route // B面

だぶりふのうた
alter ego
ギター&エトセトラ
?!
屋根の下のオルガン弾き

逢ひ引き
ラヂカルリリカルパセティカル
午後のたわむれ
紺と紅のアダージョ

だぶりふのうた  (Oct.2000)

お煙草を一本
其れが総てさ
悪くはないし
嫌でもないの
私の(私の)
心が(心が)
呼ぶ(呼ぶ)
本能(其れが総てさ)
私の(私の)
頭が(頭が)
叫ぶ(叫ぶ)
愛情(其れが総てさ)

カシオペイアは 街灯りと引換え
革のトランクに詰めて 寄越して

何処へ行きたい?
身勝手を責め立てたりはしません
嗚呼 どうか 望む侭に
命じて 罵って 縋って 頂戴

お月様は丸い
其れが真理さ
拒むことない
受け入れない
私の(私の)
心が(心が)
知る(知る)
煩悩(其れが真理さ)
私の(私の)
頭が(頭が)
悟る(悟る)
信条(其れが真理さ)

アウトラインは 曖昧に噛んでて
黒のリュックに詰めて 寄越して

何をしてみたい?
身勝手を責める何てきっと無理です
嗚呼 どうか 我が侭に
繕って 操って 縋って 頂戴

alter ego  (Aug.2000)

瞳は カーテンから漏れる 朝の淡い光を見ていた
膝を 抱えて屈み 爪を噛んで 小さく震えていた

少女のあたしは手を延べ救って

あたしの瞳を視ていて
あたしの肩に触れないで
遠く儚いひととひとの中に
永遠と信ずるに足るものはあるでしょうか

指は 砂の文字を辿るように 足の裏を撫でていた
耳を フローリングに擦り付けて 夜を待っていた

肌は 体温の安心を得るため 研ぎ澄まされていた
歯を 指先で挟み 不快なことで存在を認めていた

少女はあたしの腕を組み凭れて

あたしの指を齧っていて
あたしの髪を掴まないで
満ち足りた愛の数を測れば
眠り落ちる瞬間も不安じゃないでしょうか

ギター&エトセトラ  (Apr.2001)

六弦をなぞる 彼の指に見蕩れる
高音鳴らしていて 私が望んでいるから

 そうそれだけで良いと
 再三言ってる筈でしょう
 だから何もしないでよ
 立ち上がらないで隣に居て

掻き鳴らす F7
もっともっともっともっと 嗚呼! 鼓膜が壊れるくらいに
降り頻る GM
ずっとずっとずっとずっと 嗚呼! 脳髄が砕けるまで

柔らかい音色 鋭利なアウトライン
バッキングでも 私はちゃんと見ている

 そう初めは真白で
 気遣いや憐れみもなく
 やや純粋でもあった
 三年経てば変わりもするさ

夕陽を誘う F7
もっともっともっともっと 嗚呼! 網膜に焼き付くように
最高音で GM
きっときっときっときっと 嗚呼! 骨髄は蕩けてゆく

?!  (Oct.2000)

あたしは弱い ちっぽけなタイプ
あなたが見ていて くれなけりゃアウト
あしたは晴れる 楽しみなライヴ
あまくて切ない 無意味なシャウト

どうして みんな ずっと 歩いて行くの
どうして 何か あると 信じられるの

 あいとか ゆめとか
 まぼろし だったら どうしたい?
 それでも いきるさ
 どりょく むだには したくない?

あなたさえも そうなの?
理解不能 ????

あたしは知らない 血を欲すナイフ
あなたが持てば 苦しみだすロード
あさひが見てる めぐり逝くライフ
あらたに始める 迫り来るヴォウト

どこまで みんな ずっと 喋っているの
どこまで 何に だって 傷付けるの

 ぜつぼう りふじん
 まぼろし だったと おもえない!
 それでも いいのさ
 じぶんが たしかで あったなら!?

あなただって そうだよ!
回路切断 !!!!

屋根の下のオルガン弾き  (Aug.2001)

湿ったキルトに手首を置いて
正しい旋律を繰り返そう

如何ばかりかカルシウム不足
食物繊維 或いは 鍵盤も

望んだ侭の姿こそ いじましくて余りにも
一gの蒸留水を五線にばらまいてやった

 帰る場所がないわけじゃない
 だけど背中にしがみついた
 毎夜毎夜うんざりですか?
 あたしも そう ことに ♯ には もう

木目の屋根に手形を嵌めて
危うい旋律を繰り返そう

自己中心的な山鳥と柘榴を
撃ち落したら 奈落 D.C.

クラッシュ ピース ・ カット サウンヅ ・ メイク イット オア ドント
ゲット カラフル グレープフルーツ & スヲーヅ ゼン ....

 帰る場所を切り捨てたくて
 一人 夜明けを 待ってみた
 毎夜毎夜うんざりですか?
 あたしも そう ことに ♭ には もう

  (Jan.2001)

起きて薄暗い窓の外
何よりも考えるのは
夜食の献立何かより
今日も存在する意味

コンビニ帰りの風景
何よりも感じるのは
静寂の心地良さより
ヴィニル袋の行き先

其れって変ですか?
応えてくれますか?
キミはどうですか?
違うと言えますか?

