分類タグとは

はじめに

ここでは、Bluebrain および Karta の基本概念である「分類タグ」の考え方を紹介しています。

ディレクトリと分類

現在の一般的なパーソナルコンピュータ OS のファイルシステムは、ディレクトリツリー(フォルダによるファイル管理)を採用しています。ディレクトリによる階層構造(ツリー構造)は、WWW の URL などもで見られるように、コンピュータを扱う上で必要不可欠な概念ですし、それなりに効率的なファイル管理方法です。

ディレクトリツリー

ただし、ツリー構造は万能ではありません。フォルダは、複数のファイルをまとめることには適していますが、物事を分類することに関しては力不足です。ディレクトリツリーやフォルダによる分類は、項目を、たった一つの視点に限定(位置を固定)してしまいます。本来、ファイル項目は、その内容に応じた多面的な仕分けができるはず。

分類タグ

ファイルに限らず、アプリケーションソフトウェアで扱うデータ項目も、ある程度の規模になれば、何らかの方法で分類する必要があります。ここでもディレクトリツリーが採用されることが多いようです。しかし、ディレクトリだけでは、検索性のよい分類はできません。

本当に検索性を優先したいのであれば、項目をフォルダに入れる形で分類管理するのは止めます。代わりに、項目自体にその内容を示すキーワードをタグ(ラベル)として貼り付け、検索できるようにします。

項目と分類タグ

集合

同じタグを付けた項目を検索して集めることで、「分類に属する項目集合」を表現します。

項目は「タグを付けている」という理由だけで集められ、それぞれに位置的な繋がりはありません。タグを剥がせば、その分類から外されることになります。

多面性

一つの項目には、複数の異なるタグを付けることができます。これにより、「A であり B でもある」というような、多面的で柔軟な分類が可能になります。この項目は、分類 A の集合と分類 B の集合の両方に同時に存在します。

項目中心

分類が先にあって、項目をそれらに格納してゆくのではなく、まず先に項目が存在します。

項目が存在しなければ、分類も存在しません。項目への操作によって分類を作成します。また、項目は重複しません。

タグとキーワード

分類タグは、ただの文字列キーワードではありません。それ自体、独立したものとして存在します。一つの空間に、同じ分類タグは二つ以上必要ありません。項目 a に貼り付けたタグ A を、項目 b にも貼り付けることができます。その後、タグ A を削除すると、項目 a, b の両方から A が剥がされます。

分類の分類

分類タグ自体に、別の分類タグを貼り付けることを考えます。これは、分類の分類、分類の継承(is-a)を意味します。「A は SuperA に属する」と定義することで、タグ A に関連付けられている項目集合は、同時にタグ SuperA の項目集合になります。

まとめ

特に文書や画像などの創作物は、一つの項目単位に複数の分野を内包していることがあります。たとえば、日記、文書・画像管理、ブックマークなどで、このような分類方法が効果的でしょう。

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