kr_ryo 徒然日誌 <2003年8月24日分>

三國志製作記29〜朝廷と側近〜

夏がなんとなく終わりそうかなあ〜と思っていたら、突然35度を超える残暑がやってきました(^^;;;去年の8月は部屋が40度になるかしら〜なんて思いながら、VAIOを酷使(推奨温度超えてる…!)していましたが(^^;残暑だと日中はともかく、夜は涼しくなりますね。いやあ、夏は暑くなくっちゃ!って、やせ我慢(^^;A

さて、満2歳を迎えた当サイト、先週はMSブラストで大騒ぎしていました(--;その後、結構安全って言われていたシステムも、感染していたらしいですねえ〜!それもシステム管理者の予期しないような使われ方をしているところから感染しているようです。いわく、自宅のパソコンをシステムに勝手につないだ…そんなことすんな〜!(▼ヘ▼メ)ほんと、困ったもんですね〜(--;

それはともかく(^^;、当サイトの2周年記念は、SWG製作完成から2周年記念ということになります(^^;ASWGのバージョンアップや追加シナリオを出したりしてはしつつも、SWGの次は三國志、製作企画開始から2周年を迎えてしまいました(~_~;まあ、昨年の1周年記念の際は、まだDelphi学習中(^^;だったので、実際の製作からはそれほどたっていません。けど、まあ、これほどルールが決まらないというか、複雑化志向と単純化志向が自分の中でせめぎ合うとは思いませんでした(^^;今週は三國志製作の最大の難関、ルール策定のお話が続きます。

今現在悩んでいるのは、刺史や牧といった、中間管理職の位置づけです。一応、城=郡を基本単位としようと考えているんですが、そうするとなかなか州という単位は目立たない。ところが実際上、州という単位は使われることが多かったりします。自勢力に対抗する城に対しては、州刺史の資格で討伐することもできます。孫策にせよ孫権にせよ、なかなか揚州刺史にしてもらえなかった(孫権が実力で全州を支配してから認められた)ことで、支配の正当性が確立しづらく、全州の統一に時間がかかった面はありそうです。これに対してもともと刺史だった劉表や劉璋、後任に推され、後で朝廷に認められた曹操(州)や策略で冀州刺史の印章をだましとった袁紹は、割と支配に対する正当性が強く、統一が早かったように思えます。まあ、劉備のようにやたら刺史の資格を譲り受けれるところにいた(徐州、荊州、益州。まあ益州は攻め込んでますな。後、曹操に奏上してもらった豫州ってのもありますね)割に支配が安定しなかった人もいますが、劉備の場合官僚の人材不足の面はありますね。

州刺史や牧を作ろうとすると、城単位とは別の集団を作らないといけません。koei系のゲームになれた身としては(^^;城単位で武将や兵や金を管理できるのが楽…というか、たいていのゲームでは城なら城だけといった基本単位でしか管理されてません。少なくとも、私の知っている範囲では、組織の階層化はシミュレートされていないように思えます。銀英伝4では、ゲーム上は3人だけとはいえ作戦指導部と、艦隊、星系が分かれて存在し、個人の資格で作戦指導部に意見具申ができるのが魅力でした。まあ、よく考えてみれば、作戦司令部に籍を置いていない一将校が宇宙艦隊司令長官に意見を述べるというのはかなり変な気もしますけどね(^^;

州政府だけでなく、城とは別組織にしたいのが、漢の朝廷と、君主と側近集団、軍団です。この中で一番扱いが厄介なのが実は州です(^^;州刺史としての役割は、君主の役割とかぶることが多いと思うからです。まず君主と側近集団については、君主が1城だけを支配下においているなら、君主=太守で問題はありません。ところが2城以上支配下に置くと、隣の城の太守と君主である太守の位置づけが微妙な感じになります。同格じゃあ、ちょっと変な感じだったんでしょう。史実では実力者は早くから刺史や将軍を自称したり朝廷に認めてもらったりしています。これをゲーム上でも表現したい。まあ、単に名乗るだけなら何も問題ないんですが、単なる太守じゃなくて、複数城を支配する君主としてのコマンドや組織がほしいという気になります。組織というのは、君主配下の各武将が、単に太守の配下として1城を対象に働くのではなく、複数城を支配する君主の直接の配下として複数城を対象に働く武将からなる城からある程度独立した集団です。この君主と側近集団は太守としての君主とは別のコマンド、別の組織、別の管理方法をとりたい。当初予定していた内容ですね(^^;これは、州政府に近いものに見えます。

