kr_ryo 徒然日誌 <2004年8月29日分>

三國志製作記72〜軍師の条件〜

夏休み最後の日曜日、またも台風です(O.O;)いやあ、今年はやたらと台風が接近しますね〜!こちらはなぜか毎回直撃でないので、ついてます。今回も、きっとはずれます(^^;A

ところが前回から再作成をはじめた三國志、早くも暗雲です…!(O.O;)プログラム面もしかり、しかしながら今回はルール面の方で、問題が生じました!(^^;A

というのは、コマンドを作っていく中で、一般武将や太守はこれまで検討してきたことからそれなりに(^^;順調に中身が決まってきましたが、最後までコマンドが決まらなかったものがあります。それが…軍師です。

軍師としてプレイヤーたる君主がしてほしいことといえば、助言でしょう。古の光栄の三國志Iであれば、他の人物の行うコマンドの成功の見通しを語ってくれました。やっぱりこれが基本ですね。かならずしも当たらない、というところもミソです(^^;Aこれにより、絶対間違わない諸葛亮の位置づけが大きくなりましたね(^^;;どうやらプログラム上、諸葛亮は間違わない仕様らしいですねえ〜

さらに。物語では、大局観も軍師が進言し、君主が大きく飛躍することがありました。諸葛亮の天下三分の計はもとより、周瑜の天下二分の計、それから赤壁前夜の、張昭は曹操にそれなりに遇されるが、孫権はそうはならないだろう、という進言。郭嘉や荀ケも袁紹との戦いで的確な状況判断を曹操にもたらしました。

ところで軍師、といえば諸葛亮で、物語が劉備よりで書かれているために、軍師はただひとりの位置づけの意味が大きいです。しかし実際のところ最も信頼を置いた相手、という意味で、もちろん他の人の意見も聞いていたでしょう。まあ、この時代の中国では、張良や太公望などのように、英雄と智将がひとりずつ、というセットもののパターンが多いように見えます。しかし、しゃべるのは軍師だけではない(^^;A劉備のもとには智将は最初は諸葛亮だけしかいなかったせいで、非常に大きくめだっただけです。それでも周瑜や張昭、郭嘉や荀ケや程cなどは君主の信頼が篤かったでしょう。

いずれにせよ、コマンドで大局観を語らせるにしても、天下三分の計レベルのことを毎回いわれたとしても最初はともかく何度も聞かされる分にはありがたみもなんにもない(^^;;かといって、世間話をさせるわけにもいかないし、思いつきのチップスみたいな助言を与えられても(「〜〜の武器を使えば兵の力が増します」みたいな)本末転倒です。コマンドで大局観をしゃべらせることも、ヒントをしゃべらせるのも、どちらも帯に短したすきに長し…

と、何をさせるかをつらつら考えていくと、いったい軍師って何をしてるんだろう、と(--;軍師とはもっともその発言が君主にとりいれられやすい信頼の篤い部下中第一の人物、というより、師として友として、君主同格か一歩上をいく人物であるはずです。まさに師ですね。だから曹操は師は不要だと陳宮は出奔し、孫策と周瑜は友同士であるが、師とも兄ともうやまえといわれても孫権に対して周瑜は冷めていたともいわれるのです。

さらには、三国動乱の作者さんのいうように、よくあるシミュレーションでは、やってることが軍師のそれ、といわれるとおり、まさに軍師と君主のコマンドは一致しかねません。単に助言するだけでなく、軍師は自ら動いています。その意味ではあまり動いた印象のない張昭は軍師に見えませんね〜(^^;;

そうそう考えていくと、どうやら軍師の役割をしているのは、実は我々プレイヤーなのではないか、という気がしてきました(@_@)キャラクターとして登場しない軍師です。この軍師のいうことには、君主もだまって言うことを聞くのです。策を考え、行動させ、武将たちの個性を読み取り、天下統一に向けて君主を助ける…まさに軍師です。その上呂布は裏切り者だとか、諸葛亮は若造でも使える奴だとか、知っていたりします。むむむ…

三国動乱で、いろんな武将たちの金のかかる提案をけちらし、最適な方法で国を富ませる…それなりに君主たらせしめようとするシステムにもかかわらず、結局は最も効率のよい方法を取ってしまいます。まさに、そのプレイ、軍師です。軍師として、他の武将の提案を蹴散らしているのです。少なくとも曹操です。自らの考えを押し通します。君主が能力的にアホだったとしても、憑依した軍師たるプレイヤー様がついていれば大丈夫、このとおり最適な方法をとっていただきます……

うーーーん、これまで君主らしいプレイを、と色々考えてきましたが、登場人物の思いはどうあれ、史実がどうあれ、設定がどうあれ、結局プレイヤー様の天下統一への最短ルートをつっぱしるプレイに対しては多少の制約でしかありませんね〜不如帰ではありませんが、プレイヤー様の夢はただひとつ、天下統一!なのでしょう。アホな君主ならなおさら、プレイヤー様は君主、ではなく、君主と同位かそれ以上の軍師、なのかもしれません。

どんな君主でも、少なくとも天下への野心がまったく無いように見えても、実際は滅亡を望んでいる群雄はいませんでしょう。ところが行動がスカタンで、滅亡への道をひた走ることになったとしても…そしてそんなスカタンな人物の元に降り立った超優秀な軍師、まさにそれがプレイヤー様…!

