「第3回全日本Mac系大忘年会」で頂戴した、Suitcase10を試用してみてのお話。必ずしも十分な時間使っているわけではないので、間違いとかないとも言い切れない。その辺は分かり次第修正していくのであらかじめご了承を。
自分の場合、MacではOS Xで作業することが多いので、現状で日本語版のCarbon化が済んでいないSuitcase10を使うのもどうかと思うのだけれども、アプリケーション自体はClassicものが多いので、とりあえずClassicで使ってみることにした。
参考までに書くと、パッケージの中身はCDとクイックスタートガイド、ユーザー登録はがきの3点。分厚いマニュアルが無いのなら、もっと小さなパッケージにして欲しい(そうできない理由も分からんではないけれど)……というより、ユーザーガイドの印刷されたものを添付するべきじゃないかと思った。
念のため、インストール自体はOS9.2から行った。もちろんうまくいったし、再起動後正しく動作しているご様子。
Suitcaseと言えば、普通は大量のフォントをどうにかするのが役目なわけで、まずはセット(グループみたいなのね)を作成して、その中にフォントを放り込んでやることから始めなきゃいけない。必ずしなきゃいけなくはないんだけれども、セットを作ればファミリ別とかベンダー別とか用途別とかでフォントを分類できるのでやっといたほうがよいと思う。
ちなみに、セットA(←仮の名前)の中にセットBをドロップすれば入れ子にできるんだけれども、セットBはリストに残ったままで、セットAの中に入っているのは「セットBへの参照」という感じのもよう。これはこれで便利なこともあるけれど、大概はリストが長くなって鬱陶しいので何とかできるようになるといいなとか思った。
一通りセットの作成やフォントの登録を済ませた後は、好きなときにそれらを有効化したり、逆に無効化したりできる。いちいちシステムのフォントフォルダからフォントを出し入れして再起動、というのはしなくてよくなるわけ。セットに対して操作を行えば、複数のフォントを一度に切り替えられるという寸法だね。
通常のセット以外にも、特定のアプリを立ち上げたとき自動で有効になるセットが作れるもよう(そのアプリを終了したとき無効になるわけではない……当然といえば当然だけど注意)。また、特定のドキュメントを開く際に任意のセットを有効化することもできるみたいだけれども、OS Xからはコンテクストメニューが対応していないので設定することはできなかった。
Classicを起動後、必要なフォントを有効化し適当なClassicアプリを使ってみたところ、きちんと認識されているみたいで普通に使用することができた。ちなみに、OpenTypeフォントの管理はできない(登録自体が無理だった)みたいで、それらについてはフォントフォルダに入れておく必要がある(Classicで使うにはATM Lightの4.6.xが必要)。
コンテクストメニューやSuitcaseコントロールバーが使えないので、OS 9.xと全く同様にとはいかないものの、とりあえずは使えそうだという感じがした。もちろん、OS Xネイティブなアプリケーションでは有効化したフォントを認識しないし、機能拡張がらみの機能がClassicでも正常動作するかは不安があるので、その辺はCarbon化されたアップデートの登場を待つ必要がある。英語版は既に入手可能なようだけれども、日本語版のスケジュールがいまだにはっきりしないのが残念なところ。
SuitcaseにはFontBookというのが付いてくる。これはフォントの見本帳のようなのを再現してくれるもので、もちろん画面上で見るだけでなく、プリンタで出力もできるとの事。
で、実際使ってみたんだけれども、これはあくまで欧文フォント用。和文フォントの確認に適したテンプレートがないので、その点ではあまりうれしくない。それにFontBook自体は単体のアプリケーションであってSuitcaseとの連携は弱かったりするので、たとえばSuitcase上からワンクリックでFontBookを呼び出し、セットの見本を作成するとか、そんなことがシームレスにできるとよいなと感じた。
Suitcase10は、ATM Deluxeと比べても操作性がよさそうな感じだし、いろいろとありがたい機能が用意されているので、これからフォント管理ソフトを購入しようとする方にはおすすめ。Suitcase XTが付いてくるのでQXを使う方にもおすすめ、かな。4J以降対応というのがアレだけど、この辺は多分QX側の仕様の問題だろうから文句は言えない。
OS Xユーザーに関しては、Classicアプリを多用する方にはOK、それ以外の方には待ちをおすすめしておくことに。Carbon化アップデートは無償らしいし、競合する他社製品がないので今買ってはいけない、というほどでもないのだけれども……。