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捕獲先読み講座 レベル2 候補の範囲 (2000-09-08) |
対局囲碁ソフトに用いられる捕獲探索ルーチンについて解説します。
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【候補の範囲を限れるか】
どこを打てば取れるか? どこに打てば取られないで済むか?
奥深い囲碁のこと、考えもしなかった形がいろいろ現れ、よく判らない。
対象となる連からはるかに離れたところに打たねば解決しない、何てことも有り得
ない訳ではない様な気もします。
しかしながら、盤面全体から着手禁止でない点をすべて候補としてしまうのは現実
的ではありません。たとえ、追う側の候補として近くから調べるので遠いところは
読むことがないとしても、その手に対して逃げる側の候補はあらゆる点を調べてい
くというようなことになれば、とても待っている間には回答してくれそうにありま
せん。
候補の範囲はとりあえず狭い領域で設定し、手筋の問題や実戦で解決したい局面で
正答率が高くなるように広げていけばいいのではないかと思われます。
ここでは狭い範囲の候補になにがあるかを列挙します。これだけを候補に挙げれば
単純な捕獲は読み切れるかもしれません。最初から広い範囲を候補とすると簡単な
ものも読み切れなくなることが少なくないようです。
【対象連の呼吸点(駄目詰め/ノビる)】
┯┯┯BC┯┯┯ 追う候補としても逃げる候補としても基本です。
┼┼●○○A┼┼
┼┼●●●┼┼┼
┼┼┼┼┼・┼┼
【対象連に隣接するダメ1連の呼吸点】
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ 追う候補としては包囲網を守るなどの手となります。
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ 逃げる候補としては包囲網を突破するなどの手となりま
┼┼┼┼○●┼┼┼┼┼ す。
┼┼┼A●○●┼┼┼┼
┼┼┼┼○○┼┼┼┼┼
┼┼┼●●●●●┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
【対象連に隣接するダメ1連に隣接するダメ1連の呼吸点】
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ 追う側の包囲している連を逃げる側が逆にアテている連を
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼ 取る手です。
┼┼●●●○○○┼┼
┼┼┼○○●A┼┼┼ 黒Aとノビる手はそのシチョウを延々と読んでしまう可能
┼┼●┼●○B┼┼┼ 性があります
┼┼┼┼┼●┼┼┼┼ 黒Bと取る候補は必要です。
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼
[参考] 追う候補としては優先順位はかなり高いです。
【対象連から距離2の点】
┼┼┼┼┼┼ これは対象連の呼吸点に隣接する点です。
┼┼B○○┼
┼●┼A┼┼ 追う側としてはゲタなどの手となります。
┼●○┼C┼
┼●●●┼┼ 逃げる側としては速く逃げ切る手となります。
┼┼┼┼┼┼
[参考] 速く逃げ切る手を優先的に読ませることは探索空間を絞ることになりま
す。
【対象連に隣接するダメ2連の呼吸点】
┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼ 追う候補としてはツグ手となります。
┼┼┼○┼┼○┼
┼┼F○●●○┼ 逃げる候補としてはアテる手となります。
┼E○●●○G┼ ダブルの場合は両アタリ
┼○●●○B┼┼
┼○●○A┼┼┼
┼D○C┼┼┼┼
┼┼┼┼┼┼┼┼
繰り返しになりますが、
以上の候補だけでは読める問題は少ないかもしれませんが、簡単な問題がこれで読
めないようだと、候補を広げてより難しい問題を読めるようにしようとしても、お
そらく読み切れないでしょうし、読めていた簡単な問題がことごとく読めなくなっ
てしまうことになりかねないです。
【特殊な状況下での候補の範囲】
・対象連がダメ1の場合の逃げる候補はシチョウ逃げの候補に絞られる
・対象連がダメ2で隣接する連の両アタリの数が多い場合はシチョウ追いの候補に
絞られる
┼┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼●○┼┼ とすると、対象連がダメ3で両アタリの数が多いとどうなる?
┼┼┼●○○●┼
┼┼●○○●┼┼
┼●○○●┼┼┼
┼●○●・┼┼┼
┼●○●┼┼┼┼
┼●○┼┼┼┼┼
┼●●●┼┼┼┼ 答え…取れない!
┼┼┼┼┼┼┼┼
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