実際には諸葛亮や周瑜といった人物だけがその役割を担っていた超優秀な軍師は、劉備や孫権のもとだけで力を発揮しました。それが他の群雄のもとにはおらず、曹操は自らが超優秀であって必要も本当はなかったのでしょう。その意味では曹操でのプレイが最もプレイヤー様プレイに近いのでしょう。曹操は他の群雄を蹴散らしましたが、他の群雄もそう易々と軍門に降ることはなく、それなりに力を持っていました。諸葛亮を招くまでまともに地盤を持っていなかったのは劉備だけです。しかし彼には(もしかすると先祖譲りの)人を使う才能がありました。曹操が恐れたのはそれでしょう。呂布にもあったのでしょうが、彼は自己の武才を誇りすぎました…!

史実通りに君主的なプレイをしようと思えば、諸葛亮が来る前の劉備はもっともプレイしにくい人物でしょう。まともなことはできません(^^;なぜか土地が治められません。領土が増えません。しかしゲームのシステム上はできてしまい、簡単に史実から離れます。よほどやるべきことをしなかったのか…?史実通りのプレイが目的であればほとんど何もできません。史実から離れるプレイをすると、諸葛亮が来る前にプレイヤー様が諸葛亮の役割をすることになります。やっぱりプレイヤー様の役割こそ、軍師です。

そんなプレイヤー様に改めて軍師助言コマンドをご用意するのは、猫に鰹節、いや違った、釈迦に説法でしょう(^^;;諸葛亮に改めて天下三分の計を説かれなくとも、弱いところを攻めるってことくらい分かってるわい、といいたくなる、と(^^;;;

ううむ、そうつらつら考えると、やっぱり軍師コマンドは必要がない…そうそう、それぞれの武将が出してくる意見提案、これまたそれ程必要がない…それによる実行にボーナスやメリットでもあれば別ですが。なんとなれば、正しくないからです。しょせんプログラムで書ききれる状況判断なんてたかが知れてます(^^;Aそのため間違ってるだとか、効率の悪いだとか、つまらない判断しかできないはずです。コンピュータ君主にならともかく、君主の師たるスーパー軍師様で君主の憑依者でもあるプレイヤー様に意見するにふさわしい卓見なんてとてもとても…(^^;A

謙遜ではなく、残念ながら本当に作るのが難しい(T-T)しかしそれよりもなによりも、そんな的確な意見を用意できる位ならプレイヤー様はいらないわけで(^^;Aコンピュータの言いなりにコマンドを実行すれば天下が統一できた…と、これはこれで攻略本風な感じで(^^;Aって、全然プレイに意味ないですね。正しすぎてもいかん、正しくなければ無駄……ムダっ?!

三国動乱での武将の提案は、使えないものも多いというか、結果として費用がかかりすぎるのでほとんどまったく使えませんが、その発言には個性が表れています。その意味では三國志のゲームの中では個性表現が最もなされたもののひとつだと思います。個性、大事です。なんとなればこれがなければ周瑜だろうが諸葛亮だろうが単なるコマでしかありません。いや、コマですね。数値でしか評価しないプレイ、最も効率の高い組み合わせにより、個性も何もなく、数値の降順で使われる人物が決まります…まさにコマ。

コマ……うーん、コマは言われるがままに動きます。たとえ取られるのがわかっていても指手のいうなりに黙って進みます。黙っています。いうなりです。これぞ、ザ・コマ。

うーーーん、統一に向けた正しい提案発言は、やりなれない最初はともかくプレイヤー様の能力を超えたエクセレントなものをご用意するのは無理でしょう…というより、そんなことしてしまったらゲームではありませんね(^^;Aしかし、正しい提案発言をせねばならんのか?君主は正しい提案発言がなくて悩んだのか?それもありますが、そればっかりではありませんね!(^o^)

そうです。君主にせよ軍師にせよ悩んだのは、正しいと思っていても、いや、わかっていても、命じる相手がコマでなかったことです!すなわち、ゲームではいとも簡単にコマンドに従ってくれますが、実際はまったく従ってくれないことです!そんなことはよくありましたよ〜諸葛亮は関羽や張飛に言うことを聞いてもらえず、いや、そんな関羽や張飛も部下に裏切られ、陸遜は40代で若造とののしられ(関羽にバカにされた諸葛亮は20代だった!)、曹操と献帝は最後まで意見が合わず、曹操の意思をよんだ楊脩はあっさり殺されます。曹操は鞭と飴で部下をなんとか御しますが、劉備はいとも簡単に部下をコマにしてしまいます。しかしコマばかりで劉備の知能指数が劉備軍の知能上限であったのが、ようやく諸葛亮クラスまで伸びる、と。コマにするのが必ずしも集団のためならず、というところですが、結局諸葛亮も劉備のコマとして命をすり減らします。うむー!

