Vol.1

nine inch nails/The Day The World Went Away


いやいや、パーフェクト・ドラッグ以来の新曲ですよ。えらいこと待たされましたが、期待に背くことは絶対にないのがNINです。いい曲だわー。
私a-systemは元々NIN狂です。だから冷静な評価はあまり出来ないんだけど、これはみんな聞くべきですよ。

まだ聞いていない人のために説明すると、まず表題曲は前回のアルバム”Downward Spiral"の最後の曲hurtの世界をさらに深めて先に進んだ壮大な曲です。それでまた音の作りがめちゃくちゃ凝っていて良いんですよ。
そしてCDの方にカップリングされているStarfuckers,Incという曲がまた良いんですわ。乱暴に言うとaphextwinのAFX名義の頃の音と、マリリンマンソンを五万七七〇〇倍格好良くした音を中性子爆弾で破裂させたような怒りの曲です!(本当に乱暴な、、)こうした曲の構成が出来る人はトレント=レズナー以外にいないでしょう。90年代後期に生まれたクラブミュージックの完成型の一つたるドラムンベースとインダストリアルの調和っていうのは前作でも試みられていたんですけど、それをさらに進める形の曲で、最高です。これからでるアルバムがもの凄く楽しみです。

それから、アナログ盤とCDで内容が多少異なるので両方ゲットすべきだと思います。


μ-ziq/royal astronomy
マイク・パラディナスの最新アルバムどす。μ-ziq名義で前作ではメロディアスかつ怪しげなポップ・ドラムンベースを展開していました。おかげでワンシーズンをそればっかり聞いて友人から怪しい人間というレッテルを貼られたりしましたが。そんなことはどうでもいいですね。はい。

で、今回はやっぱりドラムンベースを軸に置いた曲調ですが、ちょっと聞くと多用されたストリングスなどやけにクラシックな(しかも駅で1000円で売っているCDに収録されているような耳障りの良いやつ)感覚がします。しかも女性ボーカル入りの”the fear"っていう「え?ラジオでかかりそうじゃん!」っていうポップな曲まで。本人のインタビューなんかを読むと「virgin側からの要望」「bjorkの影響」など言っていますので、そういうことなんでしょう。でもよく考えてみれば、ノイズに溢れたレコードでもこの人の曲って元々ポップなんですよね。例えばファーストアルバムの"TANGO N' VECTIF"とか。
それに、クラシックとヒップホップの組み合わせといった方法論(本アルバムの2曲目)にしたって、下手するとラジオのヒットチューンになっているほど目新しくないですからね。μ-ziqの実験性という側面もそれほど色濃く出ているわけでもないです。

ではなぜここで紹介するか?
というと、単に音が気持ちいいから(^^;ですね。特にこの6曲目"the motorbike track"や13曲目"burst your arm"では、DJダイばりの強力なドラムンベースで、ビートの快楽性を練り上げた異常な感じがします。テクノやロックに飽きた方のリスニング用としてお勧めです。