低レベルなヒトの覚え書き
●特別企画: テキトー電気工作(2): DC1.5V電源の製作(秋月電子通商の出力電圧可変安定化電源キット)
4. 「大容量出力可変安定化電源キット LM350T使用 最大3A」の製作
秋月電子通商から発売されている電源キットは3種類ありますが、筆者はそのうち2種類の商品を実際に組み立てて使用しています。
最初に入手したのは「大容量出力可変安定化電源キット LM350T使用 最大3A」で、これを選んだ理由は「基板が専用基板なので作りやすそうに思えた」からです。
[主な材料]
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秋月電子通商の「大容量出力可変安定化電源キット LM350T使用 最大3A」。
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ACアダプタ。
今回は、電圧5.8V、最大電流730mAのもの(DoCoMoの携帯電話の充電用)を使用(
註1
)。
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放熱器のかわりにするアルミ板。
今回は、厚さ1mm程度の板のハギレと、炭酸飲料の空き缶を使用。
本来は、それなりの大きさの放熱器を使用することが望ましい(
註2
)。
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ケース。
今回は、12×8×4.7cmの食品タッパーを使用。
本来は、きちんとした金属ケースが望ましい(
註2
)。
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その他、出力側のコードや、基板を固定するネジ、基板を浮かせるスペーサーなど。
[手続き]
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キットを組み立てる。
添付のマニュアルをよく読んで、回路図と基板の部品面、ハンダ面を照らし合わせながら、間違いのないように部品を配置する。
なお、キットに含まれるパーツのうち、三端子レギュレータと電解コンデンサとダイオードに関しては、取り付け方向が決まっているので特に注意すること(
註3
)。
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アルミ板を加工して放熱器を作る。
基板上の部品とぶつかったり、ケースからはみ出したりすることなく、電圧の調整にも困らない程度に、なるべく広い面積を確保する。
なお、作例のようなポリ容器ではなく、きちんとした金属ケースを使用する場合には、放熱器をケースに密着させてしまう手もある。
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ケースを加工する。
基板を固定するためのネジ穴や、入出力のコードを通す穴を開けておく(筆者は念のため空気穴も開けた)。
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ACアダプタの出力側のコードを適当なところで切断し、2本の線のうち、どちらがプラスでどちらがマイナスかを確認する。
当たり前だが、コードを切断したりハンダ付けしたりするときには、絶対にACアダプタをコンセントから外して、装置に電流が流れないようにしておくこと。
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ACアダプタの出力側のコードをキットの入力部分につなぐ。
回路図の「別途ご用意いただく部分」の右端、「DB」(ダイオードブリッジ)と書かれている部分の「+」と「-」に、それぞれプラスとマイナスのコードを接続する。
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ひととおり装置が組み上がったら、実際にACアダプタをコンセントに差し込み、動作テストをする。
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動作に問題がなければ、出力側のコードを取り付けて、基板をケースに固定して完成。
あとは、必要に応じて出力電圧を調整する。
[完成図]
完成した装置の外観を以下に示す。
なお、画像では、出力側のコードの先端が画面からはみ出ているが、実際にはその先に(撮影の時点では)ある電器製品がつながっていた。
続いて、ケースの内側、および、底面外側から見た画像を示す。
[註]
註1:
これ自体は定電圧タイプのようでしたが(たぶん)、
前述の条件
を満たすものなら、別にどんなものでもかまいません。
筆者自身、明らかに定電圧ではないACアダプタを使っても、ちゃんと動作することを確認しています。
註2:
今回、なぜ放熱器を自作したり、食品タッパーをケースに使ったりしたかというと、そもそもキットを注文した時点では、どんな放熱器やケースを用意したらいいのかわからなかったからです。
あと、入出力電圧の設定から考えても、それほど大きな熱は発生しないだろうと思われたので、その辺はちょっと手を抜くことにしました。
註3:
三端子レギュレータの取り付け方向については、マニュアル4ページ「基板部品面」の図を参照(実物の部品で板がずれてはみ出した格好になっている側が図面の上側にくるよう配置する)。
電解コンデンサとダイオードの方向については、マニュアル3ページ右下の図を参照。
[付記]
この装置に関しては、当初、出力側のコードを給電対象の機器に直付けしていたのを、ギボシ端子を介して接続するように改めたり、入力側のACアダプタを別のものに取り替えるなど、今もまだ折に触れていじってたりします。
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R.1: 2008/09/02
Copyright (C) 2008 A.Satoshi