つまりはこうです。これまでのゲームはプレイヤー様は超絶軍師であるだけでなく、超絶仁徳者でもあるのです。まさに神ですな(^^;;プレイヤー様が三國志通であればある程、最適戦略も人物像もわかっていらっしゃることでしょう。いくら能力データを隠しても、呂布が最強、諸葛亮が最秀であることは推測できるでしょう。龐統が見かけによらないというのも常識ですね。超絶といわないまでも、当時のどの人物よりも優れた軍師となることは考えられます。しかしですね、諸葛亮も呂蒙も陸遜も当初実績で示さねばならなかったように、簡単にはいそうですかとみんなが意見を聞いてくれるはずはないんですよ。曹操も世間様から見れば董卓のその後の小頭目のひとり位に見られていました。袁紹を倒してはじめて見直されました。このように他人の行動は、そう簡単には制御できない……知識ばかりでは立ち行かない、そういうことです。

簡単に言いましょう(^^;コマンドが必ず実行されるとは限らない、これがミソです。おっと!( °O °;)

失敗するんではないんですよね〜、実行されないんですよね〜(^^;;プレイヤー様が軍師であれ君主であれ、どんな優れたはかりごとであったとしても、実行されなければ意味がない。こんなにきついハードルもありませんな〜!

んんん、しかしなんでこんな話になってきたんでしょう(^^;もともとはプレイヤー様の役割の話でした。実はプレイヤー様は、君主ではなく軍師なのではないか、という感じになっています。どちらにせよ、少なくとも、その勢力で最も影響力があり、何もかもを知り、誰にでも命令できる立場であり、有無を言わさず実行させ得る人物…ほとんど神に等しいですね(@_@)そういえば昔神になって遊ぶゲームがありましたね〜!ポピュラスでしたか?そうでなくとも、プレイヤー様の実力、影響力は強大です。コマンドがある限り誰も止められません。結局そのために、軍師助言コマンドがあまり意味をなさなくなります。下手な助言など意味がありませんからね〜(^^;

では神か?というと、それではあまりに人智を尽くした三國志の世界にそぐわない(^^;というより、敵を下せぬ、情報を得られぬ神なんて…(^^;;まあ、守護神というところでしょうか………そうそう、プレイヤー君主のいないところでの戦闘にプレイヤーが指揮をとる、という、よく考えれば非常に不思議な状況が守護神説を後押ししてくれそうです。

とはいえ、守護神のくせにサイコロの目を有利にしてくれるわけではないのですよね(^^;;どちらかといえば、やっぱり軍師です。あらゆることに手を出し知恵を出す諸葛亮です。またはあらゆることに手をつける曹操、でもよいですな(^^ゞ

しかし、実際にキャラクターとして諸葛亮もおり、曹操もいます。そんななかでアホ君主&強欲臣下という勢力を選択したプレイヤー様は、いったい何者なのでしょう。君主か、それとも軍師か?

軍師説をとれば、キャラ軍師と競合します。しかも、キャラとして存在しないことになります。いっそのこと新武将としてプレイヤー様の分身でも作りましょうか?(^^ゞしかしそうすると、他の武将と同じ並びになり、コマンドは武将プレイ型になったりして、やや違う方向に進みそうです……武将プレイをお望みの方、三國志2〜武将の時代〜(仮)をお待ちください(^^;;;

武将プレイであったとしても、君主としてのプレイもありえます。いずれにせよ君主プレイ、やはりプレイヤー様は君主なのです。しかしまあ、よくよく考えてみれば、プレイヤー様が実際に超絶軍師&超越仁徳者であったとしても、キャラはそうでないわけで(^^;;アホ君主はやっぱりアホ君主です。憑依してようが、急に人格が入れ代わろうが、アホはアホです(T-T)どういうことかというと、RPGでもそうですが、能力が低ければできないことがあります…もうおわかりですね(^^;;;だからこそ、武将が言うことをきかないこともありえるのです。あらら!

なんだかだんだん話が変わってきましたね〜(^^;;そういうアホ君主に憑依した超絶知能プレイヤー様がはがゆい思いをしつつ、軍師ができることは…アホ君主ではできないこと、となりそうです。ふむ!(^o^)

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