嗚呼 そして自己嫌悪は 形変えながらまた渦巻いて

やりたいようにやる
何て言って失敗して
忠告を聞きなさいと
優しく諭されました

我々に従って生きよ
さすれば物思いなく
安全に生きてゆける
心配することないと

其れって何ですか?
教えてくれますか?
キミはどうですか?
違うと言いますか?

嗚呼 しかも強迫観念は 形変えながらまた絡まって

逢ひ引き  (May.2001)

往路 肩を繋ぐ 振動
委ね 押し潰されたい
帰路 煙草臭い 座席
倒れ 眼を瞑りたがり

浅ましい者よと必死で罵った
引き換えの安堵 卑しい気性

嘗て夢を馳せた微笑む絵画も
引き裂けば安穏 醜い口唇を

消えて
もうあたしの瞳に映らないで
傲慢不遜な態度も演技なのに
どうして
もうあたしの手は戻らないわ
交換可能な義手は要りません

古都 経由して 再会
望み 財布を捲りだす

都市 煙草臭い 小径
迷い 凍て付いて眠る

消え往く面影も二番目の棚に
打ち崩して頂戴 煌く夢想を

揺れて
どこまでも連れて行けば良い
信頼関係を損なう為の計画性
確かに
いつまでも眺めていたい幻想
予定調和を知覚してしまった

ラヂカルリリカルパセティカル  (Mar.2002)

午前十時 開け放したガラス窓から
海沿いの 強い光が あたしを襲い始める

踊り狂う叫譟
都会の空への懐想
孤独なダンスの序奏を聞きながら
幾千のトルソウを抱いて微睡む

午前十時――

 あたしが犯した弱さの罪の懺悔を掻いて
 この風よ 最果ての町まで 今は元気だからと伝えて

 あなたが吐いた嘘の優しさに怯えて啼いただけ
 今はもう 許されなくても あたしを信じていたい

午前〇時 夜に落ちるガラス窓は
乱反射の際に映った あたしの姿を抱いた

溷濁のパスティーシュ
廻りめくるめくハシッシュ
河沿いの屋根屋根に異趣の騒乱を
こっそり袖手したまま待って

午前〇時――

 あたしが許せなかった罪を忘却に溶いて
 この風よ 最果ての街まで すぐに帰るからねと伝えて

 あなたが諭した弱さの意味から目を伏せていただけ
 今はもう 確かにわかった あたしを守っていられる

 この風よ 最果ての街まで あたしみつけたよ、と伝えて

午後のたわむれ  (Jun.2001)

穏かな午後の優しい陽に塗れるのを厭ってカーテンを閉めた
軽やかな電話のベルはもう鳴りはしないだろうとメモリーを消した

何がある? あなたは言った 何も知らない あたしに向かって

ああ 今になって 現世の不思議に酔ってしまった
ああ 夜更けごろに 目覚めるのはただ喉が渇いただけ

ゆっくりと意識すら溶け出し白い壁紙が霞んで涙が溢れた
とうとうと流れては吐き出す本能と血脈の記憶を切り裂いた

何もない あたしは言った 何かはある あなたは嘘吐き

ああ どうしてか 掠れた声だけ口唇から零れる
ああ 眠り過ぎて 目覚めることも二度とないと思った

ああ どれほどに あたしが消えて月に飲み込まれても
もう 仕方なく あなたを怨んだりはしまい きっときっときっと……

紺と紅のアダージョ  (Nov.2001)

何もかもゴミ箱に放りこんでみたい
愛情 信仰 プライド まっさらになる
一週間経って溢れ出して拾い集める
本当のゴミにまで埋もれて微笑んでみた

窓を開けて 吐いた息が 白く濁って 嬉しくなった
あたし まだ 生きてるみたい

 落ちる灯に手を延べても
 指先から零れる美しいものたち
 鳥が舞う空を見上げたら
 為すすべもないことに気付いた

真意を隠した方がやりやすいんだ
愛情 信仰 プライド あたしに触れないで
レジ前で言葉が出ず口唇こじあける
音程を間違った ミキサーが壊れたかな

目を閉じて 耳を閉ざし 感覚を澄ますと 聞こえたよ
あたし まだ 脈打ってる

 儚く潰える言葉こそ
 指先に留めたい美しいものたち
 未来なんてどうでも良い
 ましてや過去なら尚更でしょう

窓を開けて 吐いた息が 白く濁って 消えていった
ねえ見えた?

夜が 朝に 落ちたんだ

 落ちる灯に手を延べても
 指先から零れる美しいものたち
 鳥が舞う空を見上げたら
 為すすべもないことに気付いた

 儚く潰える言葉こそ
 指先に留めたい美しいものたち
 未来も過去も要らない
 せめて今だけ弱くても生きていたいから

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