低レベルなヒトの覚え書き
●Another HTML-lintとPerl for Win32の話。ていうか、DOSマシンでも使えました
5. いろんなバージョンのPerlがあるけど、いったいどれを使えばいいの?
(1) 一般論
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現行のバージョン表記では、3つの数字のうち2番目が偶数ならば安定したバージョン(たとえば、5.8.8)、奇数ならば実験的なバージョン(たとえば、5.9.3)という意味になる。
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一般的には、2番目の数字が偶数の系列のうち、最新の系列の最新版か、1つ前の系列の最新版がお勧め(現状では、5.10系か5.8系の最新版)。
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ただし、2番目の数字が偶数であっても、3番目の数字がゼロの場合(たとえば、5.10.0)は、まだようやく実用試験が始まったばかりのバージョンという見方もできる(いわゆる"point-oh/point-zero" releases)。
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5.004より前のバージョンには、深刻なセキュリティ上の問題がある(註)。
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5.8.0からは、日本語の文字にも標準で対応している。
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5.005からは、DOS用やWin32用のソースも標準のソースに統合されている。
註: このセキュリティ上の問題というのは、あくまでもネット上で使用する場合の話であって、ローカルで使うだけなら、あまり気にしなくてもいいと思います(たぶん)。
[URL]
ちなみに、この原稿を書いている時点でのCPANの/src/README.htmlでは、表10-1に挙げるバージョンが「安定」扱いされています。
[表10-1]
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バージョン 公開時期
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5.004_05 1999/04
5.005_04 2004/02
5.6.2 2003/11
5.8.9 2008/12
5.10.1 2009/08
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また、もう少し古いバージョンまで含めていうと、かつてCPANの/src/5.0/maint/に置かれていた文書(現在はない)では、表10-2に挙げるバージョンが「安定」扱いされていました。
[表10-2]
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バージョン 公開時期
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5.003_07 1996/10
5.004_04 1997/10
5.004_05 1999/04
5.005_03 1999/03
5.005_04 2004/02
5.6.1 2001/04
5.6.2 2003/11
5.8.1 2003/09
5.8.2 2003/11
5.8.3 2004/01
5.8.4 2004/04
5.8.5 2004/07
5.8.6 2004/11
5.8.7 2005/05
5.8.8 2006/02
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(2) 日本語の取り扱い
日本語の件について補足します。
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5.005系までのPerlは、日本語の処理に対応していない。
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5.6系の日本語対応は、あくまでも限定的なもの。
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Perlが正式に日本語に対応したのは、5.8系以降のこと。
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古いPerlで日本語を正しく処理するためには、Jcode.plやJcode.pmを使う必要がある。
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Jcode.pmは、Jcode.plをもとに、別の作者によって開発された。
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Jcode.pmの動作条件は、バージョン0.88までがPerlの5.004系以降、バージョン2.00からは5.005系以降。
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Jcode.plのほうは、バージョン4系統の古いPerlでも利用できる。
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5.8系の登場以前に、日本で独自に拡張された日本語対応版のPerl(Jperl)もある。
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Jperlは、5.005_04ベースのものが最新版(CPANの/src/5.0/jperl/Hirofumi_Watanabe/を参照)。
(3) Another HTML-lintとの関係
Another HTML-lintのマニュアル(download.html)によると、注意すべき点は3つだけです。
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現在のAnother HTML-lintを動かすためには、最低でも5.004系以降のPerlが必要。
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日本語への対応は、Jcode.pmによって行なう(5.8系のPerlを使う場合も同様)。
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Jperlは、使わないほうが無難。
以上をまとめると、Another HTML-lintを動かすだけなら、5.004系のPerlとバージョン0.88のJcode.pmがあれば、十分ということになります。
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R.13: 2009/11/25
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