ピタゴラスと音楽

ここで、分数にまつわる話をしてみようかな。
君たちは、ピタゴラスという人を知っているかな。 いえ、知らないわ。
ピタゴラスは、紀元前572年にギリシアの植民地
サモス島に生まれた数学者じゃ。
伝説の上では、音楽家としても知られていた。
そのピタゴラスが、音楽について次のことを
見つけたのじゃ。
 ある長さの弦(げん)をはって音を出す。
 つぎに、その弦の長さを2/3(3分の2)にして
音を出すと、もとの音より5度高い音が出る。
 つまり、もとの音をドの音とすると、それより
5度高いソの音が出る。
 つぎに、弦の長さをもとの1/2(2分の1)
にして音を出すと、こんどはもとの音より8度高い
音が出る。
 つまり、もとの音をドの音とすると、それより
1オクターブ高いドの音が出る。
へー。そうなのか。
自分でもためして
みたいな。
 実はこの後等差数列や調和数列、振動数など
というむずかしい考え方を使って、
次のことが言えるのだ。
下のド…1 レ…8/9 ミ…4/5
ファ…3/4 ソ…2/3 ラ…3/5
シ…8/15 上のド…1/2
音楽が
できるわね。
※ 矢野健太郎「すばらしい数学者たち」
新潮文庫より 原文では、振動数を求めているが、
弦の長さを分数で表すことを具体的にとらえる
ために、その逆数をとって表示している。

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