クリウス財団調査結果報告

vol 1.ゼネラル・フィッカース(GF)



クリウス財団は今回の事件(シナリオ「ヘイトマシーン」参照)の背後に国際的な大商会である
ゼネラル・フィッカース(通称:GF)の存在が絡んでいる可能性が高いことを突き止めた。

そこで今回の報告書では、現時点で掴んだGFの情報について分かる限り記述することにしたい。

1.GFとは

 リューンを始め各都市国家の商業の発達により、国家間を股にかけて活動する大規模な商会
もいくつか登場するようになった。GFもその一つであるが、他の商会と違う点が幾つか存在する。
 
 まず、GFの扱う商品は「戦争」に関連するものがほとんどである。そもそもGFの黎明期には傭兵
の派遣が業務の中心であり、この事業で得た金がGFの基盤となった。また、傭兵に必要な剣、矛、
鎧、兜、ボウガン、長弓、、、などなど、各種武器調達・物資調達も手がけるようになり、事業の幅は
飛躍的に広がった。特に武器の量産などを手がけるようになった結果、廉価の武器を各国に売るこ
とによって多大な利益を得たことは、もはや語りぐさとなっている。

現在では、リューンやカルバチア、それに大陸西部の商業の中心ソロスなどを中心に活動しており、
軍艦の製造なども手がけている。また金融の分野にも手を広げ、保険業などではソロスで最も利益
をあげていると言われる。

また、「戦争」という事業の性格上、「政商」的な性格が強く、各国の政治にも大きく関わっていると
みられる。しかし、詳細については今のところクリウス財団では掴み切れていない。


2.GFの諜報組織「委員会」について

 今回の事件でもその存在が明らかになったが、GFには一般にはその存在を知られていない諜報
組織「委員会」がある。もちろんある規模の商会には情報収集を図るための組織があっても不思議
ではない(現に、我がクリウス商会も当財団を設けている)が、問題はその性格にある。
 GFがいわゆる「死の商人」であることから、情報獲得や諜報活動の必要性が他の商会に比べて必
要性が高いこともあろう。しかし、その凶悪な性格は度を超しすぎている。報告書を目にした財団員は
くれぐれも注意して欲しい。

 GFの委員会の内部情報については、財団員プネウマの報告によってかなり詳細に分かっている。

まず、GFの「委員会」は、大きく3つのセクションに別れる。

一つ目は「第一委員会」

ここはGF上層部の意向を受けて、第二、第三委員会へ指令を出すセクションである。
何人かの委員がいるということであるが、ここについては財団員プネウマの報告によっても不明
な点が多いが、かつては誰もが名を知る政治家や官僚などもそこに名を連ねていたと言うことである。
国家レベルの諜報活動(内乱の誘導・政策介入)などもこのセクションの役割のようである。

二つ目は「第二委員会」

暗殺・謀略活動一般を請け負う実働部隊で、最も危険なセクションといって過言ではない。
第一委員会からの指令を受けて各国で盛んに活動を行っているという。
そのためか、この委員会の中には、俗に「暗黒魔術師」と呼ばれる魔術師の集団も存在している。
暗黒魔術師については詳細は不明だが、バロン(BULON)神に仕えることから、彼らのことをBULON教
と表現することもあるという。一般には通常の魔術師・魔導師などよりも遙かに高い能力を持ち、魔人を
すら超越する者も存在するらしい。

また、第二委員会の中でも最も気をつけなければならないのが、「人事院」である。人事院は戦闘集団
として公然と活動し、その戦闘能力は一国の軍隊の力を凌駕するほどとも言われる。
「ヘイトマシーン」と呼ばれる殺人兵器を開発したのもこの人事院であり、技術力も侮れない。「死の商人」
たるGFを裏で支える屋台骨とも言えよう。

この委員会の委員長の名前は「プリンス」。(もちろん本名ではないが、、)卓越した暗黒魔術の使い手
であり、注意が必要である。

三つ目は「第三委員会」

 各国で情報収集やGFに有利な情報発信などを行うセクションで、大陸全体に情報網を網の目のように
張りめぐらせている。
この情報網の優位性から情報屋・通信社といった「メディア」への影響力は絶大で、各国の世論形成に与
える影響も大きいと思われる。また、各国の諜報機関に向けてダブルスパイを送ることも多く、戦争時の戦
略・戦術等はGFに筒抜けである。その結果、第一委員会がGFに利益が出るように戦争の局面を動かすこと
が出来るというわけで、第三委員会の役割は大きい。

各国の第三委員会は第一委員会から直接の命令を受けて活動している。その組織の全容はクリウス財団
でも把握し切れておらず、今後の調査が必要である。


3.GF創業者一族「フィッカース家」について

 GFは今なお創業者一族「フィッカース」に実権があると言われてきた。しかし、GFの活動規模からして、
GFに資金を与えている金融財閥の存在が推測される。

その実体については不明である。しかし、財団員プネウマの報告に寄れば、どうも「銀細工師」と呼ばれる人間
がGFの実権を握っていて、フィッカース家はしだいに権力を失いつつあるという。詳細についてはさらなる調査が
必要だろう。