ある朝、僕の家の屋上にウンコがあって、おかしいなぁと思っているとミケネコのでし
た。植木があるので、ちょうどいいみたい。
『ニャッ、土のうえが一番気持ちがいいニャ。』
そういえば、ずうと昔にシロネコが温室のなかでこどもを生んだことがあったんだけど
近ずくと、すっごい剣幕でフーッとおこられました。
『ニャッ、あたしのこどもに汚い手ぇだすんじゃないの、フゥーッ!』
こんどは、うまくてなずけようとエサを皿においときました。すると、食べてる。食べ
てるので近ずくと、やっぱりフーッとおこったところ、皿にエサをたしてやるとキョトン
ッとしてます。はずかしそうな顔してました。
『ニャッ、エサをとられるのかと思ったんだよ。お腹ペコペコだったんだニャ。』
このミケネコはどうやら、薬屋さんのらしい。ウワサではその向かいの家のネコだった
らしく、その家が引っ越してからは、薬屋さんがエサをやってるとからしい。
家でエサをやってたら、薬屋さんとこに帰らなくなり、なんだか悪い気がしたけど、ど
んどん仲良くなっちゃった。
『ニャッ、昔のことはわからないニャ。』
毎朝、エサをやってかわいがってやったけれど、ミケネコは抱かれるのだけはいやがる
んだ。だけど急所はしってる。おしりをトコトコはじいてやると、ミケネコはたまらず、
お乳をのむ格好をする。あたまを宙にあげて、ゴクゴクお乳をのんでるつもりになるのだ
。
『ニャッ、そんなことした覚えないニャー。』
ところが、ある朝エサをやってもあまり食べない。へんだなぁと思ってみると、どこで
ケンカしたのか、足に穴あけてる。しぼると、ウヘェーとウミがでてくる。ミケネコは声
にならない声でニャーと泣いた。とっつかまえてウミをウヘェーとしぼりだして、消毒し
てやった。いつもなら、あばれてネコパンチとんでくるのに、元気がないせいか、ニャー
となくのみで、めずらしい。死んじゃうんじゃないかと心配してたら、すごいなぁ治っち
ゃったよ。
『ニャッ、なめれば大丈夫ニャ。こんどはなめてやるニャ。』
大分、仲良くなったし秋も冷えてきたので家にいれてやって戸をしめるとニャーオと出
たがった。
『ニャッ、閉じ込められるちゃ、かなわんニャア。
おいらは、野良猫風来坊、ちっとぉ長居をしすぎたニャ。
しょせん、人間にゃあ、おいらの気持ちはわかるまいニャーオ。』
それきり、来ない。
そしてミケネコはうなぎ屋にかよいはじめた。きっとキャットフードにあきたにちがい
ない。
『ニャッ、ニャーン。』
そしてミケネコ