突然現れた、大正時代の幽霊
君の好きなあの満月を見ながら、
いまはただ、ほんの少しの奇跡を願うことしかできない。
まぼろし月夜は、ドリームキャスト用ソフトとして開発され、ゲームをやったひとからは、一様に高い評価を受けているソフトです。
システムとしては、普通の選択肢的アドベンチャー+場所選択形式ですが、場所選択に関しては、再プレイしやすいように工夫がなされています。
まぼろし月夜、これはすごい人に紹介したくなるソフトです。何しろ、これほど不遇なゲームはあまり見かけないですから。確かに、会社がギャルゲー界ではマイナーなのと、絵がギャルゲー向きで無いのは確かですが、それを補って余りある良質のゲームです。
まずシナリオですが、アイディア、ストーリーともに良く、コンシューマー発でも有数の泣けるゲームです。設定の凝り具合といい、かなり力が入っているのが感じられます。
グラフィックですが、これが正直問題です。下手とかそういうことは思わないんですが、これはギャルゲーマーに受ける絵ではないです。このゲームがここまで不遇なのには、少なからずこの絵の影響があると言っても過言では無いと思います。
音楽は、種類が豊富で、それぞれの質も高く、問題無いと思います。ゲームを買うとき、絵は確認できても曲は聞けないのが残念ですね(ただ、まぼろし月夜の公式ページにいけば曲が聞けるみたいですね)。
システムは、新しいことを目指したのはいいんですが、やや難あり、といったところでしょうか。毎日カレンダーを見ないといけないのは苦痛でした。
ボイスはなかなかレベルが高いですね。キャラクターを上手く膨らませている感じで、引きこまれてしまいました。ちなみに書くと、
堀江由衣、今井由香、かかずゆみ、加藤優子、南央美、浅野まゆみ、岡本麻弥、田口宏子、長沢美樹、増田ゆき、室園丈裕、須藤明徳、保志総一郎(敬称略)といったところです。
ストーリー | 9/10点 | 企画段階から一歩リードしていたんではないでしょうか。他のゲームと違うものを作れているという時点で。 もちろん、最終的にはもっとリードした作品なのですが。 |
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グラフィック | 4/10点 | 上手さからいけば、もっとあげてもいいと思います。 ただ、この作品がメジャーにならなかったのは、ひとえにギャルゲーマーの購買意識をそそらなかった絵のせいだと思いますので。 やっぱり、買う段階で一番多く影響を与えますからね、グラフィックが。 |
サウンド | 8/10点 | エンディングが、非常に作品にマッチしていて良いですね。ピアノの使い方が上手いと思います。 |
システム | 6/10点 | PS版も出てるのですが、そちらに移行するに当たって何箇所も改良しています。ということは、それだけ改良の余地があったわけで。 |
文章力 | 7/10点 | 特別すごさは感じませんでしたが、つまずきのない文章はストーリーの円滑さにかかせないと思います。 |
幻の名作度 | 9/10点 | この作品が名作扱いされてないのは残念です。ホントは次は絵のタイプを変えて欲しいのですが。 |
総合 | 8/10点 | 絵にしても、プレイしてれば気にならなくなります。ようは、プレイするまでに至らない人が多いというわけで、やれば良いゲームだと分かります。 |
僕がこのゲームを買ったのは、PS2が出た頃なのですが、新宿で1980円で売ってました。いまも安いかは知りませんが、安くなくてもそれだけの価値がある作品なので、ぜひやってみてください。あと、DC版のシステムを改良して、さらに攻略できるキャラ数を増やしたPS版もありますので、そちらの方もお勧めです。(というか、そちらの方がお勧めです。僕は、DC版で一番気に入ったキャラが攻略できず、悔しかった記憶がありますので。) そちらのタイトルは、「まぼろし月夜〜月夜野綺譚〜」です。
公式ホームページのパスワードは、エンディングごとに違います。それまでに迎えたエンディングの分までフォローしているわけではないので、気をつけてください(僕は、最初のと最後のしか記録しないではまりました)。