海老(EBI) version 1.2.4


海老(EBI)はBTRON3仕様OS超漢字上で電子書籍(電子辞書)を閲覧するためのアプリケーションです。

動作環境

実行環境

海老(EBI)は、以下のバージョンのシステムで動作を確認しています。 超漢字4を持っていないので確認はしていませんが、おそらく問題はないと思います。

音声の再生を行うには、超漢字用サウンドドライバが必要です。 超漢字サウンドドライバは、TRONWARE誌や超漢字 ダウンロードから入手してください。

ebinfoおよびebzipコマンドを実行するには、UNIXエミュレータ環境が必要です。
セルフ開発環境もしくはUNIXエミュレータ実行環境は、TRONWARE誌や超漢字開発者サイトから入手してください。

書籍の形式

EPWING形式および電子ブック(EB、EBG、EBXA、EBXA-C、S-EBXA)形式の電子書籍に対応しています。

海老(EBI)では電子書籍の内容を読み出すのに、笠原基之氏が作成・公開されているEBライブラリを使用しています。
EPWINGおよび電子ブックの仕様は、その一部がJIS X 4081として登録されていますが、残念ながら完全には公開されていません。そのため、笠原基之氏らが独自に解析して得た情報を元に、EBライブラリは作成されています。
EBライブラリのページに対応・非対応電子書籍一覧の情報があります。
※対応が確認されていない書籍でも、たいていの書籍は使えます。

海老(EBI)でも使えるフリーの電子書籍が、FPWBOOKのページで配布されています。

インストール

プログラムのインストール

海老(EBI)のインストールは、プログラムの仮身を[システム環境設定]小物の[バージョン]にドラッグ&ドロップしてください。

ebzipおよびebinfoコマンドのインストールは、UNIXエミュレータ環境の実行パスが通ったディレクトリ(/usr/local/binが適当)にプログラムの仮身を置いてください。

書籍のインストール

書籍の実身はハードディスク上に置く必要があります。

[原紙箱]から[電子書籍箱]原紙を取り出します。
[実行]メニューで[仮身一覧]を選んでウィンドウを開き、その中に書籍の仮身を置き、保存して閉じます。

超漢字の[ファイル変換]小物がディレクトリまるごとのコピーに対応していないので少々面倒ですが、以下の原則を守ってコピーすれば大丈夫です。 UNIXエミュレータ環境上でebzipコマンドを実行することで、書籍全体を一度にコピーすることが可能です。詳しくは以下の書籍の圧縮を参考にしてください。

書籍の圧縮

EBライブラリは書籍の圧縮に対応しています。
最近発売された書籍はすでに圧縮されているのでそれ程ではありませんが、たいていの書籍は圧縮することで大幅にファイルサイズが小さくなります。

EBライブラリに付属のebzipコマンドをUNIXエミュレータ環境に移植したので、以下の手順で超漢字上で書籍のコピーと圧縮ができます。
  1. [コンソール]小物を実行し、ucliを起動します。
  2. homeの下に適当な名前でディレクトリを作成し、移動します。
  3. 書籍のCD-ROMをマウントします。(セカンダリインターフェースのマスターに接続されている場合)
  4. ebzipコマンドを実行し、書籍のコピーと圧縮を行います。
  5. 書籍のCD-ROMのマウントを解除します。
  6. [原紙箱]から[電子書籍箱]原紙を取り出し、仮身一覧で開きます。
  7. homeディレクトリの下に作成したディレクトリに付せんを貼りつけ、仮身一覧で開きます。
  8. 書籍のディレクトリ中の仮身をすべて電子書籍箱の中に移動し、保存して閉じます。
※bmountで正しくマウントできない(ファイルサイズがおかしくなる)CD-ROMもあるようです。

付録データのインストール

見出しは表示されるが、本文の表示が途中で切れてしまうなどの現象が出る場合は、付録データ(Appendix)を使うことで対応できます。
さまざまな書籍用の付録データがEBライブラリのページで配布されています。
入手した付録データのアーカイブを展開し、実身名を_APPENDIXに変更し、電子書籍箱の中に仮身を置いてください。

