クイックスタート 第 1 版

目次

  1. はじめに
  2. 注意事項
  3. 使用しているアルゴリズムについて
  4. インストール
  5. まず最初に環境設定
  6. 秘密のメモの登録
  7. 新しくなったパスワードの入力方法
  8. オプションの設定
  9. MySecret 環境設定
  10. MySecret Hack について
  11. 試用制限について
はじめに

MySecret は,Palm デバイス上で他人に知られたくないデータを記録するためのメモ帳です. あまり起こって欲しくはありませんが,万が一 Palm デバイスを落としてしまったときなどに役立つアプリケーションです.

v.0.4.1 からバージョンアップする際の注意: MySecret は v.0.5 で大幅に構成が変更されています. これにともない,誠に申し訳ないのですが,v.0.4.1 で設定していただいたユーザ登録がいったん無効となってしいます. お手数をおかけして申し訳ございませんが,新しくなったMySecret 環境設定からもう一度ユーザ登録コードを設定しなおしてください. よろしくお願いいたします. (参考:まず最初に環境設定)

注意事項

ご使用の前に,以下の注意事項をよくお読みください.

  1. 必ず日本国内でご利用ください.
  2. もしも MySecret のパスワードを忘れてしまった場合,暗号化されたデータは作者である catoo にも解読できません.MySecret のパスワードを忘れないようくれぐれもご注意ください.
  3. 上記のことと矛盾するようですが,100 % 解読されない暗号は存在しません.したがって暗号化された文書が第三者によって解読される危険性がいつもあることに認識しておいてください.

上記の点をご理解の上,ご利用ください.

使用しているアルゴリズムについて

パスワードのダイジェストを生成するために MD5 アルゴリズム(RFC1321)を使用しています. また,暗号には Blowfish アルゴリズム(Bruce Schneier)を使用しています.

"Derived from the RSA Data Security, Inc. MD5 Message-Digest Algorithm"

インストール

MySecret を使用するために以下の 3 つの prc ファイルをインストールしてください.

表1. 必ずインストールするファイル
ファイル名 説明
MySecret.prc MySecret アプリケーション本体
MySecretMgr.prc 認証や暗号化などを行う共有ライブラリ
MySecretPanel.prc MySecret の環境設定アプリケーション

さらに Palm デバイスの簡易ロック機能を使うのであれば,次のファイルもインストールしてください.

表2. 好みでインストールするファイル
ファイル名 説明
MySecretHack.prc Palm デバイスの簡易ロック機能を行う Hack アプリケーション
まず最初に環境設定

Palm デバイスへのインストールができたら,まず最初に MySecret の環境設定を行ってください. 設定は標準アプリケーションの環境設定の中で行えます(図1).

環境設定
図1. 環境設定

MySecretPanel.prc」が正しくインストールされていると,右上の「書式」などと表示されているリストをタップすると「MySecret Panel」という選択肢が表示されます. それでは「MySecret」をタップしてみましょう. するとパスワード入力を促す図2の画面が表示されます.

最初のパスワード入力
図2. 最初のパスワード入力

ここで設定するのは v.0.5 から新しく導入された MySecret の環境設定用のパスワードです. MySecret の環境設定を他の人に勝手に変えられては困りますので,パスワードを設定するようになっています.

それでは各ボタンをタップしてパスワードを入力しましょう. うまく入力できたら「了解」ボタンをタップしてください. すると先ほど入力したパスワードの確認のための画面が表示されます.(図3

(情報) ここでは簡単のために1234としましたが皆さんはもっとちゃんとしたパスワードを設定してくださいね.^^;
(情報) v.0.5 からパスワードとして入力できる文字の種類が増えました. 詳しくは新しくなったパスワードの入力方法を参照してください.
新規パスワードの再入力
図3. 新規パスワードの再入力

この画面では先ほど設定したパスワードを確認のためにもう一度入力します. なお,確認のための画面なので入力したパスワードは伏字になって表示されます. 入力できたら「了解」ボタンをタップしましょう. やっと環境設定の画面にたどり着くことができました(図4).

