低レベルなヒトの覚え書き

●余談、のようなもの


7. いつのまにか「Borland」が「Borland」でなくなっていた件

筆者はIT業界の動向に疎いので全然知らなかったのですが、近年、あのBorland社も時代の波に揉まれまくっていたようです。 とりあえず、私たちにとっていちばん馴染み深いコンパイラ関連に限ってみても、2005年に開発部門をまるごと子会社化(CodeGear社)。 続いて2008年には、その子会社をEmbarcadero Technologies社に売却。 これで完全に個人ユーザとは無縁の企業になっちゃったのか、と思ったら、2009年に至って、とうとう本体そのものがどっかの会社に買収されていました。
まあ、この辺全部、Wikipediaからの受け売りなんですけどね。 だいたいWin95の登場前後にはMSとの勝敗が決していて、創業者のフィリップ・カーンも会社を去っていた、という感じ。 DOS時代の隆盛を考えると、まさに諸行無常というか、ゲイツこわいよゲイツ。

と、余談はこれぐらいにして本題に入りますと、肝心の旧Borland社のコンパイラ類は、現在も引き続きEmbarcadero Technologies/CodeGear社から提供されています。 ウェブ上では、いちおう昔のURLからもリダイレクトされるようになっているようですが、宛先がかなりアバウトな感じなので、ここで新しいほうのURLをまとめておきます。

[URL]
[おまけ: もうちょっと新しいBorland C++ Compilerの件]

下記のページによりますと、「Borland C++ BuilderX(以下、CBX)」に含まれている「C++ Compiler(以下、BCC)」は、単体で公開されているものと比べてバージョンが新しいうえに、アセンブラの「tasm32」が付属しているそうです。 実際、筆者がたまたま持っていたCBXの配布ファイル(昔の雑誌の付録CDに入っていた個人向け無償版)を調べてみたところ、収録されているBCCのバージョンが5.6.4であることと、tasm32.exeが同梱されていることを確認できました。
CBXの配布ファイルからBCC関係のファイル一式を取り出す方法など、具体的な利用のしかたについては元ネタのページを参照してください(基本的にはzipからzipを取り出して展開するだけです)。

情報源→ http://d.hatena.ne.jp/KenjiAiko/20060122

さて、そんなわけで、CBXさえあればBCCの5.6.4が手に入ることはわかりましたが、ご承知のとおり、CBXの無償版の配布はもう何年も前に終了しているので、これから新たにCBXを手に入れることは、ちょっと難しいかもしれません。
2010年2月初旬の時点で、公式に無償公開されている製品のうち、C++ Builderを含むと思われるものは次の2種類です。

ちなみに、2009年の夏頃まで無償公開されていた「Turbo C++ Explorer」の場合は、配布ファイル(自己展開式のアーカイブ)の内部のcabアーカイブにBCC一式が収録されているようです(コンパイラのバージョンは5.8.2で、tasm32も同梱されていました)。 ただし、ひとつのcabアーカイブのなかに、BCCと無関係なものも含めてすべてのファイルがいっしょくたに置かれていたので、そこから手作業で必要なものだけを選別するのはちょっと面倒くさいかもしれません。

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R.2: 2010/02/09
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