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平成十三年八月二十八日(火)。

 いま夜十時、ちょっと眠いです。このまま冷たいタイルの床に横になりたいのですがなんとなくそれはよすことにしました。

 でも、お腹が減ったのでご飯にだしの素をいれて炊くことにします。

 さて、昨日なのですが、メールマガジンを配信したあとに久しく会っていなかった友人から電話がかかってきて都内に呼び出されました。友人は台湾に出張してもらった高額のギャラで車を買ったので、お食事に連れていってくれるそうです。

 白米通りで待ち合わせると、久しぶりに会った彼は出会い頭からいきなり酒臭い臭いをさせておりました。「ドイツ人の友達が帰国するから今から見送りに行くんだ乗れ」と彼は言います。わたくしは車に乗せられ拉致られました。

 当然ハイウェイ酒酔い暴走です。生きた心地がしません。何度もわたくしは助手席で悲鳴を上げなければなりませんでした。

 なんとか事故る事もなくわたくしの四年分の生活費よりもちょっとその高い瑞西車を空港の駐車場に入れると彼はプラスチックのコップとハイネケンの缶を出してきて、それを持って空港内のファミマに行き、シンハビール大瓶と氷を二本買いました。

 もし昨日ドンムアン空港の第二ターミナル出発フロアでビール飲んでるタイ人と日本人の男二人を見かけたなら、それは間違いなくわたくしたちです。周囲の視線はとても冷たく、淋しゅうございました。

 ドイツ人のお友達と彼が無理矢理別れの言葉をかわしたあと、私は空港内から歩道橋を渡り、駅前のカラオケ屋で時間を潰すことにしました。帰国の途に着いたドイツ人がわたくしに「はじめましてところでこいつこのまま運転させるとすげえ危ないから何とかしてね」と耳元で囁いたからです。ええ、わたくしもそう思いました。

 「彼は、大丈夫だ俺は今まで事故ったことがないんだ」と千鳥足で歩きながら叫んでそのままわたくしを車に乗せようと致しましたが、わたくしはまだ死にたくないので何とか彼に歩道橋を渡らせ、空港前駅から二百メートルほど離れたカラオケ屋に押し込みました。

 そして一時間ほど歌いながら鯰と海老トムヤム、飯、コーラをヤツの胃に注入し、空港駐車場に戻ってハンドルを握らせました。高速道路は使わずに一般道を走って首都にはいると、彼は、せっかくだからちょっと遊んでいこう、と言い、ロイヤルシティーアヴェニューというすげえ高級なディスコがたくさん並んでいるところに私を連れていました。わたしと彼は待ったりとそこでビールを飲んだあと、彼のアパートメントに戻りました。

 彼は自分の部屋に入るとすかさず、ラオスで仕事したときに買ってきたという焼酎を出してきます。わたくしはそれを飲みながら彼のノートパソコンで再生されるサムライブランドの裏流出日の丸エロVCDを見ていたら寝てしまいました。

 起きたら昼過ぎです。彼はプラスチックのカップをどこかに忘れてきた、と言っています。わたくしから奪ってかぶっていた帽子も行方不明です。ラオ焼酎を二人で一本開けてしまったことは覚えていないそうです。「せっかくロイヤルシティーアヴェニューに連れてってやったのに何でナンパしないんだ?」とそのことだけいつまでもわたくしに愚痴っておられます。

 それからまた瑞西車で送ってもらってアパートメントに戻って来ました。首都の華やかな場所をあちこちドライブしてもらってそれはそれで楽しかったし、友人がいい報酬を得られるようになったのはそれはそれでわたくしも嬉しいのですが、気をつけて運転して欲しいとつくづく思いました。交通事故で死なれたりして、精神的にウザい思いをするより、こんな風に生きてる本人に対してウザく感じる方がいいとつくづく思いました。
   

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