TRON風キーボードの製作





 既存のキーボードは手首を不自然に曲げて打つ様になるので、長時間使用して いると手首が痛くなってしまう。
 エルゴノミクスキーボードは結構な値段するし、スケルトロンもとても買 える値段ではないので(と言うか、もう手に入らないと思うが)、TRONキーボー ド見たいな物を作ってみようかと。

 キーボードを自作するには、制御回路とボディやキートップなどの”ガワ” の部分が必要になるが、純粋なTRONキーボードを作ろうとすると、PIC等を使 う必要が有るので面倒になる。
 そこで、適当なジャンクのQWERTYキーボードを買ってきて、その回路を まるごと使う事にした。
 いくらQWERTYキーボードを使うといっても、TRONキーボードに見えるように したいので、キー配列を考えてみた。
 TRONキーボードの様に扇型にしてしまうと、キーボード自体が大きくなって しまうし、キートップを加工しなくてはならないので、縦横のラインは角度を 付けないよう配列した。


キー配置はこんな感じ



 キーボードを作るにあたって、スイッチをどうするのかが問題になる。
 最近のキーボードは機械式のスイッチではなくて、導電シートを使っている が、これを自作するわけには行かない。
 しかし、キースイッチ自体売っているのをほとんど見掛けなくなってしまっ たので、旧型のPC-9801用キーボードを買ってきて、スイッチを取り出して使 うことにした。


PC-9801用のキーボードから取り外したキースイッチ



 主な配線はプリント基板を作って行うようにする。
 マスク紙は、超漢字の基本図形編集でパターン図を作成し、レーザープリン タでトレーシングペーパーに印刷した。
 感光基板はサンハヤトの15Kを2枚使用。


エッチング後の基板








 キートップは自作するのが難しいので、ジャンクキーボードから取ったもの を使った。
 キートップを固定するブッシュは、アクリル板にキーの位置に合うように穴 を開けて接着剤で固定する。


アクリル板にドリルで穴を開けてリーマーで広げる


キートップとブッシュ


アクリル板とブッシュを接着し、キートップを付けた状態



 キーボードコントローラーの基板は、シャーシにL型金具で取り付けた。




一応完成



 ケースを作っていないので、基板が剥き出しになってしまっている。 それにキートップの位置が高いので、パームレストが必要。
 キー間隔が結構空いてしまっているが、ほとんど手工作になってしまうため、 精度から余裕を持って位置決めしたのだけれども、もっと詰めてもよかったか もしれない。
 そうすれば、もう少しコンパクトになったのだが。
 これを作ってから1年後くらいに、μTRONキーボードが発売されてしまった。
 まあ、あれもあれで結構値段高いし。

 「TRONキーボードじゃないじゃん」というツッコミはしないように。
 なんだかんだ言ってもQWERTYから抜けられないっすよ。

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