民主制の擁護


─ ハンス・ケルゼン ─



民主制支持者は、宿命的な矛盾に陥り、

民主制救済のために独裁制に訴えようとすべきではない。

船が沈没してもなおその旗への忠誠を守るべきである。

自由の理想は破壊不可能であり、

深く沈めば沈むほど

やがて一層の情熱をもって再生するであろうという

希望のみを胸に抱きつつ、

海底に沈みゆくのである。



私的コメント
かつて人類の歴史上、自由の理想という名の船は
二つの世界大戦、ナチスの迫害等によって深く海の底へと沈んでいった。
しかし、その度に浮かび上がり、現在の自由主義社会が実現された。
これから先もこの船は第三次世界大戦等によって
海底深く沈みゆく事があるかもしれない。
しかし、その度により一層の情熱をもって再び浮かび上がる事であろう。
何故ならばこの船こそが人間の本能そのものだからである。