音速の罠
短距離走の競技会場。
鍛え抜かれた肉体がスタートラインに並ぶ。
スターターが空砲を虚空に構える。
ぱぁん。
はて。
スタ−ターは選手の「横」にいますよね?
ということはスターターに近い選手の方が先に音が聞こえて有利なんじゃないの?
意外と音速って遅いし。
記録は0.01秒単位で残るんだし。
と、こないだ思ったわけですよ。
で、検証してみた。
まず一度に走る選手を4人とする。実際にはもっと多い場合もあろうがまあよかろう。
ここで、後々の便宜のために、スターターに一番近い人を「近さん」、一番遠い人を「遠さん」と呼びます。読みは勝手に考えてください(笑)。
で、各選手間の距離は、まあ1.5mくらいだろうと思う。
スターターと近さんとの距離は、まあ考えなくてもよいのだが、1mとしておこう。
↓図解
音速は一般によく知られている秒速340mを採用する。
計算方法ですが、距離を速さで割って時間を算出します。
○まずはスターターが空砲を撃ってから、近さんがそれを聞くまでの時間
距離:スターターから近さんまでの距離は1m。と、さっき定義しましたね。
速さ:音速の事です。340m/s。
すると、
1÷340=約0.0029秒
○続いて遠さん
距離:スターターから遠さんまでの距離は5.5mです。上図参照。
速さ:同じく340m/s
すると、
5.5÷340=約0.0167秒
○その差は・・・
0.0167-0.0029=0.0138秒
おおっ!記録に残される0.01秒を超えてる!
これは拙いやろ!今すぐ陸上協議会(?)に教えねば!
などと考えて、父上に話してみたら、こんな言葉が・・・
「各選手の後ろにスピーカーが設置してあって同時に聞こえる様にしてあるらしいよ。」
がーん!!
折角いいところに気が付いたと思ったのに・・・。
まあ気が付かないわけもないか・・・。
だう。
ちなみに昔は空砲を撃った「煙」を合図に走っていたそう。
であれば、合図は光速で届くので、選手間の差はまず、無い。
ちゃんと考えてるのね。おみそれしやした。
(ちなみにタイトルの「罠」にはあんま意味無いです。語呂がいいでしょ(笑)。
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