操作方法

電子書籍箱仮身の[実行]メニューで[海老(EBI)]を選ぶと、メインウィンドウが現れます。
基本的な操作方法は、基本ブラウザ(BBB)に似せてあります。

ページ操作

ウィンドウの中に青い色で表示されている文字が、他のページへのハイパーリンクです。ポインタでリンクをクリックしすると、リンク先のページの内容を表示します。

表示したページは、最大10ページまで記憶されています。
[ページ操作]メニューの[前の履歴へ]を選択すると、ひとつ前に表示されていたページの内容を表示します。
[ページ操作]メニューの[次の履歴へ]を選択すると、[前の履歴へ]で戻される前のページの内容を表示します。

検索語による検索

入力した検索語を書籍から探して、見つけた候補の見出しの一覧をページに表示します。書籍が複数の副本から構成されている場合は、すべての副本を串刺し検索します。
候補の見出しは副本ひとつにつき最高50個までを表示します。
※電子ブックは漢字の検索語を持っていません。
※EBGのように文字コードがISO8859-1の書籍の検索語にはUNICODE面は使わず、システムスクリプト面の文字で入力してください。
[書籍]メニューの[検索語入力]を選択すると、パネルが表示されます。
パネルでは検索語の入力以外に、[前方一致]、[後方一致]、[完全一致]の中から検索方法を指定できます。
※書籍によって、対応している検索方法は異なります。

検索語にTRONを入力した場合の検索結果
前方一致後方一致完全一致
TRON
TRONWARE××
BTRON××

メニュー検索

書籍によっては、リンクで構成されたメニューを辿ることで目的のページを見つける、メニュー検索を持っています。
[書籍]メニューの[メニュー検索]を選択すると、現在表示している書籍のメニュー検索のページの内容を表示します。

著作権情報の表示

現在閲覧中の書籍が著作権情報の表示に対応している場合は、[書籍]メニューの[著作権情報]で表示することができます。

画像

画像ページのスクロールは対応していません。
16/256色の環境ではフルカラーの画像を表示するには時間がかかります。

音声

超漢字サウンドドライバが対応しているサンプリング周波数、データ形式の音声が再生できます。
CDの音声トラックを直接再生するような書籍もありますが、海老(EBI)では対応していません。
ボリュームの調整は対応していません。

その他

海老(EBI)は書籍が持っている情報のうち、文字(JIS X 0208、ISO-8859-1、GB2312)、外字と画像の表示、音声の再生に対応しています。
書籍によっては、動画のデータを持っていますが、今のところ海老(EBI)では対応していません。

画面の書体設定でウィンドウ内文字書体を変更すると、海老(EBI)のウィンドウ内の書体が変わります。

ページの内容をトレーへ複写したり、実身に保存したりする機能はまだありません。

EBライブラリ2.xのebzipで書籍をコピーした場合、画像や音声データがコピーされていない場合があります。
その場合は、EBライブラリ3.xのebzipで書籍をコピーしなおしてください。

開発

海老(EBI)の開発は、Debian GNU/Linux上で、超漢字4クロス開発環境と超漢字サウンドドライバを用いています。

ソースファイルのアーカイブを展開すると以下のディレクトリが作成されます。
ebi
海老(EBI)ソースファイル
eb
EBライブラリソースファイル
zlib
zlibソースファイル
etc
共通makerulesファイル
ディレクトリ名がpcatとなっていると、共有ライブラリを使うプログラムを出力します。
ディレクトリ名がpcat.slとなっていると、共有ライブラリを使わないプログラムを出力します。
ディレクトリ名がpcat.uemuとなっていると、UNIXエミュレータ用のプログラムを出力します。
超漢字サウンドドライバに含まれているsound.hファイルを、$BD/include/deviceの中に置いてください。

ライセンス

海老(EBI)はフリーソフトウェアです。あなたは、Free Software Foundationが公表したGNU General Public License(GNU一般公有使用許諾)バージョン2あるいはそれ以降の各バージョンの中からいずれかを選択し、そのバージョンが定める条項に従って本プログラムを再頒布または変更することができます。
海老(EBI)は有用とは思いますが、頒布にあたっては、市場性及び特定目的適合性についての暗黙の保証を含めて、いかなる保証も行ないません。詳細についてはGNU General Public Licenseをお読みください。
海老(EBI)の情報は次のページから得ることができます。
http://hp.vector.co.jp/authors/VA024250/
コメントやバグの報告は ebi.hase@gmail.com 宛に、お送り下さい。
2009/01/21 長谷川 真史