2以上の支配城があれば、もしくは1城であっても、刺史を名乗れば州の他の城を攻撃できる大義名分も立ちますし(^^;隣の州の城を攻めたければ、自らもしくは配下に刺史を名乗らせ、攻め込めばいいのです(^^;A袁紹や袁術がよくやった手口ですな。そこで当初、君主側近集団と州刺史のコマンドや組織を君主のものと一致さようかと思ったんですが、すぐに問題になるのが、刺史も君主だけでなく複数必要になり、君主でない刺史の組織やコマンドも認めると、郡太守の時同様、やっぱり君主としての独自性がなくなるということです。さらに、君主もすぐに、複数州をまとめる役割が必要になり、一刺史としての役割を超えなければならなくなります。かといって、君主とは別の刺史としての役割とは何か?というと、すぐには出てこない(--;

州刺史なんていらないのでは?というご意見もありますが、劉璋や劉表、孫権など南方の君主は支配領域が刺史同様ですし、曹操も州刺史という立場が世に出る足掛かりでしたし、どうにかして登場させたい(^^;Aさて、どういう役割があるか?

最初思いついたのが、州都の太守を刺史と呼ぶことです。城別管理に最も近い内容で、州都の武将が州務も行うことになります。ところがこれだと、まず、支配下にない州に刺史を勝手に任命して、攻め込ませるという袁紹袁術の手口が表現できない(^^;それから、州都にいない君主は刺史になれず、君主の行動半径がせばまります。州都にいなくても君主は刺史と言えればいいんでしょうが、それなら州都の太守が刺史という原則が崩れます。さらに、州都以外のすべてを支配していたとしても刺史といえません。揚州の州都は本来寿春で、揚州刺史劉繇は寿春に居すわる袁術を避けて別の場所に州都を設けました。孫権も合肥を超えて寿春を落とさない限り揚州刺史を名乗れません(^^;まあ、これは史実にあってますね(^^;最後に、史実でも、刺史が州政府を置いた地が州都であって、州都に刺史がいたから刺史なのではありません(^^;以上、ゲームとしては成り立つんですが、やっぱりイマイチです。

そこで、刺史も君主同様、組織を持つことができるようにするという考えが浮かびます。そもそも城単位で管理する以上、郡太守は君主からある程度独立して配下武将や兵や資金を有します。州政府という組織も認めればいいではないか!(^^)史実でも、刺史だけでなく、三公九卿、太守、各将軍など、独立した府という組織を有しています。何も太守にだけ組織を認める必要はない。ただ、ゲーム上大きく意味があるのは、軍団と太守くらいでしょう。三公九卿は、君主集団の側近がつく職として登場させ、独立して存在させません。ただ、とすると、朝廷の司空、丞相を歴任した曹操の役割が微妙になります。まあ、とりあえず刺史です(^^;

刺史の役割は本来太守の監察ですが、後漢末では州全体の行政権を有するようになってきました。刺史が君主なら、この行政権を表現するのに非常に意味があるんですが、君主でない刺史にそこまで権力を認める必要はありません。史実でも君主の支配下にない州の刺史の任命もあったことですし、実際の行政権は低かった名誉職と見るべきかもしれません。そう考えると、刺史として意味があるのは、君主が刺史となってる時点だけということも考えられます。けれども、雍州刺史郭淮や荊州牧としての関羽や陸遜は、かなりの独立性をもっていました。ただ彼らは、軍事的に活躍したというべきですね。ここから、刺史も軍団並みの軍事力をもつことにしましょう。それから、本来の監察業務と、ある程度内政に関して太守に命じる権限を与える感じでいいでしょう。劉繇が州都を別に置いたことや、三国時代の荊州や揚州は、各国がそれぞれ刺史や牧を置いたことから、州都も別に置いたり、そもそも1城も有していない州にも刺史を任命可能とします。将来攻め込む感じでしょうか?敵地を切り取り次第といわれた明智光秀を彷彿とさせますが(^^;

