Jpeg2000はJPEG(Joint Photographic Codintg Expert Group)によって提唱された、新しい画像圧縮方式です。
主な特徴は
・不可逆/可逆の両方をサポート
・ブロックノイズがほとんど現れない
・高圧縮率の時の画質の良さ
等です。

(参照：jpeg.org)

現在は、Part10まで制定されています。

Part1	Core coding system	画像をJpeg2000に符号化／復号化する基本的なシステム。
Part2	Extensions	Part1の拡張
Part3	Motion JPEG 2000	動画を取り扱うMotionJpeg2000について
Part4	Conformance testing	画像伝送におけるコードストリームの検証方法を規定
Part5	Reference software	Jpeg2000の機能を検証するための公式ソフトウェア JasPer software (C) http://www.imagepower.com/ JJ2000 software (Java) http://jj2000.epfl.ch/
Part6	Compound image file format	複合画像(絵と文字が混じった画像)の規定
Part7	欠番	.
Part8	JPSEC	セキュリティーを考慮したJpeg2000
Part9	JPIP	ネットワーク上での扱いなど
Part10	JP3D	３次元画像

TABLE1-1 . Jpeg2000の規格(参照：Jpeg2000 Committee Drafts)

各規格に対応したファイルフォーマットとして以下のようなものがあります。

J2K	Jpeg2000標準拡張子
JPC/J2C	コードストリーム部のみで構成されるJPEG2000
JP2	静止画Jpeg2000の標準(Part1)
MJ2	動画Jpeg2000(Part3)
JPX	静止画Jpeg2000拡張(Part2)
JPM	静止画Jpeg2000レイヤ画像(Part6)
J3D	３次元画像(Part10)

TABLE1-2 . 各フォーマット

静止画で一般に使われるのはJP2フォーマットになります。

Jpeg2000の圧縮の流れは以下のようになります。
FIG.2-1 . 圧縮の流れ

各コンポーネントが符号なし整数の場合、レベルシフトを行い符号付きの値に変換します。
例えば24bitのビットマップの場合、3つのコンポーネント(R,G,B)が存在し、
各々のコンポーネントは0〜255の8bit符号なし整数で表されるので、
これを-128〜127にレベルシフトします。

r(x,y)=r(x,y)-128
g(x,y)=g(x,y)-128
b(x,y)=b(x,y)-128

圧縮効率を向上させるため、RGB信号をYCbCr色空間へ変換します。
YCbCrは輝度(Y)と色差(Cb,Cr)成分を持ちます。

不可逆圧縮の場合は、ICT(Irreversible Color Transform)、
可逆圧縮の場合は、可逆変換が可能なRCT(Reversible Color Transform)を用います。




FIG.2-2-1 . RCTとICTの変換式

書き途中

書き途中

書き途中

書き途中

とりあえず実装例だけ載せておきます。
mq_cod.h

書き途中

コードストリームは全て、マーカーセグメント単位で構成されます。

MarkerName	Unsigned 2byte	マーカの種類。 2byteの整数で、1バイト目は必ず0xffになります。
MarkerLength	Unsigned 2byte	MarkerNameを含まない、マーカ全体のサイズ。 ビックエンディアンの2byte整数です。
MarkerData	.	実際のデータの部分です。

TABLE3-1.Marker構造

Start of codestream	SOC	0xFF4F	コードストリームの始まり
Start of tile-part	SOT	0xFF90	タイルパートの始まり
Start of data	SOD	0xFF93	データの始まり
End of codestream	EOC	0xFFD9	コードストリームの終わり
Image and tile size	SIZ	0xFF51	画像サイズ、タイルサイズ情報
Coding style default	COD	0xFF52	.
Coding style component	COC	0xFF53	.
Region-of-interest	RGN	0xFF5E	.
Quantization default	QCD	0xFF5C	.
Quantization component	QCC	0xFF5D	.
Progression order default	POD	0xFF5F	.
Tile-part lengths, main header	TLM	0xFF55	.
Packet length, main header	PLM	0xFF57	.
Packet length, tile-part header	PLT	0xFF58	.
Packed packet headers, main header	PPM	0xFF60	.
Packed packet headers, tile-part header	PPT	0xFF61	.
Start of packet	SOP	0xFF91	.
End of packet header	EPH	0xFF92	.
Comment and extension	CME	0xFF64	コメント

