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まあちょっとしたお年玉のつもりだったんですよ自分への。 なんだかよくわからないまま根拠もなく翻訳出版許可も出たことだし。 元旦に北部国境越えた緬国内で買ったギターの話なんですけどね。 これがまた現実逃避の道具としては素晴らしいものなのです。 なにしろコードを押さえて弦を振動させるだけでひとりカラオケ状態なのですから。 特に最近仕事に激行き詰まりまくり故、現実から逃避すること甚だしかったのです。キーボードも壊れたりしたし。 もうそれは現実から目を背けたのです左手の指先がカチカチになるくらい。 ですから、電話掛けたりするときに、挨拶もなくいきなりギター弾きながら受話器を肩と顎の間に挟み、 ♪[Bm]おいかけてぇ〜♪ とか小ネタ蹴り込むことも可能なくらいには上達したわけです。 ええ、『雪国』なんですけどね吉幾三の。 そうなんです。楽曲のスコアなんてネットでいくらでも手に入るのです。 だから当然、かかってきた電話においても然りです。 普段電話なんか使わないあたしですから、ここに電話かけてくる人なんて限られてるわけですよ。 だから全然歌ってもオッケーなわけです小ネタとして。 それで、数日前電話が鳴ったんです。 当然あたしはギターを持って受話器を取ったのです。 ♪[D]紅茶が冷めるわ[C]さあどおぞぉ [C]それには毒などぉ[B7]入れないわぁ♪ そんな感じで美川憲一を聴かせてしまったのです。 ええ、『さそり座の女』を聴かせてしまったのです。 今翻訳している本の、著作者側チーフマネージャーさんに。 「終わりましたか翻訳は?」 「ほとんど終わっているのですが、日本語の文章として品質を高めるにはまだ少し時間がかかりそうです」 いきなりギター演奏を伴った美川憲一を聴かされた当惑から解放されたマネージャーさんはそう問い、ギター弾いて遊んでいたという状況証拠を自ら晒した職業馬鹿は屁理屈をこねて何とかこの場を乗りきろうとしました。 しかし、日本語としての品質が具体的にどうなのか、と言うようなことをこのひきこもりまくりで泰会話があやふやな馬鹿に説明できるわけがありません。 とりあえずその場は、ちゃんとたまには連絡取りましょうね、とやんわりと叱られましたので、了解いたしました、とって受話器を置きました。 そして白石昇が現在著作者出版社その他この仕事に関係している泰ネイチヴの皆様だけに向けて発行中の、翻訳工場ニュース、と言う泰語メールマガジンの二号目を発行して、その中でも補足説明を試みたのですがどうしてもうまく説明出来ません。 だって、あたしがよしとしない日本語の品質基準というのは、あたし以外にはよくわかっていただけたことがないんですもの。 たとえ説明する相手が日本語ネイチヴで日本語で説明をするとしてもそれは同じです。誤字脱字等もそうですがそれを越えた視覚記号言語藝的な美意識に基づいた品質基準なのです。 そんなもの泰語の文章で説明できるはずがありません。 どうしたらいいか悩んだ末にあたしは昨日、都内郊外にある著作者事務所まで行ってきました。 苦肉の策として作成した文書を持って現状を報告しに。 それを見せると、事務所にいらっしゃった方々一同、文書を見てサクリとご理解及びご納得いただけたようです現状を。 サクリとご理解いただけた様子を目の当たりにして、あたしは著作者側が何の条件もなく翻訳出版許可をはじめとするあたしの申し出をほとんど全面的に受け入れ続けている理由とか根拠とかがわかったような気がしました。 へんだよこのひとたちやっぱり。 自分で作成しておいて言うのもなんですが、
納得するかフツーこの文書で。
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