州都を州内に置いた刺史には監察業務や内政権を与えることにし、そうでない刺史は軍団と変わらない扱いにすればいいでしょうか?内政権は、内政を太守に命じることができるということでどうでしょう。ふ〜む、できそうな気がしてきました(^o^)

では、戻りまして、司空曹操と朝廷。刺史すら独立組織を持てるとするならば、朝廷も独立させていいでしょう。今のところ、三国時代を表現するのに、君主側近集団として三公九卿を任命できるようにしています。それなら漢の朝廷も献帝を君主として存在できそうなもんですが、曹操の扱いが微妙になります。実力者君主にして献帝の重臣。お、司馬懿はじめ司馬一族もそうですね。ここらへんは私の三國志計画初期からの懸案でしたね(^^;

君主プレイとするから、上位者から命じられるというシーンをなくそうとしたのに、これを表現するには上位者から命じられるか、よくあるゲームのようにまったく朝廷の存在を消してしまうか、ということになります。う〜ん(~_~;)、上位者が何か尋ねてきたり、命じてきたりするシーンを作ろうかしら…しかしそんなことができるなら、君主プレイに限らず武将プレイが十分できそうな気がします。ただ、やっぱり、天下を狙おうとするなり、朝廷=上位者の意向から独立して行動しようとするなりできる実力者でプレイしなければ、そんなプレイに値打ちがないような気がします。koeiの三國志7・8のように、上位者の言うままに行動することが普段のプレイになるなら、ほとんどプレイしていて面白くないと思うのは私だけではないはずです(~_~;銀英伝4のように、自由に各将校が勝手に計画を作戦司令部に意見具申したり、計画を取りやめさせるくらいなら楽しいんですが、それにしても敵ならともかく、味方の上司である曹操やラインハルトのような史実で優秀な人物の命じる計画が愚策なら悲しくなりますけども…(T-T)

ううむ、ここまできて武将プレイにするというのもかなり思い切った感じになりそうです(~_~;君主プレイは維持するとして、司空曹操のためあっさり朝廷の存在を消せば作るのは楽なんですが…せっかく作る以上、三國志の雰囲気を大事にしたい(^o^)

もともと朝廷といえども、董卓や曹操など実力者の意向には逆らえないほど権威が失墜していることが動乱の根本でした。そう考えると曹操も朝廷の一員というより実力者として扱った方がよいでしょう。では朝廷はどうするか。司馬家台頭後の魏の朝廷はどうするか。これも君主集団ととらえましょう。州都なし刺史もいるし、治めるべき土地もない君主集団と考えましょう。それと実力者との関係、形式上上位者だけども、実質上は操り人形でしかないという関係を何と呼ぶか…下克上?まさか(^^;差配下とでもいいましょうか?お、なかなかいい感じかもしれません(^^)こんな形式上の問題が生じるのは、朝廷と実力者位でしょうね。実力のなくなった実力者は形式上立てられることもなく、放逐されるかあっさり殺されることでしょう(^^;;

