ほんとうに必要な壁量

令46の所要壁量は「法の最低限」を定めたもので、ほんとうに必要な壁量を与えるものではありません
ほんとうに必要な壁量は、水平力を算定してそれに見合う壁量を算定するしかありません

TWZAIRAIのプランは品確法講習会の「平成12年7月 木造住宅のための構造の安定に関する基準解説書」によっているが耐力壁仕様は変更している

TWZAIRAIのサンプルデータによる精算水平力とその必要壁量

地震力   軽い屋根の場合
A 床面積
(u)
E 地震力
(N)
E/A 床面積当たり
必要壁量(Ln)
令46所要壁量(L46) Ln/L46
2F 52.998 24546 463.1 0.24 0.15 1.60
1F 71.216 56572 794.4 0.41 0.29 1.41

地震力の精算水平力による必要壁量は令46の所要壁量に対して1.4から1.6倍となります
これも偏芯していないとしての値です。

偏芯を考慮して安全率を考えると令46の所要壁量に対して1.5から1.7倍必要となります

さらに、平面形状に凹凸があるとき、軒の出が大きいとき、1・2階の床面積に差があるとき、壁重量が大きいとき、などはどの程度安全率をとるか注意が必要です

風圧力 X方向
A 見付面積
(u)
W 風圧力
(N)
W/A 見付面積当たり
必要壁量(Ln)
令46所要壁量
(L46)
Ln/L46
2F 17.398 17929 1030.5 0.53 0.50 1.06
1F 48.679 52860 1085.9 0.55 0.50 1.10
風圧力 Y方向
A 見付面積
(u)
W 風圧力
(N)
W/A 見付面積当たり
必要壁量(Ln)
令46所要壁量
(L46)
Ln/L46
2F 17.398 17929 1030.5 0.53 0.50 1.06
1F 38.735 42402 1094.7 0.56 0.50 1.12

風圧力に対しては一般的な地域については、令46の所要壁量はほぼ妥当な値を示しているようではあります
この例ではたまたま妥当な値を示している

耐震改修促進法とその必要壁量

もう一つ参考に「耐震改修促進法」の告示にある「単位床面積当たりの必要保有耐力」の表(土蔵などを除く)を示しておきます
この告示での単位はkN/uです
これらの値も大胆な仮定に基づいて算定されています。精算水平力に対する必要耐力を求めるものではありません。
上段:促進法必要保有耐力 kN/u
中段:その壁倍率換算値(令46所要壁量)cm/m   促進法必要保有耐力/1.96*100
下段:壁倍率換算値/令46所要壁量         促進法が求めている令46に対する倍率

その必要壁量
屋根種別
階数
平屋建て 2階建ての1階 2階建ての2階 3階建ての1階 3階建ての2階 3階建ての3階
軽い屋根 0.28
14(11)
1.30
0.83
42(29)
1.46
0.37
19(15)
1.26
1.34
68(46)
1.49
0.98
50(34)
1.47
0.43
22(18)
1.22
重い屋根 0.40
20(15)
1.36
1.06
54(33)
1.64
0.53
27(21)
1.26
1.66
85(50)
1.69
1.25
64(39)
1.64
0.62
32(24)
1.32

設計壁量について

おこがましいですが
これらを参考に出来うる限り地震力・風圧力の精算をされて健全な住宅を設計されることを望みます

内装下地となるプラスターボードなど計算外の耐力が考慮されていないので上の検討でも余力が充分にある、という考え方もありますが3階建ての計算においてもこれらの耐力を考慮しないのが一般的です

水平力精算のための追加データは
・地震力のために「外壁」「手摺」「地震用屋根」です。大きな手間を要しません
 単位重量は物件に応じ確認ください。(データ入力フォーム「設定」−「地震用重量」)
 「外壁」は「入力支援」の「壁ライン作成」で容易に作成可能。ただし切り妻などは壁高さ修正要
・風圧力のためには更に「棟データ」の作成が必要ですが、これは多少、なれが必要で敬遠されるため精算をされない方が多いようです
「棟データ」も「入力支援」−「軒先ライン作成」「棟ライン作成」で作成可能。複雑な屋根形状では修正が必要ですが・・・

 そのため風圧力の精算のみ行わないオプション(設計条件で設定)もありますが薦めているわけではありません
せめて地震力の精算だけはされることを望みます

確認申請のための計算書を精算するかはケースバイケース(データが入力されていれば印刷時に切り替え可能)としても、「設計」としては精算して「設計者」自身も安心、納得できる設計をお勧めします

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