輝く季節へ

どうして、かけがえの無いものほど、壊れやすいの?
子供の頃に感じた、素朴な、でも悲しい疑問。
そして今、その答えの上にボクは・・・俺は立っていた。

輝く季節へは、パソコンゲームとして発売され、人気を博した「ONE〜輝く季節へ〜」という作品を、プレイステーションに移植したものです。
主人公は、普通(?)の高校生としていろいろな人と出会い、絆を深めていきます。
いわゆるギャルゲー、でもあるのですが、ストーリー的にはそうでない側面もあり、独自の世界観を持った作品です。
システムは、シンプルなサウンドノベル形式でミニゲームなどの特別な要素も無く、
ストーリーを追うことに集中できるようになっています。

輝く季節へ とても良いゲームでした。
シナリオは他の作品と一線を画していて、絶品です。
音楽もなかなか良いできでした。
絵は、正直なところ最初は好きじゃなかったのですが、慣れれば良くなってくるから不思議です。
ただ、システムは、サウンドノベルをいろいろやってきた中でも最悪に近いできでした。
既読スキップは無く、また文字送りと選択肢決定が同じボタンですので、
文字を送るために連打すると選択肢を選び間違えます。
機能が足りないのに四角ボタンが空いているのも疑問です。
さらに、二人以上と話す時、声の音量のバランスが悪すぎます。
最後に声ですが、なかなか豪華で演技力的にも良いものがあったと思います。
並べると(敬称略)
飯塚雅弓、横山智佐、雪乃五月、大谷育江、中川亜紀子、今井由香 というヒロインに加え
南央美、川澄綾子、川上とも子 と、サブキャラも豪華です。
声有りのゲームの良さを改めて実感、という感じでした。

ストーリー10/10点すごく泣けるだけでなく、考えさせられるところのある内容でした。
グラフィック6/10点やっぱり、絵で買ったソフトではないですので。
サウンド8/10点ボーカル曲が欲しい、曲数が少ない、というのがありますが、
さりげなく良い曲が多かったです。
システム3/10点厳しいですが、いただけないところが多すぎます。
このゲームの後に出したゲームではきちんと改善されていて、それは良かったですが。
文章力10/10点面白い場面といい、感傷的な場面といい、類い稀な感性だと思います。
世界観度10/10点心に響く幻想的な世界観は素晴らしいものがあると思います。
総合8/10点文章的な部分では僕の中で最高の作品なのですが、
誰にでもお勧めではない点と、システムのひどさとでこの点数です。

頭を使うのが嫌いな人にはお勧めしませんが(クリアはできますが、楽しさが薄れます)
それ以外の人には非常にお勧めです。
すごく泣けますし、キャラクターも魅力的です。

全部のヒロインをクリアしたら、暇つぶしに部室に通う日々を楽しむのも良いですよ。



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