本来朝廷は全土を支配下においている建前ですが、すでに朝廷の意向に従わない実力者が存在している以上、その意志を追認するか、処罰なり討伐なりする必要があります。曹操が現れるまで朝廷の権威はほとんど守られなくなりますが、王朗などのように朝廷を君主とする太守達もいたでしょう。その者達も、実力者の勢力拡大に伴って、南陽太守張咨のようにあっさり袁術に追い出される者や、王朗のようにがんこに孫策と戦う者もいれば、とりあえず刺史である劉表に従う太守達もいたはずです。まあ、王朗もどこの馬の骨かわからない孫策だから戦ったのであって、劉繇やら劉表やらとは協力した可能性はあります。いくら朝廷の直臣たる太守といえども、太守の職責は郡の支配でしかなく、隣郡の城を攻撃するなら立派に実力者の仲間入りです。刺史であっても、本来同じ朝廷の直臣たる太守を攻撃するのは、その太守が謀反でもしていない限りできないはずであって、あえてでっちあげて攻撃するならやはり実力者です。

身に危険を感じて実力者に従ったり(荊州や益州各郡か?)、実力者ではないものの集団で刺史なりのもとに集まり、実力者と戦う(揚州や涼州や徐州か?)者もいたでしょう。董卓以後の各刺史各太守達は、実力者となるか、実力者に従うか、官を捨て隠れるか、独立したまま従来の職責を全うするか。この一番最後の、王朗のように従来の職責を全うしようとする者について、曹操が朝廷を牛耳ったから直ちに曹操配下になるか、というとそうでもない気がしますけども、曹操が朝廷の命令で、たとえば太守から侍中に任じるから都に出頭させようとすれば、あっさり従うかもしれません。そう考えれば実力者の配下でなく朝廷の配下としての太守、空白城でなくSWGの中立星系のように他国に攻め込まないものの政府が存在する郡、という区分はかなり意味がありますね。朝廷を差配下におく実力者は、朝廷配下の太守にも命じることができるとしましょうか。さらには別の実力者にも朝廷の命として命じることもできるようにしましょう。もちろん従わないでしょうが、断った方にもペナルティを課せば嫌らしくて面白そうです(^^;

ここで思いついたのが、権威という数値。ちゃんとした命令や正しい対応を行えば上がり、人々が言うことをちゃんと聞いてくれるようになり、理不尽な命令やおかしなことをしだしたら下がり、人々が言うことを聞いてくれなくなる。袁術は最初権威が高いものの、実力者として行動するにつれその理不尽な命令や帝位を僣称することで権威が落ちます。曹操が朝廷の命で袁紹配下の太守の異動を命じるけども袁紹が断れば、献帝と曹操と袁紹のそれぞれの権威が落ちる。さらに権威とは別に知名度という数値も作りましょうか。知名度と権威は世間の人が正しいと思うことをすれば上がるけども、おかしなことをすれば知名度が上がって権威が下がる。あまりに権威と知名度の差が広がれば、人々は従うけども不信を抱くようになる。こんな感じで心情をシミュレートできそうです(^o^)

もとに戻りまして、もちろん朝廷も君主として自ら行動できるということも考えられます。それこそ自ら実力者の所にではなく、朝廷配下の忠実な太守の地に落ち着き兵を養い、言うことを聞かない実力者を実力で討伐すれば面白いんですけども、すでに歴史的に豪族に支えられ、外戚に押さえ込まれていた皇帝にそんな根性があるとも思えません(^^;実力者といえど朝廷の臣下、朝敵とする理由が命令に従わなかったから、といえるにはあまりに権威が失墜しすぎ、実力も伴わなかったことが動乱を招いています。朝廷の有力臣下としての実力者を取り込み、朝廷の権威を回復してもらうことの方が現実的でしょう。問題は、有力臣下である曹操があまりに有能で徳望があったことかもしれません。もはや形だけの漢と比較され、新しい王朝を人々が望む…これぞ天命ですね(^^;そして同じことが魏と晉にも起こります。

という感じで、できるだけこの時代をシミュレートしてみようとしていますが、いかがでしょうか?(^o^)細かい点がなかなか進みませんが、刺史の扱いがやや目処がつきそうです。やっぱり色々書くと、頭だけで考えるより問題点が解決しやすくなりますね〜(^o^)ここら辺が当サイトを2年も続けた所以でしょうか(^-^)

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