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このドキュメントは Keyboard Mouser AHK の取扱い方法について記述したものです。
キーボード全体のキー配列を活かしてマウス操作が出来るマウスユーティリティーです。
もともとの発想は、
キーボードのキー配列をそのままディスプレイにマッピングできないか、
というところにあります。
つまり、いわゆるマウスカーソルをキーで動かすというよりは、
画面の位置をキーボード上でタッチするような、ペンタブレット的インタフェースを意識しています。
では、その特色は...
キーボードの一部を画面に対応させたマップ的な移動と4方向移動の組み合わせで、
ホームポジションを中心としたキーの範囲内だけでマウスカーソルを自由に移動させることが可能。
加えて、クリック、ドラッグ操作もキーボードから可能。
(キー設定は変更可能)
クリック操作で操作を終了するのと、連続して操作をし続ける2つのモードが存在(ホットキーで切替)
マルチディスプレイ環境にも対応
AutoHotKey のスクリプトで作成・提供しているため、AutoHotKey/AutoHotoKeky_L 環境があれば、プログラム部分を含め任意にカスタマイズ可能(AHK_L を推奨)。
動作確認環境は Windows 2000 〜 Windows 7。
基本、 AutoHotKey/AutoHotoKeky_L が動く環境であれば大丈夫だと思います。
それだけです。
インストーラ等は用意していませんので、スタートアップ等への登録は各自でお願いします。
[目次へ]独立したフォルダにインストールした場合には、そのフォルダ全体を削除するだけです。
もし、他のアプリケーションと同じフォルダにインストールした場合には、次のファイルを消して下さい。
インストール時に格納したファイル
同じディレクトリにある KeyboardMouser.ini
現在はレジストリへの情報格納はしていませんので、レジストリ内の情報削除の必要はありません。
[目次へ]Keyboard Mouser AHK は GPL 2.0 での配布となります。
商業ベースでの配布や紹介をして頂けた場合には連絡を貰えると嬉しいです。
再配布の場合には、ファイルの内容、構成は変更しないようにして下さい。
作者は本ソフトウェアを使用して生じた障害、損害については一切の責任を負いません。
また、作者は本ソフトウェアの修正、及びバージョンアップの義務を負いません。
以上、蛇足ながら、悪しからず。
[目次へ]
KeyboardMouser.ahk/.exe を起動すると、タスクトレイにアイコンが表示されます。
そうすれば正常に起動しています。
操作を開始するには、まず、
すると、設定してあるキーボードのキーに対応してディスプレイを分割した画面がでてきます。
の操作で、そのエリアにマウスカーソルが移動します。
その選んだエリア内に対してこの動作を再帰的に行っていくことで、さらに詳細にマウスの位置決めができます。
また、カーソル移動用のキーで4方向の移動もできます。
希望の場所に移動できたら、クリック動作用のキーでクリック(左、右、中央、ダブル)動作をして下さい。
クリック操作で一連の操作状態が終了となります。
※ 操作の概要図(初期設定時)
<画面をキーに対応して分割+移動>
|
+ |
カーソルキーでも |
+ | <クリック操作>
Enter を使った指定はプログラムで固定 |
また、この分割領域の右下には、簡易的なヘルプとして、
マウス移動キーとクリック・ホイール用のキーの設定をツールチップを使って表示しています。
それぞれ Move keys=〜、Click keys=〜、Wheel keys=〜 と表示され、
Move は「右 左 上 下」の順、Click は「左 中 右 ダブルクリック」、Wheel は「アップ ダウン」の順となっています。
Move keys=h l k j Click keys=u i o y Wheel keys=m n |
Shift キーを押しながらカーソル移動のキーを入力すると、移動量が増加します。
増加量は設定で変更可能です。
Alt キーを押しながらクリック操作のキーを入力すると、対応するマウスボタン(左、右、中)でのドラッグ操作が開始します。
ドラッグ終了は、任意のクリック用キーの入力です。どのキーでも開始したボタンの終了指示になります。
ドラッグ中は、マウスカーソルの移動とクリック操作のみが可能です。
またドラッグ操作中は「Drag Mode」というツールチップが表示されます。
マウス操作中でも、Alt+Esc で、表示中のウィンドウを循環的に前面に表示を切り替えることができます。
(一般的な Alt+Esc のキーボードショートカットの動作相当)
Alt キーを押しながらカーソルキーを入力すると、分割対象をマルチディスプレイ間で移動することが可能です。
ホットキーを入力直後は現在マウスカーソルが存在するディスプレイが分割指定の対象となりますが、
Alt+→か+↑で次のディスプレイ、Alt+←か+↓で前のディスプレイに分割対象を移動できます。
ディスプレイ間での移動指示を行うと、必ず移動後のディスプレイ全体での分割状態から始まります。
この操作を使った Tips 的な活用方法として、
一度、小さくなってしまった分割領域を、この操作で再度画面全体に戻すことが可能です。
(マルチディスプレイ可能でなくてもこの操作は有効です。
その場合、1ディスプレイ内で移動した扱いになります)
途中で処理をキャンセルして、マウス操作を中止したい場合には Esc キーを押して下さい。
また、タスク切替のキー(Alt+Tab, Windowsキー+Tab)でも動作がキャンセルされます。
通常のホットキーではなく、もう一つ、連続モード用のホットキー(初期設定では Ctrl + Alt + 'm')があります。
こちらのホットキーでマウス操作に入った場合、クリック操作をしても操作を終了しません。
再度、ホットキーを入力直後の状態に戻り、あらためてマウス操作を出来る状態になります。
