「条例がないから取り締まれません」の問題

 

ことの発端

 2006年6月改正道路交通法により、駐車違反の取締りが厳しくなったらしい。
その頃、私道にも適用されるのかと路上にいたオマワリさんに聞いたところ、当然できるという答えを聞いた。(後日、検索してみるとどうも違うらしいのだったが)
 そこで家の前に長々と停まる自動車があると警察に電話。しばらくして車が退散する(^^)。ただ駐車違反で罰金まで取っていたのかは不明であった。


 かねてから見掛けていた古い原付が駐車してあったので警察に電話。しばらくしておまわりさんがきたのだが、駐禁を切ったのではなく警告の紙切れであった。
案の定、数日するとまたこの原付が駐車してあった。ピカピカのであれば警告でも効くのであるが、敵はオンボロバイクである。「撤去できるものならやってみろ。捨てる手間がはぶけら」と言いそうなバイクなのだ。警察に電話、おまわりさんが警告の紙。

 3度目になんで罰金とらないのかと詰問すると、私道だから「条例がないから取り締まれません」と言われたのであった。お役所というものは、いろいろと対応してくれるものの、結果解決しない場合の最後通牒のようなものである。


 ググッテみると私道での駐車違反は因縁浅からぬものがあるらしい。看板を立てロックし捨てる兵もいるらしいが、事後一番問題無く手間も掛からないのは違反切符を切ればいいだけの話だ。公道を締め出されたバイクが法律の及ばない公園に置かれ、問題視され長くたな晒し放置され、マスコミに取上げられやっとカノチでは条例ができたそうである。
 さて私道における条例を作るには大運動を個人が起さなければならないのであろうか。トホホだ (´・ω・`)
 駅前にたったひとりで立って署名運動なんてできる訳ないじゃん


現状についての考察

 数年を経て条例がないから取り締まれませんというのは
行政の怠慢なのではないだろうか。
(過去の遺物のような法令を引っ張り出して適応させるのも同様であるが。)


現状で何が足りないかを一番分るのは直面する現場の担当者である。
その人間がこういう条例があるべきだと提案するのが至極当然なのに
現場は「条例がないから取り締まれません」を繰り返している。

現場の人間が適時適切に時代に即した条例を作って対応していくことこそ
もっとも重要な仕事であるはずなのに
最も問題に熟知し最も問題を解決すべき役割を持つ行政が
「条例がないから取り締まれません」を繰り返しているのは
まさに役割放棄していると言わざるを得ないのではないか。

多肢にわたるケースを最前線で集積できうる立場で
最も問題に熟知しうるものが条例を提起しないで
いったい誰が条例を提起するのを行政は待っているのだろうか。


条例を決議するのは議員かもしれないが、
どこにどんな問題があるか、どういう条例があるべきかが
適時適切に議員に分るわけがない。
行政は議員が察知してくれるまで何もしないで
指を咥えて待っている赤ん坊なのか。

行政で起こっているこうした問題、非効率性を
外の人間に覗い知って解決してくれるのに頼って
願ってお祈りでもしてるだけなのだろうか。
やる気の無いのにもほどがある。
「うちの管轄じゃないから」と「たらいまわし」
「条例がないから」と最後通牒を下すだけなのだ。


公園の条例はマスコミに取上げられ作られもしようが
レアケースの場合は、放置される愚かが永遠に続くのか。


現場が何度も足を運び警告書を貼る。
再三の要請により、現場では、できうることやってくれる。
それでやがて解決もしようが、これは即ち非効率性そのものである。
やたらと時間もかかれば金も掛かる。
こういったことが山積すればお役所が非効率化の権化にもなる訳だ。
さらに住人には恨み言、文句をグダグダと言われ、言い訳する時間を浪費し
住人との関係は不信にみちみち、お互いに劣悪なるストレスしか残らない。


それでは適時適切に条例を作り私道においても罰金を科せるようになったらどうなるか。
おそらくは現場がただ一度だけ駐車違反の切符を切ればすべて終わる。住人からは拍手喝采を浴びお礼まで言われるだろう。
極めて短時間で仕事は終わり、感謝され、おまけに収入まで得られる。
そこには良好な住人との関係が残るのみだ。イイことづくめで雲泥の差ではないか。

適時適切な条例というものは効率性のアップにも繋がるのである。
まさに今求められていることではないか。


こうしてみると
例のガナリたてる引越しおばさんは初めは被害者だったのではないか
と想像するのである。
役所に文句を言っても「条例がないから」と言われ
鬼のように憤慨し逆手にとった行動にでたのではないかと。
実際長期にわたり行政は放置したのである。罪な話である。



あるべき対処法

現場にいる人間におかしいじゃないかと聞けば
実は良く分っているのである。分っていて「でも条例がないから」なのである。
であるならば
現場の不具合の声を取上げる恒常的なシステムおよび意識改革が必要なだけだ。
(身内でできないなら第三者機関でも可)

「条例がないから取り締まれません」を改善するためには
条例改善活動をトヨタのQCサークルのように
市町村レベルの警察と役所は積極的にやることを推奨しよう。

「条例がないから取り締まれません」を根絶するために鋭意努力しろ
と言いたい。


社保庁の問題も、現場の声をもっと聞いていれば
「チェックシステムが甘いから、やろうと思えば不正なことできるんだよねえ。」
と正義感のある人や問題意識の高い人も皆無ではなかったはずだ。

また近年の技術革新はめざましい。
問題点をリストアップしとけば
いままではコスト的に技術的に不可能だった点が
日々の技術革新によって明日クリアできるようになっているかもしれないのだ。

自転車やバイク、自動車にもICタグをつければ
警官が近づいただけで盗難車がわかるではないか。

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   (  ミ i l、     i:;;:::ノ
   じ二ニLっ)    ど_j

役人は志村喬の「生きる」をみろと。見たものは思い出せ。
楽さえできれば半分死んだように時間を潰してていいものか。


最後に
お役人に「条例がないから取り締まれません」と最後通牒を
言われたら以下のように言い返してほしい。

「いろいろなケースを集積できる立場で、実際に問題に直面し、
最も問題に熟知したものが条例を提起しないで
いったい誰が適時適切に条例を提起するのを貴方は待っているのですか。」と