TABLE3-2.Markerの種類


FIG.3-1 . コードストリーム構造

jp2ファイルの構造は以下のようになっています。

JP2 JP2 Signature box JP2 File Type box JP2 header box (superbox) Image Header box BitsPerComponent box Component Definition box Colour Specification box 0 //Colour Specification box n// Palette box Resolution box (superbox) Capture resolution box Default display resolution box Contiguous codestream box 0 //Contiguous codestream box n// IPR box XML boxes UUID boxes UUID Info boxes (superbox) UUID List box Data Entry URL box

TABLE4-1.jp2ファイルの構造

jp2ファイルの中身は、boxという単位のデータ構造の集まりになってます。
太字は、jp2構成に必須になるboxです。

BoxLength	Unsigned 4byte	Boxのサイズをbyteで示します。BoxLength,BoxTypeも含みます。 サイズが0である場合は、ファイル終端までをサイズとします。 サイズが0のBoxが別のBox(SuperBox)に含まれる場合、そのSuperBoxの箱の長さは0とします。 これはこのBoxがファイル中、最後であることを意味します. 2〜7は、ほかの使用のために予約します。
BoxType	Unsigned 4byte	Boxの種類を示します 32bitのunsigned intにASCIIコードで４文字をパックしたものです。 SPACEはBoxType内では"\040"とします。
(BoxExtendedSize)	Unsigned 8byte	BoxLengthが1である場合こちらが実際のBoxのサイズを示します。
BoxData	.	実際のデータの部分です。

TABLE4-1-1.box構造

データはすべてビックエンディアンです。
intel系はリトルエンディアンなので、バイト単位で順序を逆さにする必要があります。
superboxはboxの中にboxを形成します。

JP2ファイルの先頭にあるjp2識別のための情報を含むboxです。

BoxLength	Unsigned 4byte	(0x0000000C)	.
BoxType	Unsigned 4byte	(0x6A502020)	("JP ")
MagicCode	Unsigned 4byte	(0x0D0A870A)	(CR,LF,0x87,LF)

TABLE4-2-1.JP2 Signature box構造

JP2 Signature boxに続くbox。

BoxLength	Unsigned 4byte	(0x00000014)	.
BoxType	Unsigned 4byte	(0x66747970)	("ftyp")
jp2Header	Unsigned 4byte	(0x6A703230)	("jp2 ")
MinorVersion(?)	Unsigned 4byte	(0x00000000)	()
MajorVersion(?)	Unsigned 4byte	(0x6A703230)	("jp2 ")

TABLE4-3-1.JP2 Filetype box構造

画像ファイルに関する情報を格納するbox

BoxLength	Unsigned 4byte	-	要計算
BoxType	Unsigned 4byte	(0x6A703268)	("jp2h")
Image Header box	box	-	(必須)
BitsPerComponent box	box	-	-
Component Definition box	box	-	-
Colour Specification box	box	-	(必須)
Palette box	box	-	-
Resolution box(superbox)	box	-	-

TABLE4-4-1.JP2 Filetype box構造

画像情報を格納するbox

BoxLength	Unsigned 4byte	-	(0x00000016)
BoxType	Unsigned 4byte	(0x69686472)	("ihdr")
height	Unsigned 4byte	-	高さ
width	Unsigned 4byte	-	幅
Number of components	Unsigned 2byte	-	コンポーネント数
Bits per component	Unsigned 1byte	-	コンポーネントのビット深度。 もしすべてのコンポーネントでビット深度が同じである場合、この値がビット深度を示す。 そうでない場合は、ここの値は0としてBitsPerComponent boxで定義する。 (jasperはビット深度が同じでもここの値を0xffとして BitsPerComponent boxを使っているみたいです。)
Compression type	Unsigned 1byte	(0x07)	圧縮方法。JP2ファイルではこの値は7とします。
Colourspace Unknown	Unsigned 1byte	(0x00)	イメージ・データのcolourspaceが既知であるかどうか明示します。 0:既知,1:未知
Intellectual Property	Unsigned 1byte	(0x00)	知的所有権情報を含むかどうか。 0:権利情報を含まない。,1:権利情報を含む。

TABLE4-5-1.JP2 Image Header box構造

以下書きかけ