kr_ryo 徒然日誌 <2002年12月8日分>

三國志製作記7〜デフレと三國志〜

前口上では、月日がたつのは早いもので〜とか書いて、赤ん坊の1年は人生の全てだが、80歳のおじいさんには1年は人生の80分の1でしかないとかいうような話をしている割りには、今週は異様に長く感じました(x_x)やっぱり週休2日に慣れているのに日曜出勤、その後予算請求に緊急調査など、非定型外の仕事を大量にやっていると1週間で1月分の仕事をした気になります。いや、気になってるだけではだめなんですけどね(^^;

こう考えると、初めてとか、慣れない、といったことの時間は長く感じるのは、経験が少ないからそれに費やした時間が今費やした時間で全てであり、いわば赤ん坊の1年と同じような感じといえます。これに対し、慣れているとか、楽しいといったことの時間は短く感じるのは、経験が多いから、それに費やした時間は今まで費やした時間の一部、つまりおじいさんの1年と同じような感じといえます。楽しいことが短く感じるのは、楽しいからこそ今までにもよくそれに時間を費やしたりしてたんでしょう。

そんな感じのことをつらつら考えていたわけではなく、さすがに疲れていて今日も泥のように寝てました。ん、この言葉、どういう言われ初めだったんでしょう(^^;泥のように…泥…??

さて、ぬかるみにはまる前に(^^ゞ表題に戻りましょう。最近流行りのデフレです。三国時代の本を読んでいると、後漢から三国時代にかけてはデフレ時代だったようです。逆に、デフレのために後漢が倒壞し、三国時代に入ったともいえるそうです。どういうことかというと…

まず、長年月かけて、シルクロードのラクダ隊商が西方の文物を運んできて漢の金銀が流出していきます。漢のシルクも流れていくはずですが、どうも漢は輸入超過だったようです。これに対して、漢国内や漢の周辺国の金銀はそろそろ掘り尽くすころでした。そうした状況に、金持ちや貴族は金を市中に流さなくなり、市中に出回る金が枯渇していきます。貨幣が減少して貨幣価値があがる、ほら、デフレですね。それなのに庶民の税は物納ではなく銭納でした。こうなると、物はあっても銭で売れないために税を払えなくなる庶民が籍を捨て、貴族などの荘園に流れたり、太平道や五斗米道に入ったりします。税収が落ちた漢政府は重税を課し、さらに庶民が逃散します。こうして黄巾の乱がまもなくやってくることになります。

その後曹操は屯田によって国家規模で荘園を興し、集めた民に物納を要求していました。銭より食料を求めた結果として対袁紹戦に勝利します。これに対し、国力の乏しい蜀や呉が魏に対抗できたのは、貨幣経済がデフレでいきづまり、流通やら生産やらが滞っていて魏といえども国力の規模拡大が早急にはできなかったからでしょう。

と、後漢から三国はこんな時代だったようです。この時代は現物現金経済のはずですから、現代のように物的価値の低い紙幣や、物理的存在のない数字だけのお金(う、法学部出身なんで金融のことよくわからん(;_;)こういうのなんていうんでしょうねえ)で資金量を簡単に増やすなんてことはできなかったんでしょう。ところが、紙幣や数字だけのお金の現代においてさえ、デフレになってしまいます。個人資産1200兆円と言われていますが、発行済み紙幣貨幣は70兆円分しかないのに、です。中国のデフレは唐代の貨幣大量発行まで続きますが、現代のデフレはいつまで続くんでしょうねえ。

さて、こういった話がどう三國志製作につながるか?そうです、内政ってやつです。この手のシミュレーションゲームでは、内政コマンドを実行すれば内政値が上がり、4月に入ってくる資金量が増えるっていうのが相場です。けれどもそもそもこの内政値ってのはなんなんでしょう?よくあるゲーム(特に、某チンギスハーン)では、当初は資金が枯渇しやすいけれども、がんばって内政値を上げ続けると異様に資金が増え、ゲーム終盤では使い切れないほど資金がたまるということが生じます。けれども自分が発行していないのに、いったいそんなに大量のお金がどっから湧いてでたのかと考えると興ざめしてしまいますね。こう考えて、資金量全体を限定して、金を天下のまわりものにしてしまうというのもおもしろいんですけど、現実にゲームでシミュレートするのはかなり無理があります。というより、ゲームで必要な金融の内容だけでは、当時の中国全体をシミュレートしきれないので、そのことにはあんまり意味がありません。まあ資金調達をかなり厳しくする方向で考えるのがいいんでしょうねえ。また、単に内政というだけでなく、籍すなわち庶民から税を徴収するために人口増を目指す方向でいくのが基本です。けれども籍から逃亡する庶民が多い世の中ですから、商業税を徴収するための市場整備や物産の売り上げによって資金を調達することになるんでしょうか?

こういう感じで、コマンドとそれを実行した内容、限界が決まっていきます。まあ最後はどこまでいっても抽象化してばっさりいかないといけないということではあるんですが、ここらへんの内容を考えないと、やっぱりゲームとして浅薄かな、と(^^ゞいや、余計なこと考えて遅くなっているわけでは決してないんですけどね(^^;;;考えすぎ!?(--;)

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