連続モードを抜けるには、明示的にキャンセル操作を行って下さい。
[目次へ]現在、
といった設定変更が可能です。
設定の変更を行うには、
タスクトレイのアイコンを右クリック → メニューから「KM settings...」を選択
ダイアログで各種設定を行う
という手順です。
また、環境設定のダイアログを表示中にはホットキー+このソフトの動作は無効化されます。
簡単に各項目を説明します。
このソフトを使ってマウス操作を開始するための Hotkey 設定です。
通常用と連続モード用の2つのホットキーを設定します。
記述方法は AHK の記述方法そのままの形で、修飾キーには次のような文字を使います。
+ | Shift |
^ | Control |
! | Alt |
# | Windowsロゴキー |
例えば「+^!k」ならば「shift」+「ctrl」+「Alt」+「k」の同時押し、「#k」ならば「Windowsロゴキー」と「k」の同時押しの設定となります。
また、「Pause」「Break」などのキー名による指定も可能です。
仮想キーコード/VKXX や スキャンコード/SCYYY での指定の場合には、どちらか正しく動く方で指定して下さい。
詳しくは、AHK のホットキーについて解説しているこちらの修飾シンボルやこちらのキーリストのページなどを参照して下さい。
ディスプレイを分割してマウスカーソルを移動させる際に利用する文字列を、4列まで指定できます。
ここに設定した文字×列数でディスプレイが分割され、1文字毎に分割した1マス分に対応されます。
列数は4列全てを使わなくてもかまいませんし、また1列内の文字数の制限は明確にはありません。
が、無理な値を設定すると実用上問題があるので、その辺りは各自で調整して使いやすい範囲で設定してみて下さい。
「Max KB Depth」は何回まで再帰的に画面へのマッピングを行うかの設定になります。
マウスカーソルを4方向に移動させるためのキーと移動量を設定します。
ここは「Pause」「Break」などのAHK でのキー名による指定も可能です。
仮想キーコード/VKXX や スキャンコード/SCYYY での指定の場合には、どちらか正しく動く方で指定して下さい。
このキーには、Shift を押した場合に別の文字が入力されるキー(大文字・小文字ではなく、数字や記号のキーなど別の文字になるもの)はなるべく設定しないようにして下さい。
そのようなキーを設定した場合には、shift による加速は動作しません。
マウスの各クリック操作(左、右、中、ダブル)とマウスホイール(上下)を行うためのキーを設定します。
ここは「Pause」「Break」などのAHK でのキー名による指定も可能です。
仮想キーコード/VKXX や スキャンコード/SCYYY での指定の場合には、どちらか正しく動く方で指定して下さい。
ディスプレイ上にキーに対応する場所を表示するための画面の透明度を設定します。
Keyboard Mouser を終了したい場合には、
で可能です。
[目次へ]「2.2 操作方法」で図示している初期設定の意図としては、左手でディスプレイ分割と対応させたキー指定、右手で4方向+クリック指定と役割分担できるようにしています。
次のような設定をすれば、両手のキーに満遍なくディスプレイ分割+マウス操作を対応することも可能です。
|
→ |
|
■ マウスカーソル移動設定
|
→ | キーボードの y, b, g, h |
■ クリック動作設定
設定項目 | 設定値 | 対応キー |
Left Click | vk1D 又は sc079 | 無変換 |
Right Click | vk1C 又は sc07B | 変換 |
Middle Click | Space | 空白(スペース) |
Double Click | vkF2 又は sc070 | ひらがな/カタカナ |
Key Line 1〜4 の4列分全てを設定する必要はないので、
次のような設定をすれば、テンキーをディスプレイ分割+マウス操作に対応することも可能です。
|
→ |
|
■ マウスカーソル移動設定
|
→ |
テンキー上の ↑, ↓, ←, → (NumLock が OFF時) |
■ クリック動作設定
設定項目 | 設定値 | 対応キー |
Left Click | Numpad0 | テンキー上の「0」 |
Right Click | NumpadEnter | テンキー上の「Enter」 |
Middle Click | NumpadDot | テンキー上の「.」(ドット) |
Double Click | NumpadAdd | テンキー上の「+」 |
このプログラムは AutoHotkey/AutoHotkey_L のスクリプトで作成されています。
AutoHotkey/AutoHotkey_L とは
ホットキーへの機能の割り当てなど常駐ソフトの作成に特化したスクリプトエンジン。多彩なコマンドが用意されており、GUIを持ったプログラムの作成も可能。
任意のキーの割り当て変更、マクロ、ウインドウ操作 ...
オープンソースの簡易プログラム言語、Windows用フリーソフト。
(下記の「AutoHotkey Wiki」より引用)
です。
より詳しくは AutoHotkey Wiki や、そのリンク先の公式サイトなどを参照してみて下さい。
また、このスクリプトは次のものを参考にして作成しました。
役立つスクリプトのソースコードを公開して下さりありがとうございます。
また、私は AHK のスクリプト作成は初心者のため、もし次のような点のアドバイス・修正したコードがあればメール等で教えていただけたら助かります。
作者の連絡先/Web サイトは、
です。
要望、質問、バグ、その他不明点等ありましたら、上記のサイトを確認してみるか、あるいは直接上記のアドレスへ電子メールを送って下さい。
KeyboardMouser AHK の最新版は、上記サイトや Vector で入手可能です。
Vector では、マウス用ユーティリティ のジャンルで掲載されていると思われます。
DATE:2014/07/07