、頭の中にBGMが流れてくる。朝日を浴びながら、風を受けるのは気持ちがいい。今朝のBGMは、Pat Metheny『Last Train Home』だった。電車に乗っているわけではないが、この曲だった。 村に着いて自転車で家々をまわる。金井さんは今日は馬に乗った。といっても、金井さんは馬を乗りこなせるわけではなく、西遊記の夏目雅子みたいに馬にまたがってゆっくりと歩くだけである(わからない人すみません)。馬の方がラクだから、という理由で住民が馬を用意してくれる。男のオレは自転車で行けと言われる。道はでこぼこで、ぬかるみがあったり、ときには冠水していたりするので、自転車でも大変だ。今日も、途中の水たまりでバランスを崩し、足首まで泥につかってしまった。 でも、真上から太陽が照りつける中、風景を見ながら動き回るのが、とても楽しい。見渡す限りの自然の風景。どんなに耳を澄ましても自然の音しか聞こえない。ゆっくりと進むオレたちを、馬にまたがった少年が追い越していく。このときのオレのBGMはTOTO『AFRICA』だった。ここはアフリカじゃないが、この曲だった。 村をまわったあと、再びヒッチハイクをして町に向かう。今日は運良く町に行く車をヒッチハイクできた。目的地が違ったりすると、二度三度とヒッチハイクを繰り返すことになる。 金井さんは助手席に乗り、オレはまた荷台でひとりになった。強い日差し。荷台も熱くなっている。流れる風景が美しい。このときのBGMは爆風スランプ『旅人よ』だった。猿岩石のヒッチハイクとは目的が全然違うが、この曲だった。(写真:帰りのトラックの荷台で歌う) ときには、自分の曲がBGMになることもある。荷台の上でひとりで歌う。これがまた気持ちいい。けど、オレの歌は、ここの風景に合わないんだよなあ。 |
Seiji OHMORI 1999