直線上に配置
バナー

国民年金Q&A


 国民年金は一般の人には分かりにくい部分があり、知らないうちに損をしている人がかなりいます。

 このページでは、rinkamamaの夫が仕事柄感じている世間の誤解や、市民のためにどうしても伝えたいことをQ&Aにまとめてみました。

 このページはプライベートで運営していますので、厚生労働省や社会保険庁には気兼ねせず、一般の人の利益になる情報を提供しています。



Q1  保険料を納めても、将来、年金をもらえなくなるのでは?
Q2  国民年金はまったく安泰ですか?
Q3  納めた金額よりも、将来自分がもらう金額が少なくなる場合もあるのですか?
Q4  国民年金には加入せず、民間の金融機関や保険会社などで、資産を運用したほうが有利なのではありませんか?




Q1  保険料を納めても、将来、年金をもらえなくなるのでは?
A1
 これは大変な間違いです。

 国民から、保険料を集めておきながら、「年金制度はパンクしたので、支給できません。」などと言ったら、日本が終わってしまいます。

 そもそも、年金制度の根本的な改正は、国会で可決されなければ行えません。

 「パンクしたので、国民年金支給するのはやめます。」などという法律に賛成する国会議員がいるでしょうか?賛成したら、次の選挙で落選してしまうので、このような法律は成立しないはずです。

 というわけで、きちんと納めた人が全くもらえなくなると言うことは、まずありえません。


Q2  では、国民年金はまったく安泰ですか?
A2
 いいえ。A1ではああ答えましたが、ほうっておけばやっぱりパンクします。

 国民年金は、現役世代から集めた保険料を、お年寄り世代に支給する仕組みなので、高齢化・少子化が進み、もらう人が増え納める人が減ると、そのままでは破綻してしまいます。

 そのため、不足する財源をまず税金で穴埋めすることになっています。ちなみに、現在も、支給される年金の1/3は税金でまかなわれています。

 これを、平成16年度までには、1/2まで引き上げることが決定されています。その財源をどうするかは決まっていませんが、消費税の税率を上げるくらいしかないのでは。。。。

 これでも、まだ足りないので、やはり、保険料を値上げして、年金の支給額を抑える方向で、変わっていくと思われます。


Q3  と言うことは、納めた金額よりも、将来自分がもらう金額が少なくなる場合もあるのですか?
A3
 高齢化・少子化の進み具合と、今後の日本経済次第ですが、現在のペースで行けばその可能性は十分有ります。

 今のままでは、現在30歳代前半よりも若い世代の人は、納めた額よりもらう額が少なくなると言われています。

 例えば、極端な話、年金受給者が現役世代の10倍の人数、という時代が来たとすると、現役世代の納める保険料だけでは到底年金の財源は不足します。不足分を税金で穴埋めするにしても、よほど日本経済に余裕がなければ、足りません。
 

Q4  では、やはり、国民年金には加入せず、民間の金融機関や保険会社などで、資産を運用したほうが有利なのではありませんか?
A4
 政府の肩を持つつもりはありませんが、それでも国民年金が有利です。と言うよりも、国民年金に正しく加入していないと、大損をします。


 一般的に言われていることですが、

@民間の会社と違って国は普通倒産しない。
 民間の金融機関等は倒産して、契約どおりの保険金を支払えなくなった会社が現実にいくつもあります。
 しかし、日本の国が倒産(?)する可能性はきわめて小さいと思われます。

A国民年金は物価の変動に対して安定している。
 民間の金融商品には利子や配当がつきますので、「金額」としては、支払い額より受取額が多くなります。例えば、1000万円払って30年後に3000万円もらえたりします。
 しかし、その30年間にインフレがすすんで、物価が10倍に上がったとしたら、1000万円が300万円に減ってしまったのと同じです。
 もちろん、今のようなデフレが、ずっと続けば、逆にいっそう有利になりますが、日本に「円」が登場してからの歴史を振り返ると、長期的にはインフレ傾向にあるように見えます。
 国民年金は、自動物価スライド制なので、どんなにインフレになり物価が上がっても、自動的に同じ比率で年金額が上昇します。
 さらに、ここ数年は物価が下がっているので、本来なら年金額も下がらないといけないのに、選挙が怖いのか、年金額は据え置きです。

