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Written by Suzuki, since 2000








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私の考えとして・・・


四つ弽(よつがけ) 」における
「 三つ四つ 」射法について・・・1



「三つ四つ」という射法をご存知でしょうか弽



これは静岡県西部地区の、とある射会での出来事です。

この射会には静岡県東部地区から参加された方がいました。 でもその方は、地元の四つ弽(よつがけ)を使っているヒトの射を見て不思議がっていました。

それは、四つ弽(よつがけ)を使っているヒトのほとんどが、四つ弽(よつがけ)を使っているにも関わらず、三つ弽(みつがけ)同様の右手の捻りを加えているからです。



  • 四つ弽(よつがけ)を扱う場合、右手に捻りを加えてはならない」
  • 四つ弽(よつがけ)を、三つ弽(みつがけ)同様に右手に捻りを加えて引く事を 『三つ四つ』 と呼び、間違った悪しき邪法である」

弓道関係の書籍を見ると、どの本でも例外無く 「三つ四つ」 を完全否定している訳なので、その方が不思議がるのも当然の事だと思います。





しかし。

静岡県の西部〜中部地区では、 「三つ四つ」 を行うために形状や取り懸けの溝口が専用設計されている「 『三つ四つ』 タイプの四つ弽(よつがけ)」が売られているのをご存知でしょうか?

これは、四つ弽(よつがけ)の構造的メリットと、三つ弽(みつがけ)の力学的メリットを融合させ、かつ両者の矛盾点を表出しにくくした、進化した 弽(ゆがけ)なのです。

で、この地区で四つがけと言えば通常「 『三つ四つ』 タイプの四つがけ」の事を指し、「普通の四つ弽(よつがけ)」は旧式なモノであると認識されています。



また、「 『三つ四つ』 タイプの四つ弽(よつがけ)」を使用した 「三つ四つ」 は、「鈴木三成 範士九段」(全日本弓道連盟 副会長/静岡県弓道連盟西部地区会 会長)が認めている射法として、静岡県西部地区の先生方の多くが「全日本弓道連盟 副会長」の指導の元に 「三つ四つ」 を行なっているのです。

そして当然の事ながら、その先生方は 「三つ四つ」 の射法にて中央審査での段位認許や称号授与を受けています。





要するに、 「三つ四つ」 を完全否定するのは誤りという事です。





そんな訳で、みなさんには、弓道関係の書籍に書いてある事は「普通の『四つ弽(よつがけ)』では 『三つ四つ』 射法を行なってはならない」という意味として理解していただきたいし、書籍の著者の方へは誤解の無いように表現の訂正をお願いしたいのです。





弓道というモノは地域や流派によって、様々な差異があるのは言うまでも無い事です。

でも、今後の普及や親睦を考えたら統一出来る部分は統一した方が良いと言う事も判ります。

しかし、少数の存在をメディアの力によって完全否定されてしまってはたまったモノではありません。





『多様性を認め、その事実を受け入れる寛容な心を持つ事』





それって重要だと思いますがどうでしょう?








話は逸れますが、以前インターネット上で「愛知県東部から静岡県中部にかけて、独自の弓道文化が存在するようです」という発言を目にしました。



「矢籠」って知ってます?

竹細工の鳥篭状の矢立てで、静岡県西部地区ではごくごく普通に使っているモノなんです。

これは静岡市の伝統工芸としての竹細工が弓具に活かされているのでしょうが、私が弓道を始めた頃は「なんで鳥篭(とりかご)が道場にたくさんあるんだろう弽」と思ってました(汗)。



あとて、「矢代振(やだいふり)」なん習慣もあります。

神社での奉納射会の際、立ち順を決めるための古式ゆかしい伝統に則った抽選会なのですが、奇妙な立ち振る舞いとこっぱずかしいセリフを口にして行事が進んでいきます。



それから賭け弓道(なんて名前だったかな?)。
自らが中てる事で賭け金を手にする訳なのでギャンブルでは無いでしょう。 最近はあまり行なわれる事は無いのが、昔は余興としての「あてっこ競争」が頻繁に行なわれていたそうです。



こーいうのって、いままでごくごく普通の事だと思っていたんですが、どうやらここら辺だけの事だったんですね。
びっくりしました(大汗)。



これらとつ同じような独自の弓道文化として、「この地域での 『三四つ』 」も存在しているんだと思います。

こんな弓道文化を守っていったり、他の土地の方へ知ってもらったりするのも、この地で弓を引いているモノの責務じゃ無いかと思ってここに書かせていただきました。