vol.12


THA BLUE HERB

SELL OUR SOUL

札幌のヒップホップ・アーチスト、ザ・ブルー・ハーブの2ndアルバム。
複雑怪奇なビートに乗せた深い内容のリリックが本当に素晴らしいです。
特に貧困に沈むネパールを舞台とした「路上」という曲がいい。
麻薬を扱うチンピラの下っ端をやっている主人公が、チンピラの金を盗んでカトマンズから
逃げだそうとして、失敗し警官に射殺されるという内容なんだけど、本当に暗くていいんです。

主人公の父は「この世はゲットーだ、絶望のベッドだ」と狂って叫ぶ。
主人公の母は「今の苦しみは前世の罪のためだ」と嘆く。
主人公は「神様は等しく命をくれたが他にはなにもくれなかった」と吐き捨てる。

苦しみから抜け出そうとしても抜け出せない悲哀みたいなものには、なんだかぐっとくるものが
あります。
そんなリリックだけじゃなくて、裏のビートもなかなか良いです。
ヒップホップのビートはかなり練り込まれているのが多いと思いますが、練り込んでるだけじゃなくて、
沈み込むような感じの深い音世界が作られてます。

私的には、これとか、エミネムの新作(これもよかです。)とかディープな感じのヒップホップが
よくはまってます。一曲目から「SHINE ON YOU CRAZY DIAMOND」だもんな〜。