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勢力 (2001-01-10) |
対局囲碁ソフトに用いられるルーチンについて解説します。
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勢力とはなにか?
これは石が近くの空点に及ぼす影響のことです。
弱弱弱
弱弱中弱弱
弱弱中強中弱弱
弱中強●強中弱
弱弱中強中弱弱
弱弱中弱弱
弱弱弱
似たような概念に距離・模様・大場・厚みなどが有りますが、対局囲碁ソフトを
作り始めの段階では、勢力地図を1つ作成して、それを候補の参考にするといい
かもしれません。
勢力は1つの石から距離の2乗に反比例するのが妥当とされているようですが、
個人的には、どうも、距離の2乗に反比例と3乗に反比例の間が適切なような気
がします。距離の2.4乗に反比例とか… 訳判らん(^^;
石1個の及ぼす影響の範囲も10路から13路ぐらいまで及ぶ気もしますが、計
算時間も考慮して、狭い範囲で実装してみてください。最初に作るなら4路程度
で試すのがいいかもしれません。
計算時間を削減する方法は配列を使ってあらかじめ計算しておくとか、いろいろ
有りますが、気にする必要はないほど最近のCPUは速かったりします。(実際
に時間がかかる処理は他の複雑な処理に有ります。)
例えば、
ABCDEFGHJ
01┏┯┯┯┯┯┯┯┓
02┠┼┼┼┼┼┼┼┨
03┠┼・●・┼・┼┨
04┠┼┼┼┼┼┼┼┨
05┠┼・┼・┼・┼┨
06┠┼●┼┼○┼┼┨
07┠┼・┼・┼・┼┨
08┠┼┼┼┼┼┼┼┨
09┗┷┷┷┷┷┷┷┛
なら
************ 勢力地図 ************
ABCDEFGHJ
01■■■■■■■◆┓
02■■■■■■◆◆┨
03■■■●■■◆◇□
04■■■■■◇□◇□
05■■■■□□□□□
06■■●■□○□□□
07■■■■□□□□□
08■■■■□□□□□
09■■■◆◇□□□□
こんなになるという訳です。
さて、これを元にするだけで、なんとなく打てているような気がしてきますね。
(石が込み合ってくるとめちゃくちゃになりますが…)
白っぽいところに打つのは「打ち込み」といってもいいかもしれませんね。
黒っぽいところに打つのは地を減らすようでなんとも…
境界線付近に打たせれば、相手の勢力を減らし自分の勢力を増やすことになりま
す。まあ、これだけではヌルイ打ち方しかできませんけど。
ちなみに、ここまでできた思考ルーチンを「きどうせんしランダム」とか呼ばれ
ています。
白石が黒の勢力の中に入ってきました。
ABCDEFGHJ
01┏┯┯┯┯┯┯┯┓
02┠○┼┼┼┼┼┼┨
03┠┼・●・┼・┼┨
04┠┼┼┼┼┼┼┼┨
05┠┼・┼・┼・┼┨
06┠┼●┼┼○┼┼┨
07┠┼・┼・┼・┼┨
08┠┼┼┼┼┼┼┼┨
09┗┷┷┷┷┷┷┷┛
************ 勢力地図 ************
ABCDEFGHJ
01□□□■■■■◆┓
02□○□■■■◆◆┨
03□□■●■■◆◇□
04□■■■■◇□◇□
05■■■■□□□□□
06■■●■□○□□□
07■■■■□□□□□
08■■■■□□□□□
09■■■◆◇□□□□
さてさて、利用法はいろいろ考えてみてください。
他の概念は勢力を元にして成り立っているといっても過言ではないほど
「勢力」は囲碁の概念の中で基本中の基本なのです。
これを、さらにどう活用するか…です。
勢力地図で1つ大きな問題となるのは、盤端でその値が低くなり過ぎることです。
よく、序盤早々1線に石を打っている囲碁ソフトも見かけますが、理由はこれで
す。
もう一つは、石の塊が壁を越えて影響していることになったりすることです。
ABCDEFGHJ
01┏┯┯┯┯┯┯┯┓
02┠┼●○○○○○○
03┠┼●○○○○○○
04┠┼●○○○○○○
05┠┼●○○○○○○
06┠┼●○○○○○○
07┠┼●○○○○○○
08┠┼●○○○○○○
09┗┷┷┷┷┷┷┷┛
これは
************ 勢力地図 ************
ABCDEFGHJ
01■■■□□□□□□
02■■●○○○○○○
03■■●○○○○○○
04■■●○○○○○○
05■■●○○○○○○
06■■●○○○○○○
07■■●○○○○○○
08■■●○○○○○○
09■■■□□□□□□
こうなっていれば救われるのですが、もし、
ABCDEFGHJ
01□■■□□□□□□
02□■●○○○○○○ 団子の勢力は壁を突きぬける(^^;
03□■●○○○○○○
04□■●○○○○○○
05□■●○○○○○○
06□■●○○○○○○
07□■●○○○○○○
08□■●○○○○○○
09□■■□□□□□□
こんな感じになるとしたら、左側の白の勢力のゴーストを何らかの方法で黒の
勢力に置き換える必要が有るでしょう。(あるいはもっと高次元の概念で補正
するとか)
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