捕獲先読み講座  レベル0  シチョウ  (2000-09-03)
対局囲碁ソフトに用いられる捕獲探索ルーチンについて解説します。
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ソフトがプロを上回るものといえば、今のところ、特定のケースのみ残されている
場合のヨセとシチョウの速読みぐらいしかありません。
完全密封された死活の読みもCPUによっては速いかもしれません(未確認)

  【シチョウとは】

シチョウ追いとはダメ2の対象連のダメを詰めてダメ1以下にすることです。
シチョウ逃げとはダメ1の対象連を逃げてダメ2以上にすることです。

 ┼┼┼┼┼┼   ┼┼┼┼┼┼  
 ┼┼●┼┼┼   ┼┼●┼┼┼  
 ┼●○◆┼┼   ┼●○●┼┼  
 ┼●┼┼┼┼   ┼●◇┼┼┼  
 ┼┼┼┼┼┼   ┼┼┼┼┼┼  
 ┼┼┼┼┼┼   ┼┼┼┼┼┼

  【シチョウの終了条件】

シチョウ追いで打ち上げることができるならシチョウで取れることになります。
シチョウ逃げでダメ3にできればシチョウでは取られないことになります。

シチョウ追いで追う候補がなくなればシチョウでは取られないとなります。
シチョウ逃げで逃げる候補がなくなればシチョウで取られるとなります。

  [注意] 特殊な状況に3コウのケースがあります。(後述)

  【シチョウの候補】  

  シチョウ追いの候補
    対象連の呼吸点の2点(アテる手/ダメ詰め)

  シチョウ逃げの候補
    対象連に隣接する追う側のダメ1連の呼吸点(取る手)
    対象連の呼吸点の1点(ノビる手)

   ただし、いずれも着手禁止点は除く

  ┼┼┼┼┼┼   ┼┼○┼┼┼  
  ┼┼●┼┼┼   ┼○●B┼┼  
  ┼●○A┼┼   ┼●○●┼┼  
  ┼●B┼┼┼   ┼●A┼┼┼  
  ┼┼┼┼┼┼   ┼┼┼┼┼┼  
  ┼┼┼┼┼┼   ┼┼┼┼┼┼

  [参考] シチョウ追い/シチョウ逃げはダメ3以上捕獲でも重要な概念です。

  【探索形式】

シチョウは効率から考えると縦形探索しか考えられません。
また、同一局面をチェックするのも時間の無駄です。
シンプルに作成してよろしいかと思われます。
3コウ対策として例えば深さ200手ぐらいで打ち切るのが良いと思います。

  【シチョウの3コウ】

  ┼┼┼┼┼┼┼  
  ┼●●●●┼┼  この左の白連を対象とします
  ┼●○○●●┼  するとこの白連はダメ2なので黒からシチョウ追いの対象に
  ┼●○┼○●┼  なります
  ┼●○○●●┼  
  ┼●○┼○●┼  …さて、追いかけてみたものの永久にシチョウで取れません。
  ┼●○○●●┼  
  ┼●○●┼●┼  
  ┼●○○●●┼  
  ┼●●●●┼┼  
  ┼┼┼┼┼┼┼  

以上で、完璧なシチョウルーチンが作成できるものと思われます。


しかしながら、まだ、考えておいたほうがいいことがいくつかあります。そのうち
のいくつかはとても難しいのでここでは扱わないことにします。

                                     …ここからが本題かもしれません(^^;

・追う候補は典型的な形の場合は1点のみ読めば良くて、もう1点は無駄読みにな
  ります。

  ┼┼┼┼┼┼  
  ┼┼┼┼┼┼  白Aと打たれるとダメ4になります。ということは
  ┼┼A┼┼┼  黒A以外 − 白A となったとき白連はダメ3以上
  ┼●○B┼┼  
  ┼●○●┼┼  従って黒Aと打つ以外にシチョウで取れることは有り得ない。
  ┼┼●┼┼┼  
  ┼┼┼┼┼┼  

    残りの1点についても同様ならば候補がないということになり、取れないこと
    になります。

・追う候補は中央からアテるほうを優先する

  ┯●○○B┯┯  
  ┼●●A┼┼┼  特に1線の場合はAを優先するべし。  
  ┼┼┼┼┼┼┼  
  ┼┼┼┼┼・┼  

・逃げる候補はシチョウに限っては取る手を優先したほうがよい。
  いずれにしてもダメ3以上にする手があればそこで読みを打ち切ります。

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