時を越え、同じ過ちを繰り返していく若者たち。
それは運命? それは贖罪?
そしてまた、舞台の幕は上がる。二度と悲しい過ちを繰り返さないために。
久遠の絆〜再臨詔〜は、PSで出た「久遠の絆」をDCに移植する際に、再臨詔という新たなシナリオを付け加えた作品です。
日本の今と昔を舞台とし、
愛を求め、愛の為に悲しい繰り返し(=転生)を続ける若者たちの生き様を描いています。
システムはサウンドノベルで、背景に文字を重ねる手法です。
ところどころで法術戦闘という簡単なミニゲームが入りますが、それ以外はシンプルな"読ませる"作品です。
久遠の絆〜再臨詔〜、前々から評判の高さは重々承知していたんですが、
噂に違わぬ良質なソフトでした。
深く練り込まれた、時代背景に溶け込んだ設定と、悲しいまでに美しいシナリオ。
美麗なグラフィックに、メッセージ性を感じる壮大なサウンド。
声が入っていないのは残念ですが、文章の力でそれをカバーしています。
声が無い方が読ませられる、との配慮もあったみたいですね。
システム的にはシンプルなサウンドノベル形式ですが、早送り、既読メッセージの読み返しなどは備わっていて快適にプレイできました。
ストーリー | 10/10点 | 純粋な、話としての美しさ、そしてオリジナリティ共に文句無しだと思います。 |
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グラフィック | 10/10点 | 美麗なグラフィックに加え、時代ごとの書き分けなど、秀逸の一言に尽きます。 |
サウンド | 9/10点 | 音楽的には申し分無いのですが、声が無いのと効果音がやや難ありなのとで、一点減点です。 |
システム | 7/10点 | 音声無しのサウンドノベルとしては、この作品のシステムが標準で、理想です。 |
文章力 | 10/10点 | 非常に感性に優れた美しい文章だと思います。 |
時代考証度 | 10/10点 | 合っているのか調べたわけでは無いですが、きちんと時代を研究して、理解した上で描かれている作品だと思います。 |
総合 | 9/10点 | 声が無いのが残念ですね。 やっぱり声があった方が再プレイ時に感情移入しやすいですので。それ以外は大満足でした。 |
DCを持っているならDC版を、そうでなければPS版を
どちらにせよこの作品にはぜひ多くの人が触れて欲しいですね。
あと、かなり泣けますが非常に痛い作品ですので、心臓が弱い人は常備薬をお忘れなく
おまけシナリオ二つ+再臨詔シナリオが本編以外に含まれていますので、忘れずに。
入り方は、本編のクリア後に始めから始めて、新たに増えた選択肢を選ぶだけです。