vol.6

RADIOHEAD/KID A


なぜかこの時期(秋口ね)になると洋楽の大御所のリリースが増えてどんどん貧乏になっていくのですが、このレコードもその一つ。もちろん買って絶対損はしないのですが。

リリースされて真っ先に聞かされたのは、「音が凄い。倍音が本当に凄い。」「エイフェックス・ツインの音だ」「国内盤には何故か椎名林檎の直筆がある・・」という謎なことばかり。そこで、普段の方針を曲げて国内盤を買ってみることにした。(レコード会社の戦略で、安い輸入盤よりリリースが早いのです)

確かにかなりエイフェックスっぽい・・・。過去の文を見ていただければお分かりのように、私はエイフェックスの影響を受けた音楽が大好物なので、このレコードは大歓迎です。が、普通に考えてレコードの売り上げの方を少し心配してます。ま、いいレコードであれば私はいいのですが、エイフェックスって国内で数万枚しか売れていないと言うし・・・。

そうは言いながらも、ラジオなんかでかかる「オプティミスティック」や、「イディオテック」(変速ドラムンベース?)なんかは音に対するこだわりを見せながらポップな作品に仕上げています。さすがはレディオヘッド。特にイディオテックはこのレコードの中でも一番のお気に入りです。やっぱりポップの才能のある人間は、何でもポップに出来るものなんですね。

ところで、このレコードの歌詞のモチーフには「グローバル経済が覆う世界の惨状」があって、曲の至る所に惨劇の記憶が散りばめられてます。あまり日本人はそういう事を考えませんね、そういうことは。それはともかく、田中宗一郎氏もライナーノーツで書いてますが、「ロック・ミュージックは企業の持ち物」です。このレコードは、その企業がすべてを覆う状況に異議を唱えた作品とも言えるでしょう。
豆知識。このレコードの国内盤を発売している東芝EMIですが、その親会社の東芝もEMIも、資本関係をたどると原子炉の製造・販売についても協力関係を結んでいます。レコードも原子炉も同じく商品というわけで。