ISPELL はフリーのスペルチェッカーで、Windows 版は MS-DOS プロンプトで 動作するもので、なかなか使えます。 以下はインストールと秀丸からの使い方についての覚書です。
W32TeXから ispell-3.2.06 for Win32 (ispell-3.2.06-w32.tar.gz) または ispell-3.2.06-w32.zip (圧縮形式を勝手に zip に変更したもの) をダウンロード、解凍します。 ディレクトリ bin, dic, doc, lisp と いくつかのファイルが出てきます。 その中のファイル README.w32 に導入の仕方が書いてあります。 以下、概ねその復唱です。
環境変数 HOME が設定されていない場合は、適当に設定します。 Windows95/98/Meならば、例えば、ディレクトリ c:\home を作って、c:\autoexec.bat の中に
set HOME=c:\home
という行を加えます。
あとで新しい単語を登録した場合、 環境変数 HOME で設定されたディレクトリに、 プライベート辞書が作成されます。
dic にある四つの辞書ファイル english.hash, american.hash, UK-xlg.hash, US-xlg.hash をディレクトリ c:\usr\local\lib に(なければ作ってから)入れるか、勝手なディレクトリ (例えばc:\ispelldic)に入れてから、 環境変数 ISPELLDICTDIR を設定します。 Windows95/98/Meならば、 c:\autoexec.bat の中に
set ISPELLDICTDIR=c:/ispelldic
というような行を加えます(c:\usr\local\lib に入れた場合には c:\autoexec.bat への記述は必要ないです)。
bin ディレクトリの中の ispell.exe を PATH の通ったディレクトリに入れます。 何も考えたくなければ、例えば c:\windows\command の中に入れます。 再起動すれば、ispell の導入は終わりです。
doc ディレクトリの中に説明のファイルがあります。
MS-DOSプロンプトから ispell と打つと簡単な使い方が表示されます。 基本的にはプロンプトから ispell ファイル名 のよう。 使用中に、コマンドの簡単な説明を表示するには ? を押す。
秀丸から呼び出せるように簡単な(あまり当てにならない)マクロを導入。 ispell.mac (1kb) を ダウンロード、解凍するとできる ispell.mac を 秀丸のマクロファイル用のフォルダに入れます。ここで、 秀丸のマクロファイル用のフォルダとは、秀丸のメニューの "その他->動作環境->パス->環境->マクロファイル用のフォルダ" のところに指定してある場所のことです。 秀丸から使う場合はメニューの "マクロ->マクロ実行" で ispell.mac を選ぶか、あるいは、 マクロ登録をしてメニュー(またはキーボード)から 選べるようにしておくと尚便利です。 これで、秀丸から ispell を呼び出し、 編集中のテキストのスペルをチェックすることができます。
注: 秀丸用マクロをWindows XPでも使えるように直しました(2002年12月)。 ただ、Windows XPで使うには以下が必要だと思います(もっと良い方法もあるかも知れませんが)。
ispell は辞書に無い単語を見付ける毎に 正しいと思われるスペルの候補をいくつか示して止まるので、 正しいスペルの番号を押すか、 下のコマンドによってテキストのスペルを直していきます。 コマンドを忘れたら ? を押せばヘルプが表示されます。
r | 単語全体を書き直す。 |
Space | 今回に限りそのスペリングを許容。 |
a | 今回以降、残りの部分についてもそのスペリングを許容。 |
i | そのスペリングを許容しプライベート辞書に加える。 |
u | そのスペリングを許容し単語全体を小文字にしたものをプライベート辞書に加える。 |
0-n | 単語を番号で指定する候補に置き換える。 |
l | システム辞書を調べる(詳しくはマニュアル参照)。 |
x | 変更を保存して(ファイルを書き換えて)終了。ファイルの残りの部分はそのまま。 |
q | 変更を保存しないで(ファイルを書き換えずに)終了。 |
! | Shell escape(詳しくはマニュアル参照)。 |
Ctrl-l | 画面の再描画。 |
Ctrl-z | サスペンド (Windows 用では無効)。 |
? | ヘルプを表示。 |