vol.15

syrup16g/パープルムカデ
syrup16gは,いずれここで書こうと思っていました。
日本のバンドの中で,2003年現在で一番気になっているバンドです。

知らない人に説明するとすると,とにかく良く切れるナイフという表現が一番しっくり
する感じがします。他人も自分も斬りつけまくるというか。
誰かが使っていた,「日本のグランジ」という表現が正しいかどうかよく分かりませんが,
流行歌や仲良しパンクにないエッジが効いているのは確かです。

何枚かアルバムとシングルを出していますが,とりあえず今回はこの一枚を紹介。
これはマキシシングルで,表題曲「パープルムカデ」は,「戦場で死んだムカデ」
「下じきになる」など不穏なフレーズを叩き込む感じの曲でした。
曲自体の迫力が,戦争でバタバタ死に続けている時代とシンクロしているかのよう。
Radiohead/Hail to the Thief (not CCCD)
2003年のサマーソニック(東京)でのライブで,クリープを演奏したことは,たぶん
後々まで語り継がれるであろう,レディオヘッド。
で,そのライブで中心に演奏されたのが,このアルバムからの曲でした。

ちなみに,このアルバムは国内版はCCCD,洋盤は一部CDでUS盤など一部はCCCDという
変則的な流通の仕方をしているみたいです。
CCCDは,このサイトでも取り上げたとおり,近年レコード会社が不法なコピー防止策
としてコピーガードを施したものなのですが,正式なCDの規格では無いため,CDプレ
イヤーを破壊する恐れすらある欠陥品です。
まぁ,レコード会社としてみれば,著作権を守るのに必死になるのも分かりますが,CCCDの
導入は,企業のエゴの押しつけとしか私には思えません。
ましてや,これを拒否するアーチストの作品にすらCCCD化することが目立つようになって
きています。

作品としては,レディオヘッドのアルバムが悪いはずはないのですが,国内盤がCCCDというのは
未だに納得がいきません。ちなみに,私が購入したのはUS盤。

曲としては,やっぱり一曲目の2+2=5が最も好きですね。3曲目のSail to the Moon,
シングル曲のThere there,あとScatter brainも好き。
私の友人のレディオヘッド好き曰く,「このアルバムは死にそうなときに聴くとピッタリ」といって
ましたが,確かにそうかも。暗いアルバムじゃないんですけど,アルバムタイトル(アメリカの
ブッシュ大統領の選挙キャンペーン中につかった「ヘイル・トゥ・ザ・チーフ」を皮肉ったものらしい
です)にも表れているとおり,どこかに死の影がありますねー。
THE RAPTURE/ECHOES
秀逸なパンク・ロック・アルバムです。
路線としては,RADIO4のようなパンクにダンスの力を取り入れるといったものなんですが,
かなりいいですよ,これ。何と言っても踊れます。

プロデュースにあたったのがDFA(ティム=ゴールズワージーとジェームズ=マーフィーの
2人。プライマル・スクリームの傑作アルバム「エクスターミネーター」のプロダクションも
行なう)だったので,外れはしないだろうと睨んでいました。

なお,ラプチャーは,2003年のサマーソニックでもライブをやってたんですが,
その演奏はかなりヘナヘナぶりを発揮していました。
…そのヘナヘナぶりがとても良かったんですけど。