With You〜みつめていたい〜

無我夢中で走っていた。
地面を蹴ることさえもどかしく感じるあせり。
でもそれは誰のための走りだろう? そして誰に向けた想いだろう?

With Youは、パソコンソフトとして人気を勝ち得た同名の作品を移植したものです。
ゲームシステムは、いたって単純なアドベンチャー形式。攻略キャラを二人に絞ったことが一番の特徴といえるでしょう。

このゲームはかなり異色ですね。なにしろ攻略できるキャラが二人しかいない。その分それぞれのキャラクターの魅力や、ストーリーを余すところなく描いています。
ストーリー的には、泣ける人は泣けるけど、泣けない人は泣けない。どちらかといえば、エンディングで楽しさが一気に、というよりは、普通に、やっていて楽しいなぁ、と感じさせるゲームです。
音楽は、CDも出ていて、昔ほぼ全てのCDのレビューをしていた某雑誌のコメントは、「ゲームではなく、イージーリスニングかと思った」というようなもの。聞き心地のいい曲が多いですね。
絵も、もともと定評のある会社のソフトだけに、いいレベルです。
でも、このゲームの評価の高さは、そんなところには全然無くて、サブキャラ達の人気にあります。
特に妹キャラとしていまや第一人者の地位を揺るぎ無いものにしている、乃絵美がすごいですね。
おそらく攻略できないキャラクターで人気投票をしたら一位になるのではないか、というぐらい人気なキャラで、人気を得るのも分かるというぐらい、本当にいいキャラに仕上がっています。
そのほかのキャラも、いい味を出しているキャラばかりです。
ついでに書くと、このゲームはフルボイスですが、他のゲームと違ってパソコン時から声が入ってたらしく、キャストはそのままです。つまり、パソゲーによくでている声優さん。
だから、名前を挙げても知らない人が多いと思いますが、それでもせっかく調べたので書くと、
鳩野比奈、美都いずみ、倖月美和、藤崎かおり、水無瀬綾、長崎みなみ、冴月まりあ(敬称略)といった感じです。長崎みなみさんは、パソゲー界では超売れっ子なので、知っている人もいるかもしれませんね。
とにかく、ボイスで引っかかることは無かったですね。それどころか、うまいと思わされるところもちらほらでした。

ストーリー6/10点ストーリーだけでは名作になり得ないレベル。でも、悪いわけでもないです。
グラフィック9/10点キャラデザも、一枚絵の彩色もいいです。かなりのレベルといえると思います。
サウンド8/10点いいんじゃないでしょうか。その場その場に音楽がマッチしていますし。
システム8/10点何がすごいかといえば、読み返しながら音声が再生できることですね。とばしたセリフを聞けるのが嬉しいです。
文章力8/10点文章力がなければ、サブキャラに人気は出ないと思います。
脇役人気度9/10点このゲームほどサブキャラをクリアしたいゲームは無いです。
出てくるキャラがみんなおいしいだけにもったいないです。
総合7.5/10点微妙ですね。ストーリーだけだと7点にしたいのですが、他の要素のレベルが高いことがいま書いていて判明したのでこの点数。
巫女萌え、メガネっ子萌え、妹萌えの人。ギャルゲーはグラフィックだぜ、という人。及び、クリアできないキャラの方が愛着が湧く人。以上の方には自信を持ってお勧めします。
あと、SS版に、新規グラフィックと、サブキャラが主人公の四つの短編シナリオを加えたPS版も出ているので、両方持ってたらそっちの方がいいかもしれません。
PS版のタイトルは「絆という名のペンダント With TOYBOX」なので、間違えて探さないでください。

最後に、これは僕がSS版しか持ってないので、PS版はどうか知りませんが、SS版をCDとして再生すると(ふたを一回開けてから閉じ、ゲームを選ばず、CDを再生する方を選ぶ)
「With You Tonight」(だったと思う)という、10分間の模擬ラジオ番組が楽しめます。ディスク1.2の両方に、別なのが入っているので、聞いてみると面白いと思います。



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