今度はCPUのヒートシンクを交換:選別

静音PCの波

この前、チップセットのヒートシンクを交換したのですが、 これは今流行の静音PCの為でもありました。 チップセットファンは直径が小さく、高回転なので、大変大きな音がするのです。 しかし、そのチップセットファンが無くなった今、 一番の騒音原はCPUファンとなっています。

これはSpeedFanというMicrosoft® Windows®上で動く、 CPU等の温度を監視、ファン速度を管理するアプリケーションなのですが、 これによるとCPUはそれ程負荷をかけていないにも関わらず60℃にも達するようです。 しかもマザーボードの温度センサーは大抵10~20℃程度低い値を示すそうです。 これは、私の使っているCPUが最大62.8Wという凄まじい消費電力のCPUである為なんですが、 それでもこの温度は如何せん高すぎます。

PCを静音化する為には、騒音元であるファンの回転数を下げるわけですが、 そうすれば当然、放熱性能は軒並み下がり、よりシステム・CPU温度は上昇するはずです。 Athlon XPの動作保証温度は90℃程度ですから、 今のコア温度が70℃~80℃程度だとすると、猶予は10~20℃しか無い事になり、 さらに温度が上がったら、正常動作すら危うい事は容易に想像出来ます。

温度を下げて静音化:ヒートシンク

では、CPU・システム温度をそれ程上げずに、静音化するには如何すれば良いでしょうか。 それには、より放熱性能の高いヒートシンクを使い、より回転数の低いファンを使えば何とかなりそうです。 つまり、ヒートシンクの性能、つまり基の放熱性能を上げ、その分ファンの回転数を下げるのです。

そこで色々と調べた所、当初チップセットのヒートシンクにも使ったAlpha社が出しているPAL8045シリーズが該当するように思われました。 しかしながらこのヒートシンク、ファンを吸い取り型で取り付ける事を前提としているようで、 あまりファンの回転数を下げると、放熱性能が維持出来るとは思えません。

そこでさらに調査を進めると、サーマルコンポーネント社が出している85EX60X80-XPが良いような事がわかりました。 このヒートシンクはファンレスを前提としたもので、PAL8045と比べてもより大きく、 横から送風した時の放熱性能は非常に高いように思われます。 実際の熱抵抗値も、2.0m/sの風力で0.70℃/Wですから次のように計算出来、大変期待できます。

0.70℃/W = 43.96℃/62.8W
だから室温30℃の時、43.96℃+30℃=73.96℃

まあこれは40W入力時ですし、空気の流れ等が密接に関係してくるので、 一概には言えませんが、かなり放熱性能の高いヒートシンクである事に変わりありません。 また、更に上位の90EX70X80-XPなんてのもあるのですが、 こちらはマザーボード上のコンデンサと干渉してしまう可能性を否定出来ないので、今回は85EX60X80にしました。

温度を下げて静音化:ファン

さて、ヒートシンクが仮定した所で、今度はファンを選ばなければなりません。 せっかくヒートシンクの放熱性能が上がっても、 ファンが元の騒音物では、ちっとも静音化されません。 元のCPUファンは6cm角の約5400rpm(rpm=revolutions per minute=毎分回転)という代物です。 しかし、ヒートシンクが貧弱な物から大型な物へ変わるので、 より低回転なもので、なおかつ8cm角の物を選びます。 ファンは回転数も大事ですが、大きさも大変重要です。 同じ回転数でも、大きさが1cmでも違えば、その騒音や風量は極端に違ってきます。

そこで今回は、世間で5V動作だと最も静か、と名高いXINRUILIAN社のRDL8045Sを選択しました。 ただし、今回は世間で言われているような5V動作はさせず、マザーボード上の3ピン端子に繋いで、 SpeedFan上から優雅に管理します。 その方が回転数が分かりますし、いざ温度が上がり過ぎたら、回転数を上げる事も出来ます。

5V動作だと極めて静かというのは、通常コンピュータ内部のファンは12Vで動作しているのですが、 コンピュータの4ピン入力端子には+-12Vと+-5Vが流れているので、ファンの繋がっている3ピンに、 本来の12Vではなく5Vを供給して、強制的にファンの動作電圧を下げてしまう、という物です。 たしかにファンへの入力電圧が下がる=ファンの回転数が下がるので、静かにはなりますが、 当然ながらファンの動作保証外ですし、下手をすると感電したり・ショートしたりで非常に危険です。

Reference