コンサート ホールなどの室内で音を出したときに聞こえるようなエコーを音声に付加します。仮想の室内にスピーカ 1 個とマイク 2 個 (ステレオ マイク 1 個) を設置し、物理法則に従った音の反射経路を計算してエコーのパターンを作ります。
この効果の意図、すなわち音の空間イメージを正しく得るには 2ch の場合でもモノラル内容の入力を与え、ヘッドホン (両耳イヤホン) で聴いてください。
項目 | 説明 |
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大きさ | 部屋の大きさを指定します。ちなみに部屋図上のマス 1 個が 1 平方メートルです。 |
四角形/五角形 | 部屋 (床) の形状です。図上では床のアウトラインが黒線で示されています。 |
反射率 | 壁の反射率です。反射率を高くするほどエコーの音量が大きくなり、エコー全体の持続時間が延びます。 |
エコー濃度 | どのくらい小さいエコーまでがリバーブ フィルタに描画されるのかが決まります。例えば 60 dB にした場合は、壁に当らず音源から直接マイクに入ってくる音を基準 (0 dB) にして、-60 dB 以上の音量になるエコーだけを描画し、それ以下になるエコーは描画しません。遅れて聞こえるエコーほど音量が小さいため、エコー全体の持続の程度と関係します。 |
天井傾斜 | 五角形の部屋の場合は、天井に傾斜をつけると反射経路の探索にかかる時間が大幅に増加するので、特に問題がなければ 0 度 (水平) にしておいたほうがよいでしょう。天井の傾斜が急なほど比較的響く周波数と響かない周波数との音量差が小さくなります。 |
エコー音色 | 「エコー音色」ボタンを押すとエコー音色の設定を行うダイアログ ボックスが出ます。「音色変化」以外のフィルタ (ハイパス、ローパス、高域シェルフ、ピーク) の特性を合計したものが、壁に一回反射して聞こえるエコーの音色になります。「音色変化」はローパス フィルタの設定ですが、このフィルタも加わった音色が「反射回数」の設定だけ壁に当たったエコーの音色になります。その他の反射回数のエコーには音色の移行がスムーズになるように、それぞれの反射回数用の音色が自動的に割り当てられます。遅れて聞こえるエコーほど反射回数が多く、ローパスのかかりが強くなるため、高周波成分の少ない音色を持つことになります。 |
項目 | 説明 |
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方向/距離 | マイクから見た音源の位置です (水平方向の位置)。部屋図上の青丸をドラッグすることでも位置を変えることができます。音源をマイクから離すほど、エコーの音量は壁に当たらず直接マイクに入る音に対して相対的に高くなります。 |
床上高 | 床からの高さです。エコーのパターンが多少変わります。 |
空気抵抗による高音減衰 | 空気の抵抗によるローパス効果を再現します。壁に当たらず直接マイクに入る音にのみ影響します。エコーの音色には影響しません。 |
項目 | 説明 |
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向き | マイクの水平方向の向きです。部屋図上では赤丸に付いた矢印が向きを示しています。 |
方向感強調 | 方向感を強調するような集音特性をマイクに持たせます。ヘッドホン・イヤホンで聴くことを前提にした設定です。この設定が有効の場合と無効の場合とを聴き比べて、印象のいいほうを選ぶとよいでしょう。 |
マイク間距離 | 左右マイク間の距離です (単位: センチメートル)。 |
床上高 | 床からの高さです。エコーのパターンが多少変わります。 |
※マイクの水平方向の位置を変えるには部屋図上の赤丸をドラッグします。
リバーブ フィルタをファイルにして保存できます。「フィルタ保存」ボタンを押すと出てくるダイアログ ボックスに保存ファイル名を入力してください。ファイルは Wave 形式になりますが、内容は FIR フィルタ係数ないしインパルス応答です。
ファイル化したフィルタを使用するには FIR フィルタを適用する機能を使います。
※フィルタ ファイルの配布はできません。代わりにこのソフトの使用を勧めてください。
メイン ウィンドウのメニュー [ツール]→[設定] から呼び出せる設定ダイアログ ボックスで設定可能な項目では、主に以下のものが、この効果の挙動や出力結果に影響します。
項目 | 説明 |
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一時ファイルのサンプル型 | 一時ファイルが整数サンプルに設定してあると出力波形のクリップ (波形上下端のちょん切れ) が起こる可能性があります。出力振幅の見当が付いている場合を除き、一時ファイルのサンプルを浮動小数点にしておくのが無難です。 |
たたみこみ演算を倍精度で行う | たたみこみ実行時の浮動小数点演算を 32 ビットで行うか、64 ビットで行うかの設定です。 |
項目 | 説明 |
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並列処理スレッド数 | スレッド数 (使用コア数) を増やすと、ある程度の高速化が見込めます。 |
単精度のたたみこみ演算に GPU を使用する | GPU の性能によっては、ある程度の高速化が見込めます。たたみこみ演算を倍精度で行う設定になっている場合は、この設定は参照されません。 |
正確な音像を聴くにはヘッドホン・イヤホンで聴く必要があります。
リアルタイム再生時にも、まず再生前にリバーブ フィルタ (FIR フィルタ) を作成する必要があり、しばらく待たされることがあります。フィルタの作成時間を短くするには、「エコー濃度」を下げ、五角形の部屋は「天井傾斜」を「0 度」にします (聞こえ方が多少変わりますが)。
入力はモノラル音声を想定しています。入力が 2 チャンネルであっても両チャンネルの内容が同一であれば実質的にモノラルであり、入力が 1 チャンネルの場合と出力は同じになります。
出力波形に振幅オーバーの個所がある場合は、全体の振幅を一律に小さくするか、リミッターで修正してください。
リアルタイム再生時、ハードウェアの性能が足りないと音切れを起こします。
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