今度はCPUのヒートシンクを交換:考察と改善

なぜ冷えないのか

なぜ、CPUが冷えないのかと考えてみる。 側面にファンを取り付けていて、 それがCPUに取り付けてある85EX60X80に風を吹き付けて冷却している。 そして、その状態ではあまり冷えなくて、 ケース側面を開けると、飛躍的に冷却能力が上がる。 また、ケース側面はケースに立てかけておいても、冷却能力は同様。

そこで、ケース側面とファン、ヒートシンクの位置関係を考えてみると、 ケース側面と、ファンとの間が非常に狭い。 これが原因でファンに十分な吸気が行なわれていないと考えれば、 ケース側面を開けると冷却能力が改善することも納得できる。

ファン取り付け

原因の目星がついた所で、いつまでも紐で吊るしているわけにも行かないので、 IOスロットにファンを取り付ける器具を買ってきました。

写真は取り付けた様子。 IOスロット用なので、勿論そのまま取り付けたのでは、 CPUとは関係ないところに付いてしまいますので、 端を利用して斜めに取り付けてみました。 そもそも回転するんだから、この方向ならどんな角度でも問題ないでしょ。 ちなみに、新たに1つ買い足したので、全部で3つRDL8025Sが取り付けられています。

近くでみるとこんな感じです。 ほぼ真上から85EX60X80に風を吹き付けています。

再び検証

ここで再び、ファンの回転数を調節して、最適な設定を探ります。 マザーボードのファンコネクタは2つだけなので、 HDD等に使う4ピンコネクタから5Vを ファン用コネクタで取り出せるケーブルを買ってきました。 実は電源コネクタの直ぐ近くに3つ目があるのを発見。

あまり関係ないと思われるフロントファンは5V固定にし、 ケース背面とケース側面のファンを12V(マザーボードの3ピンから)と、 5V(購入したアダプタから)の双方と、吸出し・吸い込みの両パターン、 及び停止した状態を試し、最適な設定を探していきます。

色々と調整していくと、 側面ファンは12Vで吹きつけ、背面ファンは5Vで吸出しの時、 最も冷却能力が上がる事が判明しました。 背面ファンは12Vにしても5Vにしても、 はっきりとした変化は見られませんでしたが、 ファンを止めると一気に温度が上昇。 微風であっても流れがある事が大切なようです。

とりあえずの静音化

チップセットのファンを交換し、CPUのヒートシンク・ファンを交換し、 これで取り敢えずは静音化できました。 今度はHDDと電源からの音が一番の騒音減となりましたが、 今までの騒音レベルに比べれば、無視出来る程度になりました。 また、CPU温度も50℃~60℃程度に抑えられていて、問題なさそうです。 一番驚いたのは、システム温度が30℃~35℃になった事でしょうか。 排気ファンが首尾よく働いているようです。

微妙に低電圧化

その後、さらに低発熱・低騒音にするべく、CPUのコア電圧を0.5V下げました。 そもそも8KHA+はコア電圧が0.3V程高く設定されていたので、 0.5V下げても1.71V~1.70Vという値を保っています。 さすがに1V下げるのは無理があるでしょうが、 0.5V程度でしたらマージンの許容範囲程度なので、動作上は全く問題ないようです。 念の為に0.25Vつづ低下ましたが、Microsoft®Windows®の動作はもちろん、 Super PIや3DMark2001SEといったベンチマークも完走します。

結局、現在はファンを3つともM/Bのコネクタに接続して、 内フロントとCPU上部(ケース側部)のファンをSpeedFanで制御しています。 唯一背面のファンは常に12Vで動作していますが、 これはシステム温度を見ても、十分効果的に動作しているようですし、 HDDや電源ファンの音の方が大きいので、多少のノイズは気にしません。

ちなみに、SiSoftwareのSandraを使って、いくつか情報を取得してみました。 結果は次の通り。

項目 現在値 過去値 標準値 最大値
温度 48-53℃ 53-60℃ 不明 85℃
コア電圧 1.70-1.71V 1.76-1.78V 1.75V 不明
消費電力 50W 不明 56.3 62.8W
熱抵抗値 0.45℃/W 不明 不明
ファン回転数 0-2009rpm 不明 2000rpm 不明

昨日・今日は室温が10℃~20℃ぐらいに下がったので単純に比較はできませんが、 それでも、先週の計測でも、明らかにCPU温度は低下していました。 騒音としても、電源のファン・HDDが多少気になる程度で、 以前CPUとチップセットに爆音ファンがついていた頃とは天と地ほどの差があります。

Reference