とりあえず二次元で考える。(三次元で考えたら、地面に垂直な軸周りの回転に起因する摩擦力は偶力であり……)
剛体壁にボール(円盤)が衝突すると考えて、半径は一定、ボールの重心は接触点(面)の真上。
ボールの質量をm、半径をrとすると、慣性モーメントI(記号自信なし)はI=(2/5)*m*r^2。(中実球の場合。ピンポン球なら2/3、円盤なら1/2、フラフープなら1。)
剛体壁を地面と考え、壁と平行にx軸(右方向を正)、垂直にy軸(上方向を正)をとる。ボールの回転方向はこちらから見て反時計周りを正とする。
(普通の)はねかえり係数をeとする。ボールの衝突前の速度と角速度をvx,vy,w、衝突後の速度と角速度をvx',vy',w'とする。
慣性モーメントを考えなかったり、地面との摩擦がないと仮定したりした場合、vx'=vx, vy'=e*vy, w'=w。
運動エネルギー保存則(と、x軸方向とy軸方向は独立して考えられる、という仮定)から導かれるもう一つの解は、(混乱しないように、e=1として、)
……えー、どうやったんだろ。
重心からrだけ離れたところに発生した撃力を、重心にかかる力積と力のモーメント積に分解する。力積のx成分(う、記号忘れた)とvx'とw'が未知数? 力積は速度変化からわかるか。
力積と力のモーメント積の関係は
I*(w'-w)=r*m*(vx'-vx) (1)
一方、運動エネルギー保存則から
m*vx'^2+I*w'^2=m*vx^2+I*w^2 (2)
(1)、(2)を連立方程式として解くと、
えー、(1)からw'=w+r*m*(vx'-vx)/I
……めんどくさい。
どういう現象が起きているかというと、接触点において地面がボールの下端を〆やってきた通りに♂押し出してエネルギーを残さず、ボール内部にも振動エネルギーなどが残っていない、という状態です。
ボールの下端での速度はr*w+vxからr*w'+vx'に変化します。そしてその2つは符号が逆で絶対値が同じです。
(r*w'+vx')=-(r*w+vx) (3)
変化量は-2*(r*w+vx)であり、それは速度と角速度の変化によって実現されます。
-2*(r*w+vx)=r*(w'-w)+(vx'-vx) (4)
(1)、(4)から
(vx'-vx)=-2*(r*w+vx)*(I/(I+r^2*m))
r*(w'-w)=-2*(r*w+vx)*(r^2*m/(I+r^2*m))
運動エネルギー保存則で本当に同じ結果が出るのか?
大学で、Routh Methodというのを小耳に挟んだ。剛体同士の衝突を記述したもので、クーロンの法則に従い、接触開始時は垂直抗力が小さいのでずるずるすべっていって、すべり速度が0になった場合それ以上何も起こらない、というものであるらしい。上の(3)でいえば、r*w'+vx'=0ということ。 だけど、スーパーボールはそれ以上のものであると思う。確かに、エネルギー保存モデルは無理が多い。接触開始時はやっぱりすべるかもしれないし、ましてやボールが離れるときに地面がボールを加速させつつエネルギーを失って速度0になる、というのはありえない。しかし、弾性体であるボールは接触点のすべり速度が0になっても中身が遅れてついてくるわけで、……そっか。どっち向きにも残る可能性があるのか。