2014/03/22 CentOS6.5/PandoraFMS5.0SP3





オープンソース版PandoraFMSに

出来ること、出来ないこと

出来ることとできないことを把握しておくことが重要です。
なにしろ本家でも出来ないことを説明してます。

PandoraFMS 4.0管理者ガイド 「出来ないこと」

PandoraFMSには有料版と無償版があります。
もちろん差があります。

PandoraFMSオープンソース版とEnterprise版の機能の違い

こういうものだと、無料版でも十分な性能を有しているように思えます。
確かにそうです、けど違いはきちんと押さえておく必要があります。
オープンソース版(以下、OSE)に無いものをあげておきます。

※これは5.0SP3バージョンにおける、経験則に基づく情報です。
 今後のバージョンで変化したり、解釈によっては可能であったりするかもしれません。
OSE版でも優れている点・出来ること
・監視を定義できる
 数値測定をし、その値によって発生させるイベントを変えられます。
 たとえばCPUの平均値が連続3回以上80%以上なら警告、95%%以上なら障害イベントを発生させる。ということは可能です。
 ICMPの遅延速度、メモリ、TCPポートなど数値データならどれでも可能です。

・監視テンプレートを構成できる
 たとえばWindowsならいつも同じ監視を設定する。Linuxならいつもこの項目を監視する、ということをモジュールテンプレートで定義しておけます。
 監視対象追加時にテンプレートを設定すれば、初期設定を簡略化できます。

・監視の一括編集が可能
 同じグループの同じの監視項目の値を変更したり、ある監視項目を他のオブジェクトへコピーできたりします。これはかなり便利で、数十ある監視項目の変更など、ウザったい作業を省いてくれます。
 ただし監視間隔が変更されてしまうバグがあるので、把握して使用するほうが良いです。

・スイッチのポート監視をまとめて設定できる
 24ポートのスイッチ全てへ監視を構成するのは困難です。
 ですがポート監視ウィザードで、全て同じ監視項目をまとめて追加できます。

・ネットワークディスカバリができる
 極端に便利ではありませんが、ネットワーク上の機器の自動認識をスケジュールできます。
 ただしカテゴライズまでは自動化してくれないので、自分で構成する必要があります。

・日本語ドキュメントが充実している
 オープンソースの監視システムとは思えないぐらい、日本語ドキュメントがしっかりしています。
 ZabbixやNagiosのサイトに行っても、いかにも「日本語に訳すのメンドイ」と言わんばかりの態度です。
 その点PandoraFMSは日本語のマニュアルがきちんとしている上、ステップバイステップに設定ができる
 クイックガイドがあります。これは心強いです。
 まだZabbixなどに比べると書籍やウェブサイトは少ないですが、代わりに詳細でわかりやすいドキュメントが用意されています。

・見た目が綺麗で簡単な監視ならすぐにできる
 Zabbixを初めて目をすると、まったく直感的でないインターフェイスに苦しみます。
 PandoraFMSも見ただけで出来るほど簡単ではありませんが、マニュアルがなくても「Pingで監視してメールを送信する」というところまではなんとか行けます。
 手順を知っていれば、開始わずか3分で警報メールを送信できるでしょう。
 丁寧なドキュメントがあるので、参照しない手はありませんが。

・アプライアンス版がある
 いわゆる仮想ゲストOSではなく、初めからPandoraFMSが動作するLinuxインストールメディアです。
 むしろPandoraディストリビューションと言えます。
 普通にLinuxインストールを実施すれば動作検証がすぐにできます。

・OSE版は簡単な監視と割り切る
 残念ならPandoraFMSで複雑な、様々な需要に応える監視は難しいと思います。
 ICMPで監視し、トラブルが発生したらメールやパトライトを回す。
 SNMPを使ってサーバやNW機器のパフォーマンスを収集する。
 簡単なテーマを中心に監視を構築すれば、これはZabbixなどに比べてフットワークの良い監視システムとなります。

注意する点・出来ないこと
・監視対象の種類を自動認識しない
 商用監視システムではよくある、メジャーな機器なら監視追加した途端にメーカー名やカテゴリを自動認識してくれる機能はありません。監視追加時に、自分でカテゴライズする必要があります。

・CSVインポートはできない
 多数の同じオブジェクトを追加するときに便利なCSVインポート機能はありません。

・サポートがない(OSE版)
 言うまでもないですが、OSE版にサポートはありません。
 監視システムでは長期運用になることから、運用トラブルは避けられないのが実情です。
 コミュニティの掲示板はサポートではありません。解決できないことも多いでしょう。
 DBの破損によるエラーログの出力、インターフェイスの不具合、機能の詳しい説明。
 商用監視システムを運用したことがある人なら、サポートセンターの心強さを知っているでしょう。

・アップデートは手動で行う
 インターネットに接続されていれば、ウェブコンソールは自動アップデートされます。
 しかしサーバ部分のパッチ、メジャーアップデートのパッケージはOSE版では提供されません
 アップデータというより、手順通りにアップデートパッケージを導入し、DBの拡張を行います。
 バージョンアップに失敗する場合、自分でその原因を突き止める必要があるでしょう。
 アナタが多数のノードを監視する責任ある立場なら、これは躊躇するはずです。

・SNMPトラップ機能が貧弱
 OSE版SNMPトラップ機能は基本機能、つまりトラップを受けて、イベントを発生させることしかできません。
 具体的にはSNMPトラップを受けたらアラームは発生させられるものの、回復させることはできません。
 「トラップを受けたらアラームイベントを発生させる(メールを送信する)」
 「トラップを受けたら回復イベントを発生させる(メールを送信する)」
 の2つは設定可能です。これらは関連していない別々のイベントとして処理されます。
 もし多種多量のSNMPトラップを処理する必要があるなら、これは困難です。

・独自MIBが使えない
 SNMPトラップ機能が貧弱2です。
 OSE版は独自MIBを解釈できません。つまりトラップを受けても、OIDを文字列に変換できません。
 OIDのまま定義をし、OIDのままトラップ値を定義・処理する必要があります。
 もし、SNMPマニュアルがきちんと整備されていないネットワーク機器のトラップを監視する必要があるのなら、困難な作業となるでしょう。
 ファン故障のOIDを調べるにはMIBを調べるか、実際にファンを故障させるよりほかにありません。

・ダッシュボードがない
 デフォルトのダッシュボードはりますが、地味で不便です。
 本来なら自分の環境に合わせてカスタマイズし、トップ画面に必要なパラメータを並べたいものですが、それはEnterprise版でのみ提供されます。

・サーバの冗長構成を組めない
・VMWareとかの監視プラグインがない
 この辺りは大規模環境向け定番のOSEに無い機能です。あとVMWareのプラグがないのは寂しいです。









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