B国民年金は生涯支給される。
 民間の金融商品は、契約した支給期間が終わるとストップします。75歳まで保険金が払われる契約の場合は、80歳まで生きていても、最後の5年間は何も出ません。
 国民年金は、生きてる限り、たとえ100歳を過ぎてもずっと年金が受給できます。自分が納めた保険料以上受け取っていても、生きてる限りずっともらえます。
 もちろん、もらう前や、もらい始めてすぐに亡くなると、損得で言えば大損ですが、死んでしまえばお金は要らなくなるので、損ではあっても、別に困るわけではありません。

C国民年金は税制上有利である。
 民間の生命保険は、一般分と個人年金分をそれぞれ年間10万円(つまり合計20万円)以上払った場合、所得から合計で10万円が控除されます。(所得税の場合)
 国民年金の場合は、納めた保険料全額が控除されます。年間159,600円支払うと、159,600円がそのまま控除されるのです。
 また、民間の保険会社の個人年金を受け取るときは、雑所得として金額に応じて課税されますが、国民年金は実質非課税です。
 国民年金は、民間の金融商品に対して、税金的には不公平と言ってもいいくらいです。


 さらに、見落とされがちなことですが、

D国民年金には税金が投入されている。
 民間の金融商品は、顧客から預かったお金を運用した利益の中から、営業にかかった費用を引き、時には株主に配当し、たまには政治家に献金し、その他もろもろの費用を引いた残りを、顧客に還元する仕組みです。
 それに対して国民年金は、国民から預かった保険料を、グリーンピア等の赤字施設につぎ込んだり、効率の悪い経営をしたりしていますが、それにしても、支給する年金の額の1/3は税金から出ています。平成16年までには1/2が税金になります。
 支給するお金を、税金を使って増額するなんて、民間には真似のできない芸当ですが、このことは国民年金が有利だと言うだけではなく、それ以上に大きな意味があります。

E国民年金をもらえない人は大損になる。
 大まかに言って、国民年金は原則25年以上の正しく参加した期間がなければ、老齢年金がもらえません。
 極端な話、24年と11ヶ月の人はもらえません。それだけの期間、払っているのにもらえません。
 さらに、Dで書いたとおり、国民年金の受給者は実質的に税金をバックされていますが、24年と11ヶ月の人には税金のバックはありません。この人たちは、仮に低所得で、非課税世帯であっても、買い物すれば消費税が取られます。そのうちの一部は、年金受給者に渡りますが、自分はもらえません。自分が若いころ払った税金も、当時の年金受給者には渡っていたのですが、自分が年をとった今、若者の払う税金は、年金受給者のところに行くばかりで、自分のところには年金の形では来ません。
 これも、24年11ヶ月の人から見れば、不公平で許しがたいことのはずですが、意外とみんな気づいていません。

F国民年金をもらえないと老後が大変。
 国民年金がなくても、他の収入や資産で十分やっていける人はいいのですが、現実には年金のない人は、子供の世話になったり、生活保護の受給を検討したり、なかなか大変です。子供が親の面倒を見るのは当たり前、のはずですが、実際にはお互いに大変ですし、無収入の人間にとっては、生活保護受給は国民の権利、となっていますが、これもなかなか簡単な話ではありません。
 将来の備えも大事だが、それも今の生活があってこそ、という考え方は基本的には正しいと思いますが、年をとってお金がないのは骨身にこたえる、というのも事実だと思います。


Q5以降にもご期待ください。

直線上に配置