MySecret 環境設定
図4. MySecret 環境設定

この画面が表示できた時点で MySecret を使うための準備は整いました. 忘れないうちにパスワードを思い出すためのヒントを入力しておきましょう. 他にもこの画面で設定できる項目はあるのですが,まずはデフォルトのままで使用してみてください. どういったことが設定できるのかを知りたくなったらMySecret 環境設定を参照してください.

秘密のメモの登録

環境設定が終わったら早速秘密のメモを登録してみましょう. MySecret の「ふぐ」のアイコンをタップすると図5のようなメモの一覧画面が表示されます. ここで「新規」ボタンをタップすると秘密のメモを入力する図6の画面が表示されますので,なにか秘密にしたいことを入力してみてください.

最初の一覧画面
図5. 最初の一覧画面
秘密のメモ画面
図6. 秘密のメモ画面

秘密のメモが書けたら「完了」ボタンをタップして先ほどの一覧画面に戻ってみましょう. 先ほど入力したメモが一覧に現れています.

普通の一覧画面
図7. 普通の一覧画面

ところで今登録したメモは暗号で守られているのでしょうか?

いえ,実は今はまだ暗号化されていません. それを表すために画面右下に壊れた鍵のマークが表示されています. MySecret を初めてインストールした最初の状態では暗号化は行わない設定になっています. では早速この壊れた鍵を直すため,暗号化の設定を行いましょう.

メニューの「設定」-「パスワード設定」をタップしてください.

暗号の設定(設定前)
図8. 暗号の設定(設定前)

すると図8の画面が表示されます. このように「暗号化」は「しない」になっています. 今は大事な秘密のメモを登録しているので暗号化しなければいけません. 「する」をタップしましょう.

するとまたしても新規パスワードを設定するための画面が表示されてしまいます. 今度のパスワードは MySecret に登録されている秘密のメモを暗号化するために必要なパスワードです. ここで入力するパスワードは,まず最初に環境設定で設定したパスワードと同じでもかまいませんし,別のパスワードを設定してもかまいません. またパスワードを入力する手順は先ほどと同じですので,ここでは説明を省略させていただきます.

パスワードを設定すると画面に表示される内容が図9のように変化します.

暗号の設定(設定後)
図9. 暗号の設定(設定後)

もし複雑なパスワードを設定した場合には「パスワードのヒント」を入力しておいた方がいいでしょう. もっとも簡単なパスワードであっても,複数のパスワードを使い分けているとどれだったかわからなくなってしまうこともありますので出来るだけヒントはメモしておいた方がいいと思います.

これで暗号化できるようになりましたので,一覧画面に戻ってみましょう. 「完了」ボタンをタップしてください.

普通の一覧画面
図10. 普通の一覧画面

「あれ、どの文章もそのまま見えてるじゃない?どこで暗号化されてるの?」

ご心配には及びません. MySecret では,いったん入力されたパスワードを MySecret を終了するまで覚えています. このパスワードを使って一覧に表示するときに必要な部分だけを *その都度* 復号化しているのです. また秘密のメモ画面を開いたときはそのメモをいったんすべて復号化し,画面を閉じるときにもう一度暗号化しています.

ですので MySecret を使っているときにユーザが「暗号化」「復号化」を意識する必要はないのです. どうです? 便利ではないでしょうか.^^;

(情報) では,いま現在で暗号化されいるのかどうかはどうしたら判断できるのでしょうか? もうお分かりですね,一覧の右下に鍵のマークを見てみてください. 暗号化する前は壊れていた鍵が直っています.
新しくなったパスワードの入力方法

v.0.5 より前の MySecret では数字と一部の記号しかパスワードとして設定できませんでしたが,現在ではアルファベットの大文字,小文字、そしてもうすこし多くの記号を入力することが出来ます. パスワード入力を促す画面でハードウェアの上下ボタンを押してみてください. 画面上の各ボタンにかかれたラベルが変化します.

大文字アルファベットの例
図11. 大文字アルファベットの例
小文字アルファベットの例
図12. 小文字アルファベットの例

上下ボタンを押したときに変化する規則は次のとおりです.

表3. 入力できる文字の遷移規則
連続して上ボタン 2→A→B→C→2 の順に大文字で巡回
連続して下ボタン 2→c→b→a→2 の順に小文字で巡回
巡回方向の転換(上から下) 現在のアルファベットを小文字に
巡回方向の転換(下から上) 現在のアルファベットを大文字に
オプションの設定

MySecret には以下のようなオプションの設定項目があります. メニューの「設定」-「オプション..」を選択して「オプション」画面を表示してください.

オプション画面
図13. オプション画面
  • 一覧:一行目だけを表示」チェックボックスをチェックすると,一覧表示のときに秘密のメモの一行目だけをタイトルとして表示するようになります.
  • ソート」 にはレコード一覧で秘密のメモを一覧する順序を指定します.
  • PC にバックアップを保存」チェックボックスをチェックすると PC と HotSync するたびに MySecret のバックアップデータが PC に保存されるようになります. 電池切れやハードリセットなどでデータが飛んでしまったときのために,このチェックボックスをチェックしておくことをお奨めします.
MySecret 環境設定

MySecret にはもうひとつの設定画面があります. それは,まず最初に環境設定で設定を行った環境設定による設定画面です. ここではこの画面についてもう少し詳しく説明します.

MySecret 環境設定(詳細)
図14. MySecret 環境設定(詳細)
  • パスワードキャッシュを使う」チェックボックスをチェックすると,一定時間パスワードをキャッシュさせることができます. キャッシュの「有効期限」もあわせて指定してください. パスワードキャッシュを利用すると,MySecret を終了しても有効期限内にもう一度 MySecret を起動すればパスワードによる認証が省略されます. また複数のアプリケーションで同じパスワードを指定している場合も,有効期限内であれば同じようにパスワードによる認証が省略されます.
  • パスワードロックを使う」チェックボックスをチェックすると,パスワードの入力誤りが続いた場合に一定期間パスワードの再入力を行えなくすることができます. 入力誤りを許す回数である「許容回数」やロックする時間である「ロック期限」もあわせて指定してください.
  • パスワードのヒント」には MySecret の環境設定に設定しているパスワードを思い出すためのヒントを入力しておいてください.
  • ユーザ登録」には試用期間の残りの日数が表示されます. もし気にいってユーザ登録していただいた場合は,この日数をタップすることでユーザ登録を行う画面を開くことができます. またユーザ登録が完了したあとはこの項目は表示されません.
  • パスワードの変更..」ボタンをタップするとパスワードを変更することができます.
MySecret Hack について

MySecret Hack を使用することで Palm デバイスに簡易ロック機能を付け加えることができます. MySecret Hack を有効にするとデバイスの電源を入れるタイミングでパスワード入力画面が表示されるようになります。

MySecret をインストールした直後などパスワードが設定されていないと図15のような画面が表示されます. 環境設定から MySecret Panel を選択してパスワードを設定してください.

パスワード未設定画面
図15. パスワード未設定画面

パスワードを設定した後は,このようなパスワード入力画面が表示されるようになります. MySecret Panel で設定したパスワードを入力すれば簡易ロックが解除されます.

パスワード入力画面
図16. パスワード入力画面

簡易ロックは以下のボタン操作での電源オンをロックしますが,クレードルの HotSync ボタンを押したときの電源オンはロックしません

  • 電源ボタン
  • 予定表ボタン
  • アドレス帳ボタン
  • TODOボタン
  • メモ帳ボタン

もしパスワードを忘れてしまってロックが解除できなくなってしまったときは Palm デバイスをリセットしてください.

また電源オンのときにはパスワードの入力をキャンセルできるようにすることもできます. HackMaster などで MySecret Hack の設定画面を起動して以下のように設定してください.

HACK の設定画面
図17. HACK の設定画面
試用制限について

MySecret はインストール後 30 日間試用することができます.

試用期限が切れてから MySecret を起動しますと,パスワードを入力した時点ですべてのデータが復号化されてしまいます. その後はユーザ登録を行うまでパスワードを設定することができませんのでご注意ください. つまり試用期限が切れてからユーザ登録を行うまでの間はすべてのデータが暗号化されずにそのまま保存されていることになります.