振り切れない、忘れられない記憶
その心に触れてくれる人を見つけたとき
立ちすくんでいた足を、やっと踏み出すことができた気がする
メモリーズオフは、ギャルゲー業界では珍しい、コンシューマー機からの人気作です。
過去を引きずってしまう少年が、新たな一歩を踏み出すまでを描いた作品で、システム的にはいわゆるアドベンチャーです。
名作はパソゲーから生まれる、という図式をある程度打破できた作品といっていいのが、このメモリーズオフです。このゲームを手がけた会社は、基本的にはパソゲーからの移植で有名なのですが、遂に自社製の代表作を作った、という感じでしょうか。
シナリオはなかなかの出来です。正直、ここまでのレベルだとは思っていなかっただけに、嬉しい誤算ですね。バラエティーにも富んでいて、幅広く受けると思います。
グラフィックは、キャラデザの腕が確かなのもあって、(この作品がゲーム初なのに、いまや人気原画家ですね)いい出来です。
音楽は、正直あんまり記憶に残ってないんですよね。ただ、エンディングのピアノは結構好きだった記憶があります。逆にいえば、ボーカル曲が無いんですが。
システムは、普通のアドベンチャーなのですが、けちのつけようが無い出来ですね。さすが移植のプロだけあって、コントローラーに割り振るべき機能のつぼを押さえてます。
ボイスは、正直なところ、お金は余りかかってないと思います。いわゆる、若手実力派声優(笑)というところでしょうか。でも、別に他に比べて落ちるとか、そんなことは無いと思います。とりあえず、他のゲームでも書いてるので書くと、
山本麻里安、那須めぐみ、田村ゆかり、浅野るり、河合久美、利田優子(敬称略)です。
ストーリー | 7/10点 | なかなか良いと思います。ただ、ウケそうなキャラを研究しました、と公に言われると、少し反発したくなりますね。 |
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グラフィック | 9/10点 | やっぱり、キャラがかわいいのが一番だと思います。 |
サウンド | 6/10点 | 印象に残らなかったですね。可も無く不可も無く、でしょうか。 |
システム | 8/10点 | 文章を読み進めるボタンが二つあって、片方は選択肢を選ばずにすむ、というのが、連打してるときに親切です。 |
文章力 | 10/10点 | 素晴らしいですね。これほど笑えるゲームは非常に稀です。ストーリーと関係無い部分でとても楽しめました。 |
お買い得度 | 10/10点 | このゲーム、実は廉価版が出ていて、なんと1500円。過去、これほどコストパフォーマンスの良いソフトは無いと思います。 |
総合 | 8/10点 | 秀作です。文章の上手さと、絵の綺麗さで、さすが、と思わされました。 値段も考えると、今何を買おうか迷ってる人に、真っ先に勧めたいゲームです。 |
このゲームで唯一よく批判されるのが、主人公の性格が嫌いだ、というもの。ジョーク好きが過ぎる、性格がころころ変わるというのですが、僕はそのジョークの面白さが何よりこのソフトを楽しくしているので、有りだと思います。
PSユーザーは何よりも買いなソフトです。ネオジオポケットでは「Memories Off Pure」という、PS作より前の時間を遊べるソフトが、DCでは、「Memories Off Complete」という、メモオフにおまけ要素を足し、主人公の性格を改善したらしいソフトが出ています。ドリキャスだけにグラフィックも期待できるので、こちらもお勧めです。ただ、ドリキャス版のおまけ要素にはメモオフピュアのダイジェスト版が含まれているそうなので、注意してください。
追記:さらにWindows版も現在発売されています。また、「Memories Off Festa」というポンジャンゲームがワンダースワンカラーで出ています。
このゲームがいかに安いかは、ビリヤードやソリティアと同じ価格だと考えれば分